Cinema 4Dのスカルプトで皺を作る
Cinema 4Dのスカルプト機能
Cinema 4Dのスカルプト機能を使ってクロスの皺を作成する方法をシェアします.スカルプトはR20までのPrime,Broadcast,Visualizeのユーザーは使用できませんでしたが,R21からグレードが廃止されたのでR21ユーザーは使用できるようになっています.
これは私の考えで少々辛口ですが,Cinema 4Dのスカルプト機能はそれほど高性能であるとは言えません.メモリをかなり使ってしまったり,あまりにも細かいディテールを作ろうとすると動作が重くなりがちです.したがって,スカルプトを使うケースはあまり細かいディテールを作らなくても良い場合に限られてきます.今回作ろうとする皺程度ならCinema 4Dで完結できますが,それ以上は別のスカルプトツールを使用しています.ただし,その場合はデータ変換などの手間が発生してしまいます.
スカルプト機能の使い方
スカルプトはポリゴンオブジェクトに対して使用できる機能です.プリミティブやジェネレータの状態では使用できないので,〈編集可能〉でポリゴン化する必要があります.さらにスカルプトは2通りの使用方法があります.
・スカルプトタグを適用する
ポリゴンオブジェクトを〈分割〉することでスカルプトタグが適用されます.スカルプトタグにはスカルプトの情報が格納されており,これを削除すればスカルプトされる前の状態に戻ってしまいます.また,スカルプトタグが適用されていると元のポリゴン編集はできなくなります.〈分割〉を上げ下げできたり,スカルプトレイヤでディテールを調整したり,スカルプト結果をノーマルマップ,ディスプレイスメントマップとしてベイクできます.タグの設定で〈固定〉と〈変形を許可〉すればデフォーマ(いくつかは未対応)を利用できます.
・ポリゴンオブジェクトのままスカルプトツールを使う
こちらは通常のモデリングと同じ感覚でスカルプトツールを使用します.直接ポリゴンをスカルプトブラシツールで編集できますが,〈分割〉を上げ下げしたりスカルプトレイヤの作成,ベイクなどはできません.
皺のスカルプトはテクスチャを使うと楽
皺はブラシだけでもそれなりに作成できますが,やはりリアルな皺を一つ一つ作るのは時間がかかってしまいます.そんな時はブラシの〈描画モード〉は「領域ドラッグ」にして〈スタンプ〉テクスチャを併用して行うととても楽に作成できます.
スタンプのテクスチャに皺用テクスチャを読み込んで使用します.Photoshopで作成しても良いですし,購入したテクスチャを使用しても良いです.
などのサイトで購入できます.
縫目のスカルプト
縫目のような繰り返し性が強いディテールは〈リピート〉ブラシが使えます.ここで縫目のテクスチャを使用すれば次のようなスカルプトも可能です.ただし,Cinema 4Dのスカルプトは分割数を上げればメモリ使用量もファイル容量もかなり多くなってしまうので注意が必要です.スカルプトオブジェクトは別のプロジェクトに移して単体で作業を行うことが多いです.
〈スカルプトオブジェクトの焼成〉
スカルプトのままでは非常に重たいデータになりがちなので,このようなディテールはノーマルマップにベイクして実際のジオメトリはレベル2程度で〈スカルプトオブジェクトの焼成〉するのが良いかと思います.
ただ,このベイクで生成されるディスプレイスメントとノーマルマップはCinema 4Dの標準レンダラ用に最適化されているため,サードパーティレンダラを使用した場合,同じ結果になりません.ノーマルマップは使用するレンダラのマテリアルで方向を変更して試してみると良いでしょう.
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