大牧圭吾×丸山和訓 / 対談 『ブログとリアルビジネス』

大牧圭吾
『ニッポン手仕事図鑑』編集長。全国の地方自治体のPR映像を手がける傍ら、2015年に動画メディア『ニッポン手仕事図鑑』を立ち上げ、編集長に就任。日本が誇る技術や文化の魅力を国内外に向けて発信している。
個人ブログ『自分の仕事は、自分でつくる』は、読者数1500名を超える人気ブログ。著書に『子どものためのニッポン手仕事図鑑』がある。
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丸山和訓
ミニマリストとしてのライフスタイルを綴る『Malzack Blog』の管理人。定期読者数は2000名を超える。本業である頭蓋骨専門のセラピストとして活動しながら、『iPad仕事術!』での執筆、シブヤ大学での講演などを行う。
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目次
音声メディアについて
アンチについて
出版の経緯
会社について
独立について
セルフメディアについて
ブログはリアルビジネスに役立つのか
ブログ収益について
出版の利益について
優先順位のつけ方について
書くのが面倒くさくなったときの対処法
やりたいことを見つけるためにはどうしたらいいか


—音声メディアについて


丸山和訓(以下、丸):大牧さん本当に久しぶりです。たしか前にお会いしたのは、3年前。記憶は曖昧ですけどタスク管理とかの話をした気がします。

大牧圭吾(以下、大):そうでしたね。結構ビジネスの話をした記憶がありますね。もともとはお互いはてなブロガーということで知り合って、僕から会いたいとオファーさせてもらったんですよね。

:そうそう。そのとき大牧さんはニッポン手仕事図鑑をスタートアップされてて、動画をはじめたとおっしゃってました。3年前ってユーチューバーもまだそこまで 流行っていなくて、僕には動画がまだ「重いデータのコンテンツ」っていうくらいの感覚しかなかった。今思えば、その頃から目のつけどころが素晴らしかったんですね。

:ここまで動画配信が一般化するとは思っていなかったですけどね。これからは映像主体になるとは予測していたんですけど、実は一番重要だなと思っていたのは、動画ではなく手仕事をされている職人さんの「声」なんです。

:声ですか。

:写真とテキストという紙面やWEBのメディアはたくさんあったんですが、職人の声を文章にしてしまうと全然伝わらないな...という感覚があって、それを動画にして音声にしたらす ごくいいのができた。

:地方の職人さんや、年配の職人さんも多いので、「方言で話をさせたらウケるかも」という打算はありましたか?それとも本当にピュアに声を届けたいと思ってた?

:いや、完全にピュアな動機なんですけど、実際に職人さんにしゃべってもらったら、意外とよくしゃべることにびっくり。寡黙だと思われがちな職人が、自分の仕事のことになると話がとまらない。そのギャップがコンテンツとして跳ねた理由かもしれません。

:職人さんは普通の人よりもこだわりが強そうですからね。僕も前職は健康食品を扱っていたんですけど、生産者の方にトークイベントをやってもらうとだいたい時間がオーバーする(笑)

:そうなんです。だいたい「15分か20分くらいでお話してください」って職人さんにお願いして、職人さんも「そんなしゃべることねぇよー」って言うんですけど、実際にはじまると 30分をほぼ超えますね(笑)

:やっぱり。

:僕はニッポン手仕事図鑑をきっかけに映像関係者から取材とか講座をお願いされることがあるんですが、そのときに「ディレクターという立場でどのような指示をスタッフに出すんですか?」ってよく聞かれるんです。でも、僕はほとんど指示を出さないんですね。一緒にやっているビデオグラファーもプロだし。ただ、インタビューだけはしっかり盛り込んでほしいと必ず伝えています。

:なるほど。僕も音声にはすごく注目していて、バナナマンのラジオをよく聴くんですけど。

:Junkですね。

:あ、お詳しいですね。そうそうバナナムーンGOLDが大好きで、もうテレビとか映像コンテンツなんかより断然おもしろいんですよ。なにがおもしろいって、ものすごい内輪ノリな んです。内輪ノリでとことんやって、それを楽しいと思う人とだけ仲良くする。バナナマンは「ラジオを聴いてくれる人が一番うれしい」って言ってました。

:丸山さんも最近音声配信をはじめられましたよね。ブログとの違いってどのように考えているんですか?

