WEB集客のはなし ー クラウドファンディングの「勝敗の95%」は、開始する前に決まってる
前回までの2つの投稿(こちらとこちら)で、こういう内容を書きました。
・クラウドファンディングでは、開始する前に「95%の勝負」が決まってる
・マーケティング設計のポイントは3つで「1. 最初の3日間に爆発させるにはどうするか?」「2. 顧客のアクションをどう2ステップ化するか?」「3. どうやって純度の高い潜在顧客を効率的に集めるか?」
・「1. 最初の3日間に爆発させるにはどうするか?」についてはソーシャルゲーム業界を参考に事前登録キャンペーンを設計
・「2. 顧客のアクションをどう2ステップ化」については、化粧品通販業界を参考に、1ステップでいけそうなところもあえて2ステップ化することで全体のマーケティングROIをあげる
という内容でした。
今回は、のこる最後のポイントについて、、
<3. どうやって純度の高い潜在顧客を効率的に集めるか?>
3つのポイントのうち、前回までに書いた1と2はCFならではの内部設計の話でしたが、この3つ目はCFかどうかはそこまで関係なくシンプルに「どうWEB集客すればよいか?」という話です。
最適なWEB集客の方法は、当然プロダクトやサービスによってやり方に随分と差が出てくるところだと思いますし、すべてを語り切れるわけはありませんが、実際にCFをやってみた中で個人的に重要だと感じた点が3つほどあります。
まず1つ目は、、
・そもそも集客上の「武器」を作ってからCFをやる(CFをするタイミングは最初がいいとは限らない。)
⇒CFをやる多く人にとって、「まずはCFをやって、それをお金面やプロモーション面での第一歩にする」という考えが主流だと思います。
(そもそもクラウドファンディングの始まりはそういうものですし)
「そもそもCFでの資金がないと何も始められない」、という場合はそういう考え方であってしかるべきだと思いますが、
一方で我々がそうであったように、立上げ資金の獲得というよりは商品の販促・プロモーションを目的にCFする場合も多々あるかと思います。(特に、ファンドレイジングではなく、新プロダクトやサービスの場合)
そのような場合、必ずしも最初のタイミングでCFをするかは要検討というか、あえて言い切ってしまえば"少し後"にやった方がよい、と思っています。
というのも、前の投稿で書いたようにCFにおいては「最初の3日間でどれだけ爆発させられるか?」である意味勝負の大半が決まってしまう中で、世の中に"味方"(すでに自社のプロダクトやサービスを知っている or 使ったことがある人、もしくはファン)がほぼおらず、且つSEOなどによる自社サイトへの定常流入も確保できていない状態で臨むのは個人的にはむしろ無謀だと思うからです。
(そういう場合、CF開始後にSNS上の友人に拡散を頼む、くらいしか手がなくなってしまう。実際多くのCF案件でそういう状況に陥っているかと思います)
CFする前に一定の時間をそのような集客上の「武器」作りにあて、自社サイトへの定常的にな流入導線や、商品を買ってくれた顧客のコミュニティを形成するなどの準備をすることが必要だと思います。
じゃあどれくらいの時間をそのような集客上の「武器」作りに費やしたらいいのか?
個人的には、「半年~1年」が一つの目安になるかと思っています。
理由としては、
・SEOをはじめとする定常流入導線が機能するには最低3~6か月程度必要
・一定数の人がそのプロダクト/サービス(ベータ版などでも可)を使ってみて、その一部がファンになり、そのファンがコミュニティを形成するようになるにも最低半年は必要(な場合が多い)
上記が担保できた後、さらにどれくらい待つかは、CFで目指す金額感や経営上のマイルストーンなどに応じて決めることになるかと思いますが、
CFで一定レベルの爆発⇒それによるプロモーション効果を目指すのであれば最低でも半年間は「武器」作りに時間を割いてもよいのではと考えています。
ちなみに、米国でCFする場合も一般的にこの「半年~1年程度の準備期間」は必要と言われているようです。
米国の場合は、集客上の「武器」作りというよりはメディアとのリレーション作りなどに多くの時間を割くようですが、いずれにしても本気でCFでの爆発を狙うなら「ちょっと待つ」ことも選択肢の1つに入れるべきではと思います。
さらに余談ですが、米国でのCFを現地のエージェントに相談した友人は「まず1,000万円を準備すべし」とアドバイスされたとのこと。ザックリいうと1,000万円のうち500万円を動画をはじめとするクリエイティブ制作に、残りをSNS広告やプロモーションにという配分のようです。
このあたりの感覚が、日本と米国の意識の違いを端的に表しているように個人的には感じます。
1つ目が随分長くなってしまったので、2つ目はサクッと、、
・SEOをナメない(馬鹿にしない)。できれば、プロダクト/サービス自体にSEOで勝てる"理由"を仕込んでおく。
⇒流入に対してコストがかからず、自分で検索してきた購入意思の高いユーザーが定常的に流入してくるSEOは中小/スタートアップにとってやはり生命線。
SEOといっても単に「タグを最適化しましょう」とか「外部リンクを頑張って集めましょう」という話だけではなくて、出来ればプロダクト/サービス自体にSEOで勝てる理由=「狙っているキーワードに関して他社よりコンテンツの質・量が上回る"仕掛け"」を組み入れることが重要だと思っています。
(抽象的な話になってしまっていますが、これはこれで大きなテーマの1つだと個人的に思っているので、どこかでまとめてみたいと思います!)
