パリーヌの家出

※このお話はカンナ編が始まる前に起きたという設定です
※キャラ崩壊しないよう心掛けましたが若干美化されてるキャラが数名います

以上のことを踏まえた上でお読みくださいませ
それではどうぞ

パリーヌ「はぁ...」
今日のパリーヌは一つため息をつく
パリーヌ(今日はいつも以上にダメな日だったなぁ...これからもっともっと酷くなっていったらどうしよう...)
サリーヌ「パリーヌどしたのー?」
パリーヌ「あっ...」
サリーヌは弟のパリーヌが寂しそうにしていると決まって1番最初に声をかける
パリーヌ「今日はいつも以上にダメな日だったから明日はもっと酷い日になるんじゃないかなって...」
サリーヌ「アハハ!そんなの明日になってからじゃないと分からないって!ニコニコしてたらいいことあるヨ!ほらニコーって笑って!」
パリーヌ「に...にこー...」
サリーヌ「うんうん!その調子!さっあーそぼっ!」
パリーヌ「うん...!」
サリーヌは他のここたまを励ますのが得意だ
中でも特別なのはパリーヌで彼女はパリーヌとお話ししている時が1番嬉しそうだ

翌日...
ミシル「女王様に絵本読んでえーほーん!!」
おシャキ「す...少し待っててください...」
ミシル「はーやーくー!!!」
パリーヌ「...。」
サリーヌ「パリーヌ?」
パリーヌ「サリーヌ、僕ミシルに絵本読んできていい?」
サリーヌは一瞬複雑そうな顔をした
サリーヌ「うん!じゃあ私は他の誰かと遊んでくるね!」
サリーヌがそう言うと2人はそれぞれ別の場所へ向かった
パリーヌ「あ...あの...」
ミシル「なーにー?」
おシャキ「あっ、パリーヌ...申し訳ありません...今少し立て込んでて...」
パリーヌ「僕が絵本読んであげるよ?」
おシャキ「え?」
ミシル「わーい!じゃあこれお願い!!」
ミシルはパリーヌの目の前に大量の絵本を重ねた
パリーヌ「こ...これ全部...?」
ミシル「これは女王様の命令なのよー!!」
パリーヌ「わ...わかりましたぁ...」
パリーヌが絵本を読み始めようとした瞬間おシャキが小声でパリーヌに囁いた
おシャキ「私も後でお手伝いいたします...」
パリーヌ「大丈夫だよ、おシャキは読書に集中してて」
おシャキ「パリーヌ...!」


サリーヌ「ゲラチョ!モグタン!まーぜて!」
ゲラチョ「もちろんだッチョ!」
モグタン「パリーヌは一緒じゃないグゥ?」
サリーヌ「ミシルに絵本を読んであげてるヨ!」
ゲラチョ「おーパリーヌも男前になったッチョ〜」
モグタン「優しいグゥ!」
サリーヌ「うん!パリーヌは優しいいい子だヨ!ところで2人は何をしてたの?」
ゲラチョ「ツッコミの特訓をしてたッチョ!」
サリーヌ「面白そー!私もやりたぃ!」
モグタン「僕はもう疲れたグゥ...」
ゲラチョ「それじゃあいくッチョ...なんでやねん!なんでやねん!!」
サリーヌ「なんでやねん!なんでやねん!!」
パリーヌはその様子を遠くから見ていた
パリーヌ(いいなぁ...楽しそうだなぁ...)
ミシル「ちょっと、お話が止まっちゃってるわよ」
パリーヌ「うわわ...ごめんなさい...」
サリーヌもパリーヌとミシルの様子を見ていた
サリーヌ「...。」
ゲラチョ「どうしたッチョ?」
モグタン「パリーヌのことが気になるグゥ?」
サリーヌ「えっ?あ、ううん...わ、私ラキたま達のところに行くね!!」
サリーヌはそう言うとラキたま達がいるところへ向かった
ゲラチョ・モグタン「...?」

