見出し画像

グリクシス・ヨーリオン レポート

■はじめに

初めまして。malsemanと申します。
今回Champions Cup Final Cycle3にグリクシスヨーリオンで参加しました。
最後に2連敗し22位となり、PT権利も賞金も取ることができない残念な結果になりましたが、デッキは結構注目されたので勇気を出してノートを書きました。
どんな考えでこんなデッキになったか気になって方に答えになったら嬉しいです。

■デッキを作った経緯

今回の大会の為に、主にラクドスとアゾリウスを練習していました。
練習を重ねるとやはりラクドスのほうが強く、またコントロールは引き分けの可能性が高いと考えラクドスに決めて調整を始めました。

ミラーマッチに勝ちたい

ラクドスは一番多いデッキなので、これを選んだ以上ミラーマッチは必ず対策が必要で、これが一番の課題でした。

サイドボードをメインに入れるだけでは足りない

最初は単純に「ミラー用サイドがメインにあれば有利になる」と思い、いろいろな人のサイドボードガイドをみながら調整しましたが、思ったより勝率が上がりませんでした。特に銀行破りの使い方が難しく、いつドローするかいつ搭乗して殴るかのタイミングを間違えて負けることが多かったです。
カードアドバンテージで勝つのが基本なのに、上手く取れませんでした。

常に得られるカードアドバンテージ:相棒

練習中サクリファイスが得意なJS2さんが「ジェガンサは確定1ドローだから諦めません。実はキャストしないまま血トークンや寓話で捨てて必要カードを探す時も多い」と話していました。
いい意見だと思いましたがこちらはシェオルドレッドを諦めるわけにはいかないので、参考にできないと思っていました。ですがどんなデッキでも使える相棒が存在しました。
そう、ヨーリオンです。

ヨーリオン、そしてアモンケットへの侵攻

実は昔、私は「赤単ヨーリオン」を広めた経験があったため、今回は「ヨーリオンラクドス」で行こうかという軽い感覚で試しました。しかし、デッキリスト公開制の大会だから単純にキープ騙し用相棒ではなく、明確にアドバンテージ源として使用する必要がありました。そのため色々なカードの可能性を探索しました。
最初はチャンドラ、ケイヤの誓いなど除去枠を考えましたが、ソーサリー除去はあまり強くなかったです。次はヨーリオンデッキの定番「海の神のお告げ」でしたが、2ターン目に使うタイミングがあまりなく、青マナも厳しかったです。
そこで思いついたのがアモンケットへの侵攻です。バトルが出たすぐ後から新生化やローグなどのデッキに採用されましたが、「入れてもいいし、いなくてもいい」程度のパワーでした。しかしこのデッキでは「明確なリソース差を発生させるカード」として凄くピッタリでした。
3マナで相手は1枚捨て自分が1枚ドローに加え、3枚ミルでクロクサの餌も増えるので質実2.5枚の働きをします。後でこれをヨーリオンでブリンクすると更にリソース差が発生して、最後にヨーリオンがバトルを一回殴って裏返るともう一度アドバンテージが発生します。(普通シェオルドレッドになる)
銀行破りが序盤4マナ1ドローだけで、ヴェリアナも3マナお互い捨てなので、単体での性能を他のよく使われるカードと比べても悪くなかったです。
大会1週前の店舗予選で試したら意外と勝ってTop8に入り、悪くないと思いました。

自身を信じて、心を決める

それにしても、検証されてないデッキに関しては周りの人達の答えは全部「分からない」でした。当然ですよね、仕方ない。
その後八十岡プロの9時間分のラクドス講座を見て理解度は結構上がりましたが、同じ内容をみんな知っている状況で同じデッキで戦ったら、結局実力差で負けるのが必然だと思いました。
それならば前にみた スタン神のnote に書いているように、ラクドスを使うなら「自分のスタイルに合わせたラクドス(?)」で出る方がミスが少なく勝率が上がると思いました。
負けても普通のデッキで敗北するよりは「珍しいデッキを持ってきたがダメだった」の方が心地良いと思いました。(でも0-4ドロップは避けたい)

アリーナに存在しなかったカード、宝船の巡航

デッキが決まったのが火曜日で、練習の時間が無くてアリーナなで5回ぐらい回しました。練習中アモンケットへの侵攻が出たけどクロクサがない場合が結構あって、クロクサ以外にも墓地活用があったらいいなと思いました。スタンダードで活躍した「剃刀鞭の人体改造機 」も考えましたが、流石に弱そうで諦めました。
日本で持って行くカードを探す途中、宝船の巡航を見つけました。あ、そういえば…これだ!と喜びながら、何故今まで気付かなかったんだろうと思ったら、ほぼアリーナでデッキ調整をしいてたからでした。
下環境で禁止になった強力なカードだし、今の状況でピッタリだったから即入りました。見せ札にする為に残っていたカウンターを抜いて宝船の巡航を入れたら、ミラーには更に強くなりました。

