見出し画像

海外SEOで勝つポイントは、実は「サーバーの持ち方」と「呼び水流入」だったはなし

ある中小企業の商品を、D2Cブランド化して海外に対してウェブで直販していた時、一番苦労したのが海外SEOでした。

大企業のように、現地にその国のメンバーがいてお金も潤沢にある場合は別として、
日本にいながら日本人の少人数チームで直接海外にモノを売っていかなければいけない場合、狙っている海外各国のSEOで勝てるかどうかが生命線になるときがあります。

でも、、、
海外SEOで勝つにはどうすればいいか?の情報が全然ない!!

国内のSEOについての情報はWEB上に腐るほどあるし、そのプロも沢山いるけど、こと海外SEOとなると頼りになる情報がありませんでした。

「海外SEO情報ブログ」や関連本なども読み漁ってみましたが、どれも技術的な情報がほとんどで、事業者の視点で考えるべきポイントや気を付けるべき落とし穴などの情報にはあまり出会えませんでした。

なので、N=1の主観的な情報ですが、私が経験した海外SEOのポイントをまとめてみました。

<状況>
・そのブランドの日本語サイトは国内では主要対策キーワードでSEO1位を獲得し、その後ポジションキープしていた
(その市場におけるSEOの競合性が低かったことと、商品自体にSEOで勝てる仕掛けを組み込んでいたのが勝因)

・海外に対しても販売を開始するため、米国、香港、シンガポールをターゲット国として英語サイトをローンチ

・サイトの構造やコンテンツなどは日本語サイトのものを引き継ぎ

・国内では早々にSEO1位を獲得していたし、海外の競合サイトをみても日本と大差ないように見受けられたので2~3か月あれば、少なくとも各国のSEO上TOP10くらいにははいってくるだろうと当初は楽観視

・でも実際は半年たっても、SEO100位圏外、、、

・タグ設定を変更したり、外部リンク対策をしたり、一般的に効果があるとされていることはほぼやり切っても、100位圏外、、、

⇒日本では勝てていて、海外での競合の状況もそこまで日本と変わらないのに、なぜ100位以内にも入れないというぼろ負けなのか、、??
一般的に効果があるということはある意味やり切っている状況だったので、正直お手上げ状態でした。。

しかし、、、

結果を先にいってしまうと、
結局この3か月後にはSEO対策していたキーワードで、

・米国:2位
・香港:3位
・シンガポール:4位
という、3か国すべてでTOP5入りすることが出来きました。

加えて他の英語圏の国でも多数TOP10入りし、SEOだけでも毎月一定数の注文が入ってくるとても有り難い状況に。

それまでうんともすんとも言わなかったのに、急に状況が改善したのには振り返ってみると2つのポイントがあったと思います。

<転機になった2つのポイント>

①:「サーバーの持ち方」を変えた

海外SEOにおいて、一般的にサーバー自体をどこの国に持つかは関係ないといわれています。(特に米国の場合は日本との間にぶっといケーブルが通っているから日本にサーバーをおいても問題はないと)
なので、私たちも最初は日本にサーバーを置いていました。

でも、このサーバーを米国内に持つようになったことが一つのきっかけになりました。
それまで100位圏外からピクリとも動かなかったSEO順位が、サーバーを変えて1週間くらい後には50~70位に。
(50位になっても大した流入はなかったですが、それまで100位圏外でピクリともしなかったところから急に順位変動したことはかなり嬉しかったです)

一番の原因は、サイトの表示スピードだと思います。
日本と米国との間にはぶっといケーブルが通っているのでサーバーを日本においていても米国からのアクセススピードはほとんど国内からの場合と差がない、と言われていたりしますが、実際(日本にサーバーを置いていた時に)米国の友人に現地からアクセスしてもらった際、表示スピードがかなり遅かったです。それがサーバーの位置変更によって現地からアクセスした場合の表示スピードが大幅に改善したことが大きかったと思います。

勝手な考えですが、これだけスマホが生活に入り込んできた今、人がサイトに求める表示スピードの基準はどんどん上がっていると思います。(昔の電話回線を使ってネットにアクセスしていた時代からは考えられないくらい、、)
一瞬でもサイトが重いと感じたらすぐに閉じて違うアプリを開いてしまうような時代に、サーバーを日本国内にのみ持って海外サイトを運用するのは(表示スピードがあがらず直帰率がかなり上がってしまうという意味で)致命的なのかもしれません。

⇒この経験から、海外向けのサイトを運用するときは、サーバーの持ち方を注意するようになりました。
究極的には狙っている国それぞれにサーバーを持てばいいのかもしれないけれど、サーバーのレンタル代や運用の工数を考えるとそうもいかないので、各国からのサイト表示スピードと運用コストの2つのバランスを加味しながら、
「サーバーをグローバルでどれだけ分散させるのか?どこの国に持つのか?」を決めていくのが良いと思います。


②:SNS広告を使って「呼び水流入」を引っ張ってきた

サーバーの場所を変えたことよりもインパクトがあったのが、この”呼び水流入”のはなし。

何をやったかというと、Facebook広告などのSNS広告を使ってターゲット国からの流入を一時的にバッとあげました(これを勝手に”呼び水流入”と呼んでいます)

そうしたら、それまでSEO順位50~70位くらいでさまよっていたのが、急にTOP5入りするように!

何が起きたのか正確なところはGoogleしか知りえないことですが、推察をするに、要はその一時的なまとまった流入によって「ニワトリタマゴ問題」が解決したのだと思っています。

どういうことかというと、、
日本の無名の中小企業が英語サイトを立ち上げたところで、正直アクセスなんて無きに等しいです。国内であればSNSなどで友人に拡散してもらうなどで多少の流入は作り出せるけど、こと海外となるとそれも期待できません。

だからSEOで流入を得ようとしているんですが、
実はGoogle側としても(いくらタグなどのSEO対策がしっかりされていたり、コンテンツが充実していても)実際にそのサイトに訪れて一定時間滞在するような人が一定数いないようなサイトは、"足きり"せざるを得ない、という状況があるんだと思います。
(Googleが形態素分析で言語解析が出来るようになったといっても、コンピューターの処理速度は無限ではないので、些末なサイトなどはバンバン足切りしていく、、??)

これが私が勝手に「ニワトリタマゴの問題」と呼ぶ状況をよんでいて、
「流入がほぼないからそれを増やす為にSEOを頑張っているんだけど、閾値を超える流入がないからGoogleに足切りをされてしまっていて一生SEOで上にあがらない」ということになっているのではないかと。

そんな仮説のもとに、
ターゲット各国で(ターゲティングとクリエイティブをしっかり練った上で)Facebook広告を打って一時的に呼び水となる流入を入れることが出来たおかげで⇒Google側の足切りラインを超えることが出来て⇒サイト内のコンテンツなどをしっかり評価してもらえるようになり⇒現在の海外各国におけるSEO順位につながっている、と思っています。

⇒この経験から、海外SEOの戦術を作る時には、単に内部/外部SEOの形式的な部分やコンテンツの質量だけでなく、一時的な呼び水流入をどう作り出すかを併せて考えることを意識するようになりました。

また、細かい話ですがこの呼び水流入の作り方に関していうと、少量の流入がダラダラ続くより一時的にまとまった流入がある方が効果につながりやすいと思っています。(Googleの足切りラインを超えるかどうかなので)

ちなみに、この"呼び水流入"でSEOにおける「ニワトリタマゴ問題」を解決するということに関しては、海外SEOだけでなく国内でのSEOでも有効であるように思います。(特に無名の会社/商品/ブランドのサイトを0⇒1で立ち上げる時に)

実際、自分の会社HPを作ったときに実験をしてみました。
http://unsungs-web.com/

HPローンチ当初、会社名である「Unsungs&Web」もしくは「アンサングス アンド ウェブ」と打っても別のサイトが表示されるばかりで1ページ目に自社のHPが表示されませんでした。(インデックスがたってからしばらくした後でも)

なので、試しに自分のFB上で会社HPをローンチしたことを投稿したところ、幸い200前後のいいね!があつまり、実際にその日だけで150ほどのPV数に。
すると、その翌週には「Unsungs&Web」もしくは「アンサングス アンド ウェブ」どちらを検索してもSEO1位に。
(まぁ会社名だからある意味それが当たり前なんですが、、)

特に中小や0⇒1で立上げ初めのブランドなどで「ブランド名で検索してみてもいっこうにSEO上位に入ってこない!」という話はよく聞きますが、もしかしたらこの”呼び水流入”で解決できるものも多いのかもしれません。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?