サリーヌ「ラキたま!まーぜて!」
ラキたま「うん!」
サリーヌ「何してたの?」
メロリー「お絵描きしてたなの〜」
キラリス「みんなの好きな人を描いてたのよ〜ん」
サリーヌ「私も描きたい!」
ラキたま「よぉし!紙と色鉛筆どうぞ!」
サリーヌ「ありがとう!」
数分後...
ラキたま「出来た〜!じゃじゃーん!ここりょだぞ〜!」
メロリー「私もこころちゃんなの〜」
キラリス「あなた達同じ人を描くだなんて仲良しさんねぇん」
ラキたま「えへへ...」
メロリー「キラリスは誰を描いたなの?」
キラリス「私はもちろん美里ちゃんよ〜ん」
サリーヌ「アハハ!みんな上手だね!」
ラキたま「サリーヌは誰を描いたんだ〜?」
サリーヌ「私は〜...パリーヌ!!」
キラリス「ニコニコしてるパリーヌねぇん」
メロリー「素敵な笑顔なの〜」
ラキたま「あれ?そういえば今日はパリーヌは一緒じゃないの?」
サリーヌ「うん...ミシルに絵本を読んであげてるんだ」
キラリス「パリーヌは本当に優しいわねぇん」
メロリー「寂しくないなの?」
サリーヌ「...。」
ラキたま「サリーヌ?」
サリーヌ「な...なんだか急に会いたくなっちゃった!じゃあね!」
サリーヌはその場から去って行った

パリーヌ「はぁ...はぁ...」
ミシル「早く続き読んでよ〜」
パリーヌ「の...喉が渇いて...」
ミシル「そんなの知らないから早くー!」
おシャキ「ミシル...パリーヌは休みなしでここまでの本を読んだのですよ?少しでも休憩させてあげた方が...」
ミシル「しょうがないわね...30秒だけよ!」
パリーヌ「は...はいぃ...」
パリーヌはモグタンの元へ向かった
パリーヌ「モグタン〜...」
モグタン「グゥ?」
パリーヌ「何か飲むものくれないかな...?」
ゲラチョ「パリーヌの声ガラガラだッチョ!?」
モグタン「すぐに用意するグゥ!」
モグタンはパリーヌに冷えた水を渡した
パリーヌ「ありがとう...」
パリーヌは一気に水を飲み干した
パリーヌ「ぷはぁ...」
ゲラチョ「大丈夫だッチョ?」
パリーヌ「うん...なんとk...」
ミシル「は〜い再開の時間よー!」
パリーヌ「まっ...待って...!」
ミシル「30秒の約束よ〜」
ミシルはパリーヌを引っ張って行ってしまった
ゲラチョ「パリーヌ...同情するッチョ...」
モグタン「グゥ...」

パリーヌ「あ...あの...」
ミシル「なに?」
パリーヌ「そ...そろそろサリーヌの所に戻ってもいいかな...?」
ミシル「あの絵本を全部読み終わったらいいわよ」
パリーヌ「そんな...ぼ...僕だって...」
ミシル「はっきり言いなちゃいよ!」
パリーヌ「ひっ...」
ミシル「パリーヌは男の子なんだからもっとドシっと構えなちゃい!」
パリーヌ「ご...ごめんなさい...」
ミシル「...もういいわ」
パリーヌ「え?」
ミシル「おシャキも暇になってるみたいだし、大体読み方もパリーヌよりずーっと上手だから」
パリーヌ「...。」
ミシル「ふんっ...」
ミシルはおシャキの元へ向かった
パリーヌ「はぁ...」

その日の深夜
パリーヌは全く眠れなかった
ラキたま『サリーヌすごく寂しそうにしてたぞ〜』
パリーヌ(ミシルには怒られるし...サリーヌには寂しい思いをさせちゃったし...)
パリーヌはそっと窓の近くに来て月を眺めた
パリーヌ(もう僕は...ここにいるべきじゃないのかな...)
パリーヌは家出の準備を進めてこころの部屋のドアの前まで来た
パリーヌ(みんな、今まで本当にお世話になりました...そして...僕なんかが本当にごめんなさい)
そう心の中で呟くとパリーヌはこころの部屋を出て、寝ているアマンダをそっと撫でて四葉家をあとにした

翌朝...
?「リーヌ!?パリーヌ!?どこなの!?」
ラキたま「うーん...?サリーヌどうしたんだ〜?」
サリーヌ「パリーヌがどこにもいないの!!」
ラキたま「え...!?」


サリーヌ「エグッ...エグッ...パリーヌ...」
こころ「とにかく探しに行ってみよう!」
ラキたま達「おー!」

ラキたまとゲラチョは学校に向かった
ラキたま「ムッシュ・ムクンヌ〜!ホットニー!」
ムッシュ・ムクンヌ「ウィ?」
ホットニー「あらラキたまさんにゲラチョさん、どうかされましたか?」
ゲラチョ「パリーヌを見なかったッチョ?」
ムッシュ・ムクンヌ「ん〜見てないデスネ〜」
ホットニー「私も見ていませんわ」
ラキたま「そっか...」