:僕にとってブログは外向けのメディアで、音声はコアなファンとつながるツールにしたいと思っています。それと僕はブログから自分のセラピーの予約ページに飛べるようにしているんですけど、頭蓋骨のセラピーっていうのはまだまだ一般の人にとっては未知の世界。だから、音声とかで親近感を持ってもらって、「よくわからないけど、まぁ丸山さんだから試してみるか」というのが狙い。

:たしかに音声は距離を縮めますよね。

:僕の商売のセラピーはある程度ローカルなエリアで集客しなきゃいけないので、全国に届くウェブメディアはそもそも相性が悪いのかもしれませんけどね。それでも遠くから通ってくれる人もいるので、親近感を持ってもらうメディアというのは大事にしていきたいですね。

:僕は過去コピーライターをやってきて、どうして映像の世界に行ったんですかってよく言われるんですけど、やっぱり親近感がもてる"声"のメリットを感じていて、そこは丸山さんと共通していますね。


—アンチについて


:ひとつ質問があるんですけど、丸山さんのアンチっているんですか?なんかいなさそうな気がするんです。

:うーん、どうでしょう。いても気づかない。あまり感情を煽らないように書いていますし、はてなブックマークとかのシェアボタンをなるべく置かないようにしています。あれがあ ると手軽に批判ができちゃうし、一手間かかるようにするだけでネガティブな意見がこなくなる。ブログをやめちゃう理由のひとつにネガティブコメントがあると思うんですけど、僕はPVとかよりも心の安全を重視していました。

:僕はブログの考え方として、アンチがいるかどうかはバロメーターだと思っていて。アンチの数とファンの数は比例するのかなと思っています。

:それはあるでしょうね。

:正直にいうと、身近なスタッフからも僕のブログの記事に対して、否定的な声が挙がってきたりもする。僕は思ったことを言ってるだけなんですけど、「自分が批判されている」と感じてしまう人もいるんでしょうね。

:いや、ブログは言い切りのメディアじゃないですか。「かもしれない」とか回りくどいことを書くんじゃなくて、「僕はこう思う」とハッキリ言うのが原則のルール。でも、大牧さんのブログは煽ってないし、炎上しない記事だと思いますけどね。

:確かに炎上はしないんですよ。でも、僕のスタンスが気に食わないヤツはいっぱいいる(笑)癪にさわる人がいるんだと思う。

:なるほど(笑)

:昨年本を出版したあとは、嫉妬のような反応が顕著になりました。僕のブログのPV数なんて大したことないんですが、読者数は多いように見えて、さらにfacebookとかで全国を飛び回っている感じを出していたりすると、実際に離れていく友人もいました。まぁ、おもしろくないんでしょうね。僕は何も変わっていないのに。

:光が強くなった分、闇も深くなりますよね。でも僕もその人の気持ちがわからなくないかな。僕が書いていたミニマリストというジャンルは一時期ブロガーの出版ラッシュがあったんです。僕にも例によってオファーが来て、原稿を途中まで書いてたんですが、結果的に女性読者が読めないと売れないと言われボツになりました。だから、他のミニマリストブロガーの出版は直視できませんでしたね。

:えー。ミニマリスト本は男性のほうがたくさん買うと思いますけどね。

:でも今思えば出さなくてよかったかな。考え方が変わった部分もあるし、本業はセラピーなので「モノが少ない人」というところばっかり見られたくない。ところで、大牧さんの手仕事図鑑の出版ってどのように決まったんですか?


