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私がタイムリープした話

※※※

いつもの夕食前の時間を
ゴールデンタイム、と密かに呼んでいた。

夕方5時をまわると、そろそろだな〜と
細かい仕事をいなしながら

頭が夕食何にしようか、
子どもたちをお風呂入れなれけば
その後寝かしつけてなどと、

雑多なことを考えながら同時進行で仕事がフェードアウトしていく。

営