『凡事徹底』を読んで。

凡事徹底とは
イエローハットの相談役だった鍵山秀三郎さんという方が同名の本の中で伝えている考え方で、本の副題には「平凡を非凡に努める」とあります。 当たり前のことを当たり前にやるのではなく、当たり前のことを人には真似できないほど一生懸命やるという意味です。

上司のススメで読んでみました。
至極まっとうで当たり前のことが書かれています。

平成6年に出版されているので、もう25年も前ですが、今の時代にこそ必要な言葉がたくさん入っていましたので備忘録として抜粋し、書き残しておきます。

成果をあげる人とあげられない人の差

「怠けているかそうでないか」という話ではなく、成果をあげられない人でも真面目にがんばっている。ではどんなところで差が出てくるかというと、「微差・僅差の積み重ねが大差」となります。

例えば、この前はAという方法で顧客にアプローチしてみたけど、うまくいかなかったからBというやり方を試してみよう、とチャレンジしてみる。
やり方の差はほんの少しでも、毎日少しずつ検証を繰り返していれば、いつかその差が大きく開いてくる、ということです。

人は変化することに消極的になります。なぜならやり慣れたやり方の方が楽だからです。だれでも今までやってきた、手慣れたやり方に落ち着いてしまうのです。なので「今日はいいや」で終わるのか「今日はちょっとだけ変えてみよう」と思うのかが大違いになります。

そういえば…OWNDAYSの田中社長も同じようなことを言っていました。
「今日はいつもと違う道で出勤してみる」「ランチメニューをAセットからBセットに変えてみる」など、少しの変化を日常的に取り入れることで変化に慣れていく、ということでした。
(むしろランチメニューも変えられないやつは何を変えられないと笑)

打算があったら続かない

人間は打算があったら、どんなことでも続きません。
10年20年も続かないのです。

「〇〇したから〇〇をもらう」という見返りを求めるような打算は必要なく、人が見過ごしたり、見逃したり、見捨てたりしてきたものを徹底して拾い上げ、大事にしてきました。

真心込めて、本当の気持ちで接する。
卑しい気持ちが見えた時点でそれは続かない行為なのだと思います。

不都合なことを他者に転化してはいけない

当たり前の話ですが、自社にとって不都合なことを他者に転嫁していると、社員は間違いなくすさんでいきます。思いやりのない集団となっていきます。

会社がお客さまの事情も考えずに、ただ売れ売れ、売上さえあげればいい社員だという評価をしていると、無理な売り方をして心をすさませていきます。また100の能力しかない会社に200のものを売ったりすると、相手も心をすさませてくる。

すさんだ心の集団、会社ほど悲惨なものはありません。いくら経常利益を上げて、新聞紙上でどれだけ持てはやされても、そんな会社は決していい会社だとは思えません。

誠実な人であれ

(浅野喜起さんとの対談より)

心得の第一条を「誠実な人であること」と決めました。有能かどうかではなく、誠実であることが大事なことだと考えたわけです。

誠実であるとはどういうことか。具体的に言うと「心の痛みがわかる」ということです。
小さいものをおろそかにしないということです。企業は困っている人が必ずいますよね。組織の中で一番困っている人に目を向けて、その人がよくなるように考える。そうすれば会社もよくなる。これが誠実ということではないかと思います。

最後に

書かれていることはすべて正論です。100人すべての人が「そうだよね」と肯定する内容になっています。ただし、100人すべての人が書かれている内容を実践できるかというと、ほとんどの人ができない。

なぜなら、心では分かっていても、毎日トイレ掃除したり、出前のお皿をキレイに洗ったりすることは、難しいんです。心のどこかで「誰かの仕事」と思ってしまうから。

でも本当はそうじゃなくて、「誰かがやってくれている仕事」なのだと思います。自分がやらないから誰かがやってくれている。じゃあその「誰か」がいなくなったらどうする?ということになります。

これはどんな業務においてもそうで、人を頼りにするのではなく「自分から動く」。身の回りのことを自分ゴト化し続けていきたいと思います。

ただ作業をお金で買う、という意見もあります。(自分はどちらかと言うとそう)お金が発生することでそこに雇用が生まれるので、全体最適にはなる、という考えです。もしお金で時間・作業短縮をする場合も感謝の気持ちがあればいいのかなーと解釈しました。

正論を言い続けるのは大変。でも決めたからはやる。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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