—出版の経緯


:出版の話を紐解いていくと、もともと僕がニッポン手仕事図鑑でクラウドファンディングをやったところからはじまるんだと思う。実は僕が周囲から評価されている実績のほとんどは、問い合わせフォームから生まれているんです。

:自分から攻めたってことですね。

:そう。ホームページの問い合わせから「大牧圭吾と申します」ってタイプするとこから全部はじまったんです。僕の教訓は小さな一歩を踏み出すこと。そこからチャンスが形になることを学びました。

:すごいです。

FAAVOというクラウドファンディングがあって、僕はどうしても地域を応援するというプロジェクトをやりたくて、それでメールをした。そうしたらすぐに「会いましょう」って返事がきた。そして2回目にお会いしたときに別のクラウドファンディングを紹介されました。A-PORTというところなんですけど、「手仕事図鑑にすごい興味 があるみたいですよ」って。

:なるほど。

:でもクラウドファンディングというのはいくつもテクニックがあるみたいで、僕は全然そういうのを知らないでやってたんです。結果は大コケでした。

:あら。

:でも、そのクラウドファンディングの活動をみて、媒体に取り上げてくれたのがハフポスト、いまのハフィントンポストなんです。それで認知が広がったのか、今度はジャパンタイムズから取材のオファーがきました。最終的に大きな露出につながりましたが、そのきっかけは問い合わせフォームという小さな一歩なんです。

:それはすごい勉強になりますね。では出版も問い合わせするところからスタートしたんですか?

:いや、出版は逆に問い合わせをいただくところからはじまりました。オークラ出版という出版社なんですが、僕と同じように手仕事を取り上げるような本を考えていたそうです。そこで、僕が検索でヒットした。ハフポストの記事を読んでくれたのです。それで、お会いしたらすぐさま出版することに決まりました。

:じゃあ、メディア関係のコネとかじゃなくて、手仕事図鑑の活動をやっていたら、大牧さんに巻き込まれる人が出てきたということですね。

:そういうことになりますね。ごめんなさい。ブログはあんまり関係ない話かもしれないんですが。

:いや、貴重な話ですよ。


—会社について


:おもしろかったのは、手仕事図鑑のプロジェクトから事業が多角的に拡大していったことです。大きなところでいうとキリンラガービールのプロモーション映像の依頼がきました。それで、その実績がまた次につながるという。でもその依頼も紐解いていくと、担当者からの紹介みたいなところがあったようで、その担当者に僕は問い合わせフォームから連絡したことがあった(笑)

:小さな一歩をたくさんやると、大きなところにつながることがあるんですね。ところで、大牧さんて名刺を拝見すると会社員なんですよね。よくこんなに自由に仕事させてもらえてますよね。

:ありがたいことに、僕の会社の代表のビジョンに「みんなの夢を叶える」というのがあって、それは本当に助かってます。

:どれだけいい会社なんですか。これを聞いたらうらやましく思う人がほとんどでしょうね。

:でもやりたいことをやらせてもらうために、それはもう必死に稼いでますよ。地味な仕事や、慣れないコンサルの仕事とか取って来たり、もうがむしゃらに稼いでます。義務を果たしてこその権利だと思っています。

:これだけ会社にお金を入れているから、やりたいこともやらせてよ、ってことですね。

:そうなんです。でもこれがおもしろいことに、マネタイズをしてこなかった手仕事図鑑が、いま会社の大きな土台になっているんです。

:なるほど。さっき言っていたビールのプロモーション映像とかですね。

:でも、はじめたときは社長とのせめぎ合いもありましたね。「手仕事図鑑はいつまで無収益でやるんですか?」ってよく言われてた(笑)それを、「もうちょっと待ってください」ってなんとか説得し続けて、その穴を埋めるようにお金になる仕事もがむしゃらにやってきました。

:結果的にそれがいまは会社の名刺がわりになっているというわけですね。たぶん、大牧さんと僕の決定的な違いがあって、100%ピュアな動機で進んでいけるのが大牧さん。まぁ僕もブログは収益のためにやっていないんですけど、どうやって活用するかはしっかり考えてる。やっぱり善意だけじゃできないですよ。

:戦略をしっかり考えるタイプなんですね。

:ぶっちゃけ大牧さんほどにエネルギー量が多い人はそうそういないと思っていて、普通の人はある程度着地のポイントが見えないと怖いと思う。真似したいけど、真似できない。普通、途中で心が折れちゃいますよ。

