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育休中ワーママの国家資格キャリアコンサルタント合格体験記

2023年11月、私は国家資格キャリアコンサルタント試験を受験し、学科・実技ともに一発合格することができました。キャリアコンサルタント試験を受けようと思ったのが、第3子の育休に入る直前の2023年2月頃。ということで、時期的に岸田総理によるリスキリングが話題になっていた頃でした。
養成講座から試験合格までの約9か月。仕事・出産・育児・家事をしながら資格取得ができた理由を私なりに考察しました。


キャリアコンサルタント試験を受けた理由

コロナ禍でのキャリア教育とある方との出会い

私は、中学校の教員をしています。中学校では、キャリア教育というのを実施することになっており、私はその担当をしていました。コロナ禍で、これまで行っていた前例というものが活用できなくなり、どのような学習展開にしようかと悩んでいたところ、キャリアコンサルタントの資格をもつ校長先生と出会いました。その方のアドバイスのおかげで、「コロナ禍だからこそできるキャリア教育」という視点で、授業づくりを行うことができるようになりました。中学2年生に向けたキャリアビジョンの授業、中学3年生に向けた自分のあり方を問う授業など、変化の著しい時代に適応できる生徒の育成にも寄与するキャリア教育が実施できました。

第3子妊娠と養成講座申し込み

キャリア教育の担当も3年目となった頃、第3子の妊娠が分かり、産休育休に入ることとなりました。第1子・第2子の育休中に社会とのつながりに飢えた経験のある私は、今回は育休中に何か資格を取りたいと考えました。そして、それならば今一番興味・関心のある「キャリアコンサルタント」を取ろうと考えたのです。キャリアコンサルタント試験を受験するには、「養成講座の修了」が必須です。一日中の講座を10日間受けなければなりません。調べに調べて、ヒューマンアカデミーにて産休初日から開始する講座をみつけました。オンラインで関西で実施の講座でした。時間も金額もかかるものだったので、迷いましたが、勤務校の校長や夫が応援してくれたおかげで受講する決心がつきました。

養成講座について

課題と講義とロープレと

養成講座の開始は4月中旬でしたが、3月末から開始しなければならない事前課題がありました。動画を視聴し、レポートや穴埋め形式の問題に答えるというものでした。仕事と育児をしながらの課題提出は、非常に大変でしたが、子どもが寝た後などにひたすら取り組みました。いざ講座が始まると、講師による講義に加え、受講生同士のロープレも多く実施されました。適度な緊張感のある中で、キャリアコンサルタントになるという共通目標をもつ仲間とともに切磋琢磨しながら学習を進めることができました。

小テストと修了試験

養成講座には、小テストと言われる講義や課題をもとにした25問程度のテストと、修了試験という講座の後半に実施される学科と実技の試験がありました。どちらにも合格ラインが設定されており、合格しないと養成講座を修了できないことになっていました。小テストは、やり直しがきくのですが、修了試験はちょうど出産と重なりそうな時期だったので、再試験になれば受験できないかもしれないというプレッシャーとの戦いでした。ただ、その背水の陣の姿勢がよかったのか、学科も実技も修了試験は一発でパスすることができました。

養成講座後~試験まで

試験4・5か月前

養成講座が6月に終わり、試験は11月。このままでは、試験までが不安だと感じた養成講座の仲間たちと、週に1回の勉強会を実施することにしました。時間を図って過去問に取り組んだり、試験勉強に関する情報交換を行いました。メンバーは主に4人。関西~中国~九州と様々な場所に住んでいましたが、オンラインでつながることでチームで勉強に取り組むことができました。

試験2・3か月前

個人では、過去問を約10回分×3周することを目標に掲げて、隙間時間を活用しながら学習をつづけました。過去問の点数は合格ラインの70点ギリギリのことが多く、なかなか自信をつけられないままでした。
週1回のオンライン勉強会は続けていました。学科の過去問を一通り終え、実技(論述)の過去問を審議しあいました。正解が1つではない試験なので、それぞれがどのような視点から述べたかを出し合い、考えをまとめていきました。また、ロープレはオンラインだけでなく、対面での経験も積みたかったので、住んでいる地域のヒューマンアカデミーに連絡し、受験生の集まりに参加させていただきました。初めて参加したロープレ会で、4か月の乳児を連れてきた私を温かく迎え入れてくれた受験生の皆さんのおかげで、対面ロープレの練習をすることができました。