おシャキはニーチエがいる図書館に向かった
ニーチエ「見てないですに...」
おシャキ「そうですか...」
ニーチエ「力になれなくて申し訳ないですに...早く見つかることを祈ってますに...」
おシャキ「ありがとうございます...」

モグタンとミシルはぽんぽこショップに向かった
ピンコ「まぁ...パリーヌさんが...」
レンジ「そりゃ一大事じゃねえか!!」
ミシル「あたちがワガママ言ったから...」
モグタン「本当にその通りだグゥ」
ピンコ「ワガママ?」
モグタン「昨日ミシルはパリーヌに無理なお願いばかりしてたんだグゥ」
レンジ「あぁ...?」
ミシル「ひっ...」
ニコリ「うえぇぇぇん!!」
ピンコ「ニコリも心配してます...」
レンジ「まあ何はともあれ早く見つかるといいな...」
モグタン「グゥ...」

キラリスとメロリーとサリーヌは知り合いのここたまを見つけ次第パリーヌの居場所を聞いた
バンのすけ『見てないバン...』
ダシマキ『見てないだし...』
ウケロー『見てへんなぁ...』
シネマル『うーん...見てないですね...』
テップル『見てないっプル...』
クルン『見てないわ...』
アワワ『見てないアワ...』
キラリス「はぁ...全滅ねぇん...」
メロリー「パリーヌ...どこに行っちゃったなの...?」
サリーヌ「パリーヌ...!」
サリーヌ(人間に見つかっちゃってたらどうしよう...もう2度と会えないのかな...そんなの絶対に嫌だ...!!!)

こころはひかりの家に行きパリーヌがいないか尋ねた
ひかり「ここにはきてなかったよ」
ピコタ「心配でありますなぁ...」
ショコランシェ「心配ね...」
ライチ「パリーヌどこに行ったんだろう...」
ひかり「ライチの魔法で何かわからないかな?」
ライチ「やってみるね...!」
ライチ「ここんぽいぽいここったま!ミライクルクルショータイム!」
ライチ「...見えた!」
こころ「何が見えたの...?」
ライチ「泣きながら眠ってるパリーヌ...」
ひかり「なんだか不安だね...」
こころ「うん...」

その頃パリーヌは...
パリーヌ(もうここがどこかも分からないや...でもいいんだこの方がみんな幸せになれるから...)
???「そこにいるのは...」
???「パリーヌか?」
パリーヌ「え...?ポカリンとヒートン!?」
ポカリン「こんなところで何してるリン?」
パリーヌ「えっと...」
ヒートン「1人で来たのか?あおぞら町からかなりの距離があるのに...」
パリーヌ「じ...実は...」
パリーヌは家出の理由を2人に話した
ポカリン「そんなことが...」
ヒートン「絶対みんな心配してるぞ...」
パリーヌ「心配なんてしてないよ...僕はもうあそこには不必要な存在なんだから」
ヒートン「パリーヌ...」
ポカリン「それはパリーヌの思い込みだと思うリン」
ポカリンは手を挙げてパリーヌに言った
ポカリン「実際に言われてないことをきっかけに行動を起こすのは浅はかだと思うリン」
ヒートン「ポ...ポカリン...」
ポカリン「はっ...私...またやってしまったリン...」
ヒートン「でも...俺もほとんどポカリンと同じ意見だな」
ポカリン「え?」
ヒートン「ミシルからは嫌われてしまったかもしれないけど、サリーヌからは寂しかったって思われてたんだろ?」
パリーヌ「うん...」
ヒートン「だったら尚更サリーヌの側にいるべきじゃないか?」
パリーヌ「ヒートン...」
ヒートン「ここに最高の反面教師がいるからな」
ポカリン「ヒートン!」
ヒートン「へへ、やっぱりちゃんと話し合うことが重要だから、ちゃんと話せばミシルもわかってくれると思うぞ」
パリーヌ「うん...」
その物陰で...
パタリーナ(珍しくパリーヌ様が1人で行動してたからこっそりとついてきましたが...まさかそんなことになっていたとは...)
パタリーナ「果たしてこの後どうなってしまうのでしょうか...?パタタタパタタパーター」
パリーヌ「え?パタリーナ?」
パタリーナ「はっ...!私としたことが...」
ヒートン「お前、あおぞら町にいたここたまか?」
パタリーナ(イ...イケメンここたま...!)
ヒートン「...なあ、どうなんだ?」
パタリーナ「え?あ、はい、そうです」
ヒートン「こいつをあおぞら町まで連れて行ってくれないか?」
パタリーナ「え、えぇ!おやすい御用ですわ!」
ヒートン「ありがとう」
パタリーナ(あぁぁぁぁぁ!!イケメンの微笑みィィィィ!!!!!)
パタリーナはその場に倒れてしまった
ヒートン「お、おい大丈夫か?」
数分後...
ヒートン「じゃあ任せたぞ」
パタリーナ「はい!」
パリーヌ「ポカリン、ヒートン、今日は本当にありがとう」
ヒートン「ちゃんと話し合うんだぞ」
ポカリン「きっとわかってくれると思うリン!」

パタリーナとパリーヌは四葉家の前まで来た
パリーヌ「...なんだか怖くて入れない」
パタリーナ「え?」
パリーヌ「パタリーナ...ごめん!」
パリーヌはその場から逃げて行った
パタリーナ「あっ、パリーヌ様...!」

パリーヌは家から逃げてる途中でノラたまトリオに遭遇した
ユラノ「あんた、こんなところで何やってんだい?」
パリーヌ「えっと...」
とくまる「そこにいられたら邪魔だから早く家に帰るでやんす!」
パリーヌ「家...」
とくまる「何を迷うことがあるでやんすか?」
パリーヌ「...。」
ムキテツ「...何かあったのか?」
ユラノ「...話くらいなら聞いてあげないことないよ」
パリーヌ「...。」
パリーヌは渋々家出した経緯を話した
ユラノ「ふーんつまりあんたはあん中の1人だけに嫌われたからって家出したんだね」
パリーヌは黙って頷いた
ユラノ「せめて全員から嫌われてからにしな、なんなら1人寂しがってるらしいじゃないか、その1人のために今やるべきことは一刻も早く家に帰ることなんじゃないのかい?」
パリーヌ「でも...」
ユラノ「ったく...あんたのことを見てるとこの間のマフラー野郎を思い出すよ...」
パリーヌ「...ごめんなさい」
ユラノ「なんで謝るんだい、謝る暇があるんなら早く家に帰りな」
パリーヌ「...。」
ユラノ「はぁ...」
ユラノは口笛を吹いて虎太郎を呼んだ
ユラノ「虎太郎!そいつをアマンダがいる家に運びな!」
虎太郎「にゃああああ!!」
とくまる「わかりやすいくらいテンションが上がってるでやんす...」
ユラノ「ったく、早く行くんだよ!」
虎太郎は全力疾走でこころの家に向かった
パリーヌ「ありがとう、虎太郎」
虎太郎は何も言わずに去って行った

ラキたま達は一度ここたまハウスに戻った
サリーヌ「パリーヌ...パリーヌが帰ってこないよぉ...ううう...うわああああああ!!!」
ラキたま「サリーヌ...」
その時こころの部屋の扉がノックされた
ラキたま達はカバンの中に隠れた
こころ「は〜い」
こころが扉を開けたその先にパリーヌがいた
こころ「パリーヌ!?!?」
ラキたま達「え!?」
ラキたま達はパリーヌの元へ行ってパリーヌが無事であることを確認して安心した
ミシル「パリーヌ...昨日はごめんなさい...」
ミシルは決まり悪そうに謝った
パリーヌ「大丈夫だよ...僕の方こそごめん」
サリーヌ「パリーヌ...」
パリーヌ「あ、サリーヌ心配かけてごm...」
サリーヌはパリーヌを強く抱きしめた
サリーヌ「よかった...もう会えないのかと思って本当に心配したんだから...もうこんなこと2度としないで!」
パリーヌ「ごめん...」
ラキたま「パリーヌ、これ見て」
パリーヌ「ん?」
ラキたまは昨日サリーヌが描いた絵をパリーヌに渡した
パリーヌ「これ...僕?」
ラキたま「これね...昨日サリーヌが描いた絵なんだ...1番好きな人っていうテーマで」
メロリー「サリーヌはそれだけパリーヌのことを大切にしてるなの」
パリーヌ「サリーヌ...」
パリーヌはラキたまから絵を受け取るとサリーヌのことを更に強く抱きしめた

その夜サリーヌは右手をパリーヌは左手を繋いで眠りについた
パリーヌの左手にはサリーヌが描いた絵が握られていた

終わり(なんこれ)

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