その"仕掛け"さえ機能していれば、中長期的にSEOで勝ち続けられ多くの企業が頭を悩ます新規顧客獲得にとらわれないで済みます。
CFの集客という点でも、例えば「レーザー加工機」というワードのようにまさにドンピシャの言葉で自ら検索をしてきてくれた潜在顧客を、お金をかけずに定常的に集客できるという点で、最終的な結果に雲泥の差が出てくると思います。
3つめは、、
・Facebook広告じゃなくて、Twitter広告をうまく使いこなすこと
⇒CFの集客施策で、Facebook広告について耳にすることは多々ありますし、米国のCFでも一般的ですが、そのほかのSNS広告についてはほとんど注目されてないように思います。
でも、個人的には(日本においては)Twitter広告が最もポテンシャルが高いと思っています。それは、CFしようとしているプロダクトやサービスが"ニッチ"であればあるほど効果を発揮します。
理由は2つ。
1つは、Twitter広告が「言葉で表しずらいニッチな志向やニーズを持つ潜在顧客群に効率的に当てる」ことが出来る広告手法だからです。
Facebook広告などの手法では、いわゆるデモグラや(Facebookが勝手に判断した)趣味趣向セグメントなどを用いてターゲティングしますが、個人的な経験からするとその精度はそれほど高くないですし、ニッチなプロダクト/サービスの場合はほぼ確実に「帯に短し襷に長し」というセグメントばかりだという印象です。
そんな経験ないでしょうか?
一方、Twitter広告の場合は、「このアカウントをフォローしている人だけに広告を出す」というやり方でターゲティングができます。
それによって、Facebook広告のセグメントのように微妙な言葉でひとくくりにされた人たちに広告を出すのではなく、「(言葉ではうまくくくれないけど)このアカウント/人をフォローしている人は絶対うちのプロダクトに興味持つはずでしょ」という人にだけ、広告をあてることが出来ます。
ターゲティングのポイントとしては、「このアカウントはさすがにマニアック過ぎるかなー」と思うくらいニッチでマニアックなアカウントをフォローしている人をターゲティングすること。
なぜならTwitter自体の特徴である「拡散のしやすさ」を最大限活用するには、最初の「火種」を出来るだけ1か所に集めた方が爆発力が出るからです。
さらにTwitter広告がポテンシャル高いと思う2つ目の理由である、エンゲージメント課金(広告がリツイートされたら課金されるけど、その先そのリツイートされた広告がさらにリツイートされたりいいねされたりしても課金されない。詳細はこちら)をうまく使えば、ほとんどお金をかけずに密度の濃い潜在顧客を集客可能です。
(具体的にはCPC5円以下でも、、)
大企業にはもしかしたらあまり意味のない話かもしれませんが、CFを活用するような中小やスタートアップにとっては、
・ニッチなものでもピンポイントでターゲティングできて、
・拡散すればするほどCPCが下がっていき、仮にCPC=5円だとすると約5万円で1万人以上の集客も可能
というのは夢のような話ではないかなと。
でもあまりその有用性が知られていないのはなぜだろう?
期せずして、Twitter広告の営業みたいになってしまいましたが(Twitter社に知り合いは一人もいません笑)、普段からニッチなもののマーケティングを考えていることが多い私のような人にとってはTwitter広告は無二の広告手法だと勝手に決めつけています。
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集客施策についてはプロダクト/サービス自体の特徴によってさまざまなので、少し抽象的な話にもなってしまいましたが、
無理やりまとめに入ると、改めて自分の中で"左脳"と読んでる「デジタルマーケティングの戦略設計」については3つのポイントが重要という話でした。
1. 最初の3日間に爆発させるにはどうするか?
2. 顧客のアクションをどう2ステップ化するか?
3. どうやって1ステップ目に純度の高い潜在顧客を効率的に集めるか?
本当は、今回書いた話以外にも、「どう顧客コミュニティをSNS上に形成して、マーケティングに生かしていくのか?」や「プロダクト/サービス自体にSEOで勝てる理由を仕込んでおくってどういうこと?」や「そもそもWEB上での集客って、どういう風に考え始めればいいの?(WEB集客の全体像って?)」など色々と書くべきというか書きたいことはありますが、さすがにそろそろ長くなりすぎたので、このあたりで。
また、「デジタルマーケティングの戦略設計」とあわせて、もう一つの大きな塊である「クリエイティブの質」の話についても、少しづつ書いていきます。
(「クリエイティブの質」のはなしに続く、予定、、)
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