サイドボード決定

実はサイドボードは真剣に考えませんでした。既にラクドスミラーに必要なカードは全部メインに入れていました。ヨーリオンに慣れてる知り合いから80枚デッキでサイドはあまり期待しない方がいい、ただ必ず引きたいサイドならは多めに取るべきと学んで適当に入れました。
最終的に「一緒に出る友達には絶対負けたくない」という少し不純な動機でHidetsuguは4枚になりました。(友達には会えなかったが、同じデッキに2回当たって勝ったので、結果は成功?)
そしてデッキ公開制の大会だから「青を使っているのにカウンターなしはダメ」という話があって、デッキの動きと少し合わないけど相手に意識させるためにNegate2枚を採用しました。(1回刺さった)

こうして今回のデッキが完成しました。
結構変わったけど、本質的には「ミラーに勝ちたいラクドス」です。
既存の最強デッキに、個人の個性を少しだけ(?)入れたものです。

最終デッキリスト

■個性を入れる時の長所・短所

  • 長所:相手より経験の差でお得あり 
    実力の高いプロの場合はどんな珍しいデッキでもリストを見たらすぐ意図を把握して対応できますが、普通は見たことのないデッキに対してプランが想定とずれる事が多いです。それに比べてこっちは定番デッキに対して準備万端の状態だから有利な条件で戦う事ができます。

  • 長所:成功した時「戦略勝ち」の気分が凄くいい 
    これは個人的な好みですが、一番大事だと思います。マジック勝敗は運もプレイング実力も結構影響がありますが、相手の経験に無い状況を意図的に作って勝つことで「私の戦略が通じた」が成立し、実力差を乗り越えた気分になって凄く気持ちいいです。

  • 短所:対戦データを集めにくい 
    実際に改造したデッキが強いのかどうか分かりにくいです。それを確かめる根拠を集めることが難しい問題があります。一緒に研究する人がいたら良いですが普通いなくて、その場合全てのデータは自分の経験のみで正しいデータにならない可能性も高いです。判断材料の量が少なくよく分からないのが普通です。

  • 短所:チームの練習に貢献できない 
    一番キツイのはこの部分です。みんなで頑張って練習しようと集まった時、自分だけオリジナルデッキを使うと、自分にしか意味のないデータを集めてしまうことが多いです。もちろん時間が十分にあったらお互いの対戦したいデッキで練習できますが、普通は時間が足りません。
    最悪の場合、友達がこちらのデッキに対する偏ったプレイをするようになってしまい、一般的なリストと戦う時に間違った行動を取ることもあるので、悪い影響を与える事もあります。

■大会結果

R01 Rakdos Sacrifice ×〇〇
R02 Gruul Vehicles 〇〇
R03 Azorius Lotus Field ×〇×
R04 Rakdos Midrange 〇〇
R05 Rakdos Midrange ×〇〇
R06 Rakdos Midrange 〇〇
R07 Azorius Control 〇〇 (PT権利獲得)
R08 Gruul Vehicles ×× (PT権利獲得)
R09 Rakdos Sacrifice 〇×〇 (PT権利獲得)
R10 Rakdos Midrange 〇〇 (PT権利獲得)
R11 Temur Vehicles ×〇× (PT権利獲得)
R12 Enigmatic Fires ×× (WC権利獲得)

狙い通り、ラクドスミッド・サクリファイス相手には全勝。
苦手なマッチも運が良く1回ずつ取りました。
ですが、後半当った人達は全員PT権利を獲得したのに、私は何ももらえなくて少し惜しかったです。(ID出来なかった)
振り返るとR11のフィーチャーマッチは土地事故が敗因だとしても実はサイドプランが曖昧で2本目は不要なカードが残っていてたし、R12は相手のミスをしたところに付け込んで勝つことが出来た状況で、私が相手のデッキの4,5マナクリーチャーに何があるかはっきり覚えてなかったから負けたので、仕方ない結果でした。

他には「注目されたいけど、注目されたら負け」が凄く発生しました。
(2-0後 公式playMTGツイートに載せられたらすぐ3R負け、同じく6-1後ツイートされたら8R負け、R11・R12フィーチャー全部負け)
緊張しすぎる性格であるので、改善が必要かもしれません。

■おわりに

マジックを楽しむやり方は人それぞれです。
今回話した「既存のデッキに個性を入れる」楽しみ方は、思ったより簡単で、意外と勝ちやすい方法だと思います。(既存デッキが強い場合)
勿論既存より悪くなる場合もありますが、今回みたいに狙い通りに結構勝ち、周りからいいデッキだと褒められると結構気持ちいいです。
完全オリジナルデッキより簡単に楽しめるので、是非試してください。

下手な日本語を校正してくれた 茂里憲之さん に感謝します。
また別の大会で新たなデッキで挑戦します。
最後まで読んでくれてありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?