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試されている時代の中で

 時代は変わった。2019年、冬を境に、物理的にも心理的にも常識が変化した。今まで偉ぶってきてしまった生命、ととのえることが苦手だった生命には厳しい時代かもしれない。人々は皆、等価価値のラインに気づいてしまった。フラットに見る世界の中で、気を利かせる、または思いやりを超えた何か、つまりは完璧を目指すという人間の本来の本性が活発化しているから、見せ掛けの威厳は通用しない。という時代の到来。
 たとえばわかりやすさ。たとえばスマートさ。たとえば軽さ。たちえば緻密さ、精密さ。たとえば完全に満たされる何か。
 人々はそれ以外に価値を見なくなり、そうでないものは徹底的にディスカウントされる。
 経費削減が行き着く先は、身動きの取れないような経済のミニサイズ化なのだけれど、それを上層部が推進することでギシギシのシステムが生まれ、敬意という尊い気持ちがそがれていく。
 このサバイバル的空気感、砂漠的空気感満載の時代を僕らはどうやって楽しく生きていけばいいのだろう。
 心をハックされる前に気づかなくてはいけない。誰が先か。ゾンビになり行く人々と、自分自身を心に持つ勇者たち。
 僕たちの心は知らず知らずにハッキングされている。誰かのことを疎ましく思ってしまったり、誰かのせいにしてしまいそうなとき、怒りの感情が湧き上がるとき、それはあなた自身の心ではない。あなた以外の魔のようなものが、あなたの尊い心をハッキングしている。操作されている。
 自分自身の中にある本来の自分に舵を握らせる。誰にも、ほかの誰にも舵を渡してはいけない。感情を暴れ馬のようにしてはいけない。
 それに気づくことなき者たちからハッキングされていく。たとえば食べ過ぎる。たとえば怒りをためていく。たとえば時間を無駄にする。たとえば光を疎ましく見る。たとえばより良くなろうとする気持ちを放棄させようとする何か。
 誰かを責めてしまうモードに入ったなら、おしゃべりな想念が心に巡りだしたなら、それは魔の仕業だと気づかなくてはいけない。
 ただ明るく、ただ喜び、ただ歌い踊り、ただ助け合い、ただ笑い合えた人々の和の姿。僕たちは原体験としてだれもが心の奥底にかけがえのない人類としての和の輝きを持っている。
 それはたとえ今世のものではなくても魂の内なる輝きとして僕たち人間は尊い光を持っている。
 時代は変わった。
 風の時代なのだという。
 諸行無常。すべては移ろいゆく。形を変えてゆく。
 本来の自分自身で己をハッキングしよう。邪なエナジーに負けない。ドミノ倒しのような時代の中で、自分自身を知っているならば踏ん張ることもきっとできる。
 亡霊のように生きるなんてつまらない。生きるなら精霊のように。なんて言うは易しだけれど、どっちが楽しいかと問われれば答えはシンプル。
 精霊のように答えを見つけたい。
 時代がジャングルならば、なおさらに光は際立つ。好き勝手に想念をハッキングさせない。それが合言葉。

 僕に、あなたに、幸あれ。

Makoto ATOZI


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