中学生くらいの頃からだろうか、自分の容姿に対するコンプレックスとの激しいバトルが始まったのは。正確には、自分のルックスが平均的な他者のそれより劣っているのでは？という恐怖感を抱き始めたのは。

20代になり、気持ちも落ち着いた今となっては自分の顔について悩むことも減ったが、10代まではそれはそれはひどい状態だったものだ。まず、街では前を向いて歩くことができなかった。すれ違う人に自分の顔を（悪い方向に）評価されているのではないか？という強迫観念からだ。

学校の教室ではなおひどく、自分の容姿について陰であれこれ言われているのではないかという恐怖は常に付きまとっていた。思春期特有の自意識過剰にコンプレックスが混じると、若者の豆腐メンタルはグチャグチャになる。

まあ実際に面と向かって馬鹿にされたことも一度や二度ではないため、あながち単なる思い込みでもなかったのだが。ただ、当時の自分は顔立ちどうこう以前に髪型などの面で清潔感というものが欠けていたため、嘲笑されても仕方なかったといえなくもない。

高校生の頃にはコンプレックスのため外出するのも億劫になり、インドア趣味を極める不健康生活へまっしぐらの日々。誇張ではなく、このコンプレックスのために貴重な時間をずいぶんと無駄にしたと思う。

なぜこのようなコンプレックスを抱くようになったのか、特定の原因はわからない。強烈な記憶は一つある。精神的に極めて落ち込んでいた時期の、中学校の終業式の日だ。身なりも整えず、沈んだ顔で教室に入った瞬間、所謂イケイケグループの知り合いの女子生徒に「キモっ！」と言われたのだ。あの瞬間のことは印象深い。まあ、これだけではないだろうが。

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20代の今、ようやくこのコンプレックスから解放されつつある。脳が大人になったのか、自意識過剰がなくなり、自分の顔面というものをある程度客観的に見られるようになったのが大きい。冷静にみれば、ぼくはただの童顔のフツメンだ。取り立てていうことの無い、よくあるアジア系男子の顔。それだけのもの。

また大学入学後はファッションに気を遣うようになり、筋トレで体を鍛え、自信の総量を増すように心がけた。これも効果は大きかった。

なぜあれだけ長い間、深刻に容姿に悩んでいたのか、今となってはわからない。というか、悩んでる暇があるなら髪型を研究するなりさっさと対策をするべきだったと思う。最大のミステリーは、当時の自分の行動力のなさかもしれない。

そんな重度のコンプレックスからも、得たものはある。

趣味であるファッションに目覚めたのは、大学入学後だ。あの頃のファッションへの情熱は、容姿コンプレックスの反動で得られた部分も大きいだろう。

‥‥‥まあ、それくらいだろうか。何ともコスパの悪い悩みである。

最後に、かつての自分と同じように容姿コンプレックスで悩んでる男性に、僭越ながら同輩としてアドバイスを送りたい。

明日から‥‥‥いや今日から、何なら今すぐでも、目を瞑って即実行してほしいことが３つある。確実な効果を保証する。

１.　何でもいいので運動を始める

腕立てや腹筋を１回、近所の１分間ジョギングからでもいい。毎日継続できる範囲で始めてほしい。肉体的な強さというのは、容姿の劣等感を補完してあり余るものだ。また遠い話になるが、肉体的に強そうな男というものは、それに比例して容姿も魅力的にみえるようになっている。人間の生物としての本能がそうした「錯視」を生むのだが、騙されたと思ってやってほしい。

2. 美容院に駆けこむ

「雰囲気イケメン」という言葉の5割が髪型への賛辞であることから分かる通り、髪型の印象というのはとても重要だ。

最初は恥ずかしいかもしれないが、万札を握りしめて、いつもの床屋は素通りして、目を瞑ってあのドアを潜ってみてほしい。そのたった一瞬の勇気の先に、想像を越えた世界が広がっている可能性は高い。

3. ファッションブロガーMB氏のブログ「KnowerMag」を読む

「雰囲気イケメン」の残りの５割がファッションへの賛辞であることから分かる通り、ファションを整えるだけで顔の印象もまた随分と変わるものだ。ファッションはセンスが必要と思われるかもしれないが、心配はご無用。

ファションブロガーMB氏は、どうすればオシャレにみえるかの方法論を極めてわかりやすいロジックに落とし込み、平易な言葉で解説してくれる。MB理論を少し学べば、ファッションにセンスもお金も必要ないことが分かるだろう。

「KnowerMag」にアクセスし、人気記事をざっと１０記事も読めば理論の骨子はつかめるだろう。あとはユニクロへ行けば、脱オタは半日で可能だ。

また、ブログだけだとわかりにくいという人は、MB氏が監修する"読むだけでオシャレになれる漫画"「服を着るならこんなふうに」を手に取ってほしい。

ーー以上、容姿コンプレックスの解消に確実に効く３メソッドを書かせてもらった。僕が容姿コンプレックスから抜け出せたのは、この３点の実践によるところも非常に大きい。MB氏には感謝しかない。

あなたのコンプレックスをいきなり、完全になくす事は難しい。だが、1日1日と知識を蓄え、行動を重ねていけば、確実に前進していく。その努力が臨界点を超えたとき、必ず世界は開ける。

‥‥付け加えるなら、上記メソッドの２と３に関しては努力の蓄積さえいらない。上手くいけば、1日もかからず劇的な効果が出るものだ。必要なのは、一歩を踏み出す思い切り。どうか頑張ってほしい。