試験1か月前

試験が近づいてくると、新しい問題に挑戦すべきなのか、一度やった問題を復習すべきなのか、様々な書籍を読むべきなのか…自分の試験対策にぶれがでてきます。そんなときは、オンライン勉強会のメンバーにラインを送り、励ましあいながら学習を進めました。私の場合は、過去問を解きなおして、何度も間違ってしまう問題を付箋に書き、1冊のノートに貼っていくようにしていました。論述に関しては、正解が見えない部分もあるため、ひたすら書いて、自分の論点がずれていないか、模範解答や勉強仲間と議論することで確認をしていました。

試験当日

学科試験と実技(論述)試験は1日で実施されます。午前中の学科試験は、30分経過すると退出が許可されます。しかし、後悔したくなかった私は、問題文をこれでもかと丁寧に読み込み、じっくり考えて正答を導き出そうとしました。見直しも時間いっぱい行いました。論述も、緊張はしていましたが、平常心を心掛けることで、論点をしっかり整理した文章を書くことができたと思います。結果として、学科も論述も8~9割点数を取ることができており、過去問で合格ラインぎりぎりだったとは思えない結果となりました。2週間後に実施された実技(面接)試験では、これまでにあまり経験したことのないパターンの相談者ではありましたが、ロープレで心掛けていた受容や共感を意識して、関係構築を図りながら相談を進めることができました。明確な手ごたえがあったわけではありませんでしたが、自分の持つ力は出し切れた感じがしました。

結果発表

面接試験から1か月ほど。合格発表があり、学科・実技ともに合格していることが分かりました。なんと、週1オンライン勉強会をしていた4人のメンバーは全員一発合格を果たしており、全員で一緒に合格を祝いあいました。
リアルであったことがない人とでも、絆が生まれるものなのだと、とてもうれしく思いました。

育休中リスキリングを可能にしたもの

予定日超過・超安産の第3子

産休初日から養成講座に参加した私ですが、実は出産予定日の時点で講座は第8回。もし予定日前に出産することになったら、欠席する講座がでてきてしまう。修了要件を満たせるだろうか。そんな不安もありました。課題にはなるべく前倒しで取り組むなどして、準備していましたが、なんと第3子は予定日から11日も遅れて出てきたのです。講座には第9回まで皆勤賞で参加でき、第10回は産後の病室で耳だけ参加する(欠席扱い)ということで修了要件を満たせました。産後の身体の回復も問題なかったことで、試験対策などがスムーズにいったのだと思います。

夫・実母・子どもたちの協力

養成講座の際の保育園送迎は実母に協力してもらいました。また、試験直前期のロープレ練習は、夫1人に子ども3人を任せていくこともありました。貴重な土日の休息時間に、私の学びのために協力してくれた夫や、子どもたちにはとても感謝しています。夫に関しては、養成講座の費用についても、決して安くはない金額をつぎ込むことを許可してくれたので、本当にありがたかったです。

復帰後に役立てられる学習内容

キャリアコンサルタントに関する学びを深めれば深めるほど、自分の仕事との関連性に気づかされ、育休中にも関わらず、社会とつながっている感覚を得ることができました。現に、学習した内容をもとに授業展開を考えたり、同僚に授業内容を提案したりすることもありました。学びが仕事や社会貢献につながる感覚がリスキリングへの意欲を向上させたと思っています。

まとめ

産休に入る前の職場で、「リスキリングしてきます!」と宣言した私。有言実行できたのは、私だけの力ではないと、この記事を書いていて再認識しました。家族・仲間・同僚・上司などがいたからこそ、私のリスキリングは成功しました。
また、リスキリングをしてみて痛感したのは、「リスキリングは自分の内から出る学習欲があってこそ成立する」ということです。つまり「リスキリングを推奨します」と言われたからといって「じゃあリスキリングします」とはならないということです。特に育休中の本業は「育児」なわけですから、その「育児」にかかる時間・負担感によってもリスキリングの可否が変わってくると思います。最後になりましたが、養成講座中お腹に留まり続け、お腹の外でもぐっすり眠ってママの勉強時間確保に協力してくれた三女に心から感謝したいと思います。


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