:ええー、そんなもんかなぁ。

:大牧さんみたいに熱量のある人はそんなにいないと自覚したほうがいいです(笑)若い世代向けのセミナーとかだったら熱意のある話をするのはピッタリだと思いますけど。

:でも、丸山さんだって個人でやられてるじゃないですか。

:まぁ僕も変人だということです(笑)もともと独立志向があったタイプですけど、でも完全に個人にこだわっているわけじゃないです。クライアントの健康を考えたときに、僕のセラピーでカバーできないものがあればそういう人と組みたいと思う。まぁ熱意はちゃんとあるほうだと思います。


—独立について


:僕は自分のプロジェクトを精一杯やっているけど、独立するつもりはあまりないんですね。経営者には向いていないタイプなので。あとやっぱりチームで仕事をするのが楽しいし。

:経営もできそうなタイプだと思いますけどね。でも、活動をみているとスーパープレイヤーなのかもしれないですね。

:でも、フリーランスとかは絶対無理ですね。僕はわがままなので走ることに集中したい。細かいところとか、社長業とかは誰かにおまかせしたいんです。

:僕も経営者とか向いていない。マネタイズとかすごい下手だし。具合が悪い人がいたら無料でもいいから楽にしてあげたいと思っちゃう。最近はグッとこらえてちゃんとお金をもらうようにしてますけど。

:いやでも独立するなんてすごいなぁってホント思います。

:そんなかっこいいものじゃないですよ。結局バイトとかして食いつないでるし(笑)

:不安とかはなかったんですか?

:それはありましたよ。でも、その支えになったのがブログなんです。ブログがあったから会社を辞めようと踏み切れたんだと思います。

:ブログが、ですか?

:ブログには広告をほとんど配置していないので、収入という部分での支えにはなっていません。でも、セラピストとしてやりはじめたときに「普段ブログを読んでくれる人の中から多少は来てくれるな」っていう感覚があった。まったくのゼロからスタートするのは怖いけど、ある程度集客できると思えたから退職できたんだと思います。いずれはちゃんとホームページを作って広告を出したいですけどね。


—セルフメディアについて


:僕はこれからの時代、みんながセルフメディアを持ってもいいと思ってるんです。

:なるほど。ここでハッキリさせておきたいんですけど、Twitter、Facebookはセルフメディアに含まれると思いますか?

:僕はならないと思います。

:同感です。

:Twitterとかは、あくまでもサブとしての役割だと思っています。メインがないとサブも活きない。Twitterの140文字だけで、ものすごい拡散されるような、まぁ一種の大道芸みた いに人を沸かせられる才能がある人はそれだけでもいいけど、そういう人はごくわずかだと思う。

:僕はTwitterやFacebookは「お手紙」的な役割にはなると思う。ダイレクトメールを送ってコンタクトがとれるので。でも、やっぱりメディアにはならないんじゃないかな。

:僕はホームページもセルフメディアとはちょっと違うなと思っていて。ホームページは個人の活動実績をまとめたポートフォリオになるけど、メディアっていう感じはしない。ホー ムページもTwitterとかのSNSみたいにサブの役割なんじゃないかなと。あってもいいけど、発信し続けるには向かない。

:僕も会社のホームページやブランドサイトは名刺だと思っています。メディアじゃない。ブログを持って、ホームページもSNSも持つのが理想だと思っています。

:インスタグラマーも流行ってますよね?それがきっかけで出版までしちゃう人とか結構多い。

:うーん、たしかに。フォトブックのように配信し続けて、セルフメディアっぽい使い方もできますね。

:まぁ僕らはアラフォーなんで、ブログが向いているというのもあると思う(笑)若い子は写真だけで人を判断できるくらいに、視覚的なものに長けている。

:でも、やっぱり自分を知ってもらうのにInstagramだけでは足りない気がします。特にリアルビジネスで活かすとなると。

:自分の活動が写真で表現できるんだったら、流行っているプラットフォームのInstagramを活用してそこでのし上がるという方法はありますけどね。でも、そうじゃない人にとってはやっぱり趣味のツールですよね。

:僕は「財産になるか」という目線が大事かなと思っています。ブログは続けると財産になる感覚がある。ストックされていく感じ。SNSとの違いはそこじゃないかな。ストックに向いているブログで発信し続けることで、リアルビジネスに役立つと思っています。


—ブログはリアルビジネスに役立つのか


:今からブログをはじめようと思っている人には、何年後に役立つと言えますか?具体的な戦略ってありますか?

