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DevCon5に備える(その2:DevCon5の傾向と対策)。

前回は過去3回DevConに行った経験から以下の傾向を分析しました。その中でも個人的に特に注目しているのが以下の三点です。

- ICO, NFT, Defi,と一年でトレンドは結構変わってくる。
- 日本人のDevcon発表者は1〜2人といった程度
- 前回はチケット入手できなかったけど会場地まで来た人多数。

それを元に今年のDevCon5の傾向と対策を練っていきたいと思います。

テクノロジートレンド

MakerDAOの独り勝ちとDefi推しは秋まで持つとは思いますが、それ以上に出てくるトレンドがクロスチェーン。多種類のブロックチェーンをつなぐ二代巨塔のうちCosmosはすでにメインネットがローンチしましたし、Polkadotも今年秋のリリースを目指して影響力を増してくることが予想されます。2月にパリであったEthccではすでに「Web3トラック」と題してイベント会場の一部屋が丸ごとPolkadot/Substrate関係の発表で埋まっていました。

対策としては他のブロックチェーンプロジェクトにもアンテナを貼っておくとともに異なるブロックチェーンコミュニティ間の連携も深めることが重要かと思います。お互いのプロジェクト間でいがみ合うよりもブロックチェーンイベント全体の存在感をイベント期間中に高めることでNHKのニュースで取り合えげられるぐらい盛り上げて行きたいものです

日本人の発表者が増える(増やす)

これはどちらかといえば傾向というよりも願望なのですが、これまでのDevConでは現地の発表者が特に優遇されるということはありませんでした。しかしながらそれだとせっかく日本で行う意味も薄れるのでぜひとも日本人登壇者を二桁行くようにできればいいんではないかと思います。英語が得意な日本人スピーカーは普通に頑張ってどしどし発表者として応募して貰えば良いのですが、ここは運営側にも協力をいただいて以下のような優遇措置、あるいは援助を行うのはどうでしょうか?

- 日本人枠を設け1〜2人の話者には通訳、あるいは英語でスピーチするサポートをつける
- それ以外の数枠は日本語での発表を許可する代わりにスライドは全て英語表記にし、そのための翻訳のサポートをつける

実はこれは私のオリジナルアイデアではなく、日本人のまつもとゆきひろ氏が発明したRubyというプログラミング言語のカンファレンス「Ruby会議」で恒常的に行われていることです。Rubyのコアデベロパーには日本人話者が多いので必然的に生まれてきたアイデアなのですが、ここは先輩カンファレンスのお知恵を拝借するのも良いのではないでしょうか?


イベント系ブロックチェーンプロジェクト

昨年のETHBerlinハッカソンイベントあたりから「Eat your own dogfood」(自分で作ったドッグフードは自分でまず試してね)というムーブメントが出てきており、イベント会場でなんらかのブロックチェーンプロジェクトを使うのがブームになっております。特に今年は昨年に増してチケットの競争率が激しくなると思うので、「チケットはないけど観光がてらにきちゃった」と言う人の数が余計多いのではと思います。そういったあぶれた人々にも「おもてなし」精神を発揮するためにサイドイベントを自分達で開催する、または海外のブロックチェーン企業を誘致するということは重要です(またそういった再度イベントに日本人登壇者を増やすことも2を増やすことにつながります)。

その際に使うブロックチェーンプロジェクトは手前味噌で「Kickbakが一番」と言いたいところですが最近のイベントではクリプトウォレットや暗号通貨イーサがなくてもブラウザだけでステーブルコインDaiを格安で送金できるBurner Walletが一番勢いが強いです。Burner Walletは最近モジュール化されたので自分のDappをBurner Wallet対応させることが可能です。クリプト初心者の人を巻き込むには一番のツールと言えるでしょう。

また「Proof Of Attendance」対応としてはProof Of Attendance Protocol(POA)もあります。参加者にNFTトークン(ERC721対応)を配ることができるスタンダードです。現在はPOAの中の人が参加者一人一人にアドレスを聞き回るという手間のかかったことをしているのですが、Kickbackと連携することでKickbackにチェックインした人にトークンをエアドロップするといったことも可能です。また彼らはイベント会場のwifiに繋がった人は自分でトークンをゲットできるシステムも開発中なのでそれが出来上がれば逆にトークンをゲットした人のみKickbackを(開催者がいちいちチェックするのではなく)自力チェックインすることも可能で夢が広がります。Proof of Location プロトコルであるFOAMなんかも使えると良いのですが

これらのツールの盲点が二点あります。一点目は会場にwifiがあることを前提にしている点です。日本のようにみんな4G使い放題な環境だとスタバ以外の場所ではあまりWifiがなくて詰んでしまいます。私がEthDenverでBurner Walletを使おうとした時は、Daiを受け取るフードスタンドがwifi圏外にあってランチ食べれずという憂き目にも一度会いました。

対策としてはハードウェア大国の日本の皆さんと組んでイベント会場になんかメッシュネットワークとか作れたら最高なのではないでしょうか。

二点目なんですが暗号通貨イーサを持っていない人にどうやって使ってもらうかです。Kickbackの場合は参加するのに暗号通貨イーサが必要なので参加者には何がなんでも暗号通貨を自力でゲットしてもらう動機付けにしてもらうしかないです。Burner Wallet, POAの場合は作者やイベントオーガナイザーが参加者にエアドロップする形態をとっていますがオーガナイザーがなんでも間でもカバーするというのはちょっと負担高いですよね。

EthDenverハッカソンではTaiga MarketというKickbackと似たようなシステムを使って暗号通貨イーサを事前徴集して、その中の一部をエアドロップしていました。この仕組みを応用して普通のチケットシステムでお金(ドルや円)を徴集してそのうちの幾分かをイーサやDaiでエアドロップする手も考えられますが「それって為替法に引っかからないのかしらん?」と有識者の見解が気になってくるところで

まとめ

以上で二回に分けて過去と未来のDevConについて書いてみました。

まあ何はともあれBurner Wallet,Proof Of Attendance Protocol,Kickbackあたりを使って何かクールなイベントを企画したい皆さんはぜひ一度お声がけください。Burner,POA辺りは開発者とつながっているので色々ブレーンストーミングできると思います。


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