見出し画像

"マーケットイン"のプロダクトなんて、もういらない

「日本のものづくり企業はプロダクトアウト思考だからダメなんだ」
「もっとしっかりと顧客の声を聞いて、マーケットインで商品開発をすることが大切」

そんなことが言われ続けて久しい今日この頃。
なんだか平成の時代は、ずっとそんなことが主張されてきたように感じます。

でも、令和の時代を迎える今、「マーケットイン⇔プロダクトアウト」の二元論でものづくりを捉えても前に進まないということは、みんな肌感覚で分かってきてる。

自社のスキルや経験などをベースに、「作れるものを作る」プロダクトアウト型でもなく。

一方で、"マーケット"という実際に見たこともない仮想の顧客に向けて商品をつくるマーケットイン型でもない。
(ペルソナを設定したり、カスタマージャーニーをつくったり、想定顧客のグループインタビューを実施したり。
その「仮想の顧客」の顔が見えるようになるために色んな努力をするけれど、結局は、プロジェクトメンバーみんなが1つの顧客像を共有するのは非現実的ということなんだろうと思います)

じゃあどんな形のものづくりが必要なのか?

それは、「(自分が)作りたいものをつくる」
ということだと思います。

目的は、自分自身の為だったり、はたまた家族や友人の為だったり、
色んなものがあるかもしれませんが、
とにかく「自分が作りたいと思ったものを納得いくまで作る」。

その先に初めて共感が生まれ、ファンができ、ブランドが形作られていくのだと思います。

そうだとすると、これからのモノづくりにおいて、
これまで価値を生み出す源泉であった「組織」や「アセット(設備やケイパビリティ)」というのは、時には足かせにすらなってしまうのでは?
と思います。

なぜなら、「自分がつくりたいもの」というのはあくまで一個人の「想い」にのみ立脚している以上、
組織全体としてそれをつくるという意思決定がなかなかに難しいこと、
さらに、会社組織の経営者からすると、これまで苦労して積み上げてきたアセットを活用せずに一個人の想いだけに立脚するものづくりのプロジェクトは、危なっかしい以外のなにものでもなく、不合理だからです。

それでも時代は「想いのあるモノ」を求めてる。

じゃあそのギャップをどう埋めるか?
個々人の「作りたい」という想いを最大限に大切にする組織の在り方ってどんな形がありえるか?
それがこれからの日本のものづくりの1つの大きなテーマな気がします。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?