:うーん。

:ブログをはじめる動機でよくあるのは、アドセンスとかの広告を貼って月に2万円とか入ればいいなというパターン。でも月に2万円とかなってくると雑収入で確定申告が必要になってきて、そうするとみんなブログで独立できるかも、とか一瞬頭をよぎると思うんですけど、ブロガーという肩書きだけでは長期的に稼げないでしょって思う。

:ブログ塾とかありますけど、あれってどうなんでしょうね?

:ああいうのって結局は「ブログを教える」というブロガーのマネタイズの最終形であって、あれも長期的に続けられるビジネスじゃないと思う。要するにプロブロガーのマネタイズは、広告収入と塾を開くことくらい。「それが本当にやりたいことですか?」と思っています。

:そうですね。

:大牧さんは取引先の人にブログを見せますか?

:いや見せないです。でも話の流れでブログをやっていると言うことは多いです。でも、お会いした人の中には、僕のことを検索してブログをさっと眺めている人は多いと思いますね。

:それってすごい重要なポイントだと思います。たとえば大牧さんの場合、検索されたときに「あ、この人真面目なんだな。熱意があるんだな」というのがブログから伝わる。問い合わせメールを送ってすぐに先方から「会いましょう」となるのはそのおかげじゃないかな。みんなまずはその人をネットで検索する。そのときのためにセルフメディアというブログを置いておく。

:僕、一時期ココナラというサイトでサービスを提供していて、まあまあ人気があったんです。利用者からの評価も高くて、実はその評価の声をプリントアウトして常に持ち歩いていた。そういう使い方もできますね。

:それは上手ですね。

:ブログの場合は、「コツコツと続けてきた」というのが相手の信頼を得る重要なポイントだと思っています。書いた内容よりも「続けてきた」というところが大事。

:その点では、続けてきたということもそうだけど、絶対的な「量」も重要なのかもしれないですね。圧倒的な記事数のストックがあれば、なんとなくそれだけですごい感じが伝わるでしょ。

:たしかにそうなのかもしれないです。これは丸山さんも長い間ブログをやっているからわかると思いますけど、最終的には自分の「素」になってきますよね。

:わかります、わかります。

:最初は猫をかぶって書いていて、こういう風にブランディングしていこうとか考えるんですけど、続けていくことで「素」のメディアになる。相手に自分のことが伝わりやすくなると思います。お会いする前に僕のブログを眺めてもらって、事前に僕という人物が伝われば、あとは商談するだけなので便利です。

:僕の「素」の部分が出はじめたのは、ブログを書き始めて3年目くらいですかね。ブログの認知が少ないうちは、戦略的にブランディングやマーケティングしていくのが大事だと思っています。でもその過程を経て、吹っ切れて自分を出せるようになったら、それがセルフメディアなんだと思う。

:丸山さんのブログを見てきて、最初にお会いした頃は「こういうキャラ設定にしよう」みたいなのが透けて見えてた。でも最近のは肩の力が抜けていて、本当にいいなと思います。

:当時は行き過ぎたミニマリストブームを整えたいという思いがありました。なんだかミニマリズムとかミニマリストという言葉が、経済的弱者とか社会に溶け込めない人の言い訳みたいに使われている気がして。その流れと違うふうに書きたかった。まぁ、そこで共感してくれた人が今の固定読者となっているので、その思いを発信し続けてきてよかったですね。

:だから自分の「素」が出るまで書き続けることですよね。

:今からブログはじめようって人には酷なアドバイスかもしれないですけどね。すぐに結果にならないから。でもこれがある程度は真実。だから長期的に発信し続けたいっていう思いがないとキツイ。「ちょっとお小遣いがほしい」くらいの弱い動機だから続かないし、結果としてお小遣いにもならない。

:僕は自分の考えをまとめるというスタンスでブログを運営してきました。自分の考えを振り返ることができるものって人生にとってすごく大きい。だから、定期的に同じネタで記事を書くんです。あのときの自分と考え方がどう変わったんだろうって。だから、「自分のためにやる」っていうスタンスをおすすめしています。

:現状勤めている会社の不満とか書いてもいいの?

