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なんてことない日曜の朝

午前8時過ぎ。

久しくアラームの仕事をさせてもらえてないスマホを確認する。
昨日、寝るのが遅かった割には意外と早く目が覚めた。
そのままリモコンに手を伸ばす。

電気ではなく、エアコンのリモコンだ。

まだ少し寝ぼけている頭より先に、
スマホを確認するために布団から少し出した手が
部屋の気温の低さを教えてくれた。

3月も半ばとはいえど、この人工的な温もりがなければ、
おそらく私はずっとここから出ないんだろうな。
なんてことを思いながら、眠る前とたいして変わっていないインスタやネットニュースをただ眺めていた。

すっかり働き始めた頭で、もう1つのリモコンを探し出し、
ようやく暖まった部屋のカーテンを開ける。


日曜日の朝。
平日とは違う、少しゆったりした時間が街を流れる。

カーテンを開けた窓から見えた世界は、なんだか春めいていた。

行き交う人々の服装はまだ冬なのだけれど、
差し込む光は春の日差しによく似ている。


そんな小さな春に幸せを感じながら、ただぼんやりと休日を過ごす。


人よりできないからこそ、
休日に頑張らなきゃいけないと思っていた。

人と違う道を選んだからこそ、
休日に頑張らなきゃいけないと思っていた。

頑張れない日があれば、
そんなんじゃダメだ。ダメになる。
ずっと、そう思ってきた。



けど、どうやら違ったみたい。
だって今の私はあの頃に比べてちっとも頑張ってない。

それでも今、別に何もダメになんてなってない。

むしろ、私は今の自分のほうが、好きかもしれない。


さて、珈琲でも淹れようか。

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