:いや、不満はダメです(笑)たとえば「上司の不満」ではなく「上司とのコミュニケーションに大切なこと」って書くんです。なるべくポジティブに切り取る。

:その方法は、記事がなかなか書けない人にとっても役立ちそうな視点ですね。

:そもそも、みなさんどんな理由でブログをはじめるんでしょうね。聞いてみたい。

:いや、ほとんどの人がフワッとしていると思います。僕はミニマリズムというライフスタイル、大牧さんは仕事についてという書きたい題材があった。でも「そこまで情熱的な題材がない」という人もいて、そういう人にとってブログはどう役に立つんでしょうか。

:何度も言うようですけど、自分を振り返るためのツールというだけでも本当に意味があると思います。たとえば週に一回の更新でもいい。そうしたら1年間で約52週あるわけで、その題材を決めちゃう。それで次の年も同じ題材で書いてみるとか。自分の考えの変化を確かめるわけです。

:それは、また屈強な思考ですね。大牧さんはターミネーターみたいに鉄人だから簡単に言いますけど(笑)ブログ1300日連続更新ってすごすぎる。

:ターミネーターってやめてよ(笑)じゃあ月に一回ならどう?それならできるでしょ。12個テーマが決まられないようじゃ、何やってもダメでしょ。

:わかりましたわかりました。それなら誰にでもできると思います。

:そうやって月に一回更新でもいいから続けてみて、それを1週間に一回とかにしていけばいいわけです。実は僕、いまのブログをやる前に10個くらいブログを潰してきた。もともとは三日坊主のオンパレードだったんです。

:僕も同じ。2006年からブログを書いてきました。それこそ何個もブログを潰してきて、ミニマリストが最初のヒット。それまでのブログキャリアがやっと花開きました。

:それは意外な共通点ですね。それとセルフメディアっていう意味では、僕は自分の顔写真を載せてからリアルビジネスでより活かせるようになったと思う。手仕事図鑑のホームページにもスタッフの写真やプロフィールを載せてから随分と反響が増えました。

:ぶっちゃけ大牧さん、見た目がいいですからね(笑)

:いやいや。でもほら、そうじゃない人気ブロガーさんもいるじゃない。

:確かに、これは失礼かもしれないですけどイケハヤさんとか。でも、ああいう「普通っぽい人が稼いでいる」というのがブランディングになる。やっぱり自分を客観的に見てプロディ ースする力が必要なのかな。

:ちょっと話が戻りますけど、2006年からブログをはじめて、2014年でブレイクするまでの間、続けてこれたのは何でなんですか?

:それはたぶん単純に発信したかったからだと思う。あとヤマっけもあった。お金を稼ぎたいとかじゃなくて、自分のコンテンツで世間にある程度の影響力を持ちたいという思いがあったと思います。

:やっぱり、原動力は大事ですね。

:ブログを書く人ってそれだけである意味変わった人なんだと思う。書きたいとすら思わない人がほとんどですから。だからブログを書きたいと思った人は、その理由を自分で深く掘り下げていくと、隠れた情熱とか原動力に気づくのかもしれないですね。

:僕の書いている題材は仕事に関することですけど、別にビジネスのことじゃなくてもいいと思っています。いずれにしても、そういった原動力でブログを続けることが大事。結果として自分のブログを見てもらったときに、毎日コツコツと更新している人って信頼されると思うんですよ。「あ、継続力がある人なんだな」って思ってもらえる。あと誰かが僕のことを紹介してくれるときにも役に立ちますね。名刺だけじゃ伝わらないことがブログで伝わりますから。ブログ収益は少ないけど、結果として大きな仕事につながってきたんです。

:まぁ役に立つまで、2、3年は覚悟したほうがいいですね。逆に1年目でブレイクすると調子に乗っちゃって、変な活動をはじめてしまう(笑)


—ブログ収益について


:ぶっちゃけたところ、毎月のPVってどのくらいですか?

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大牧圭吾×丸山和訓 / 対談 『ブログとリアルビジネス』

丸山和訓(自律神経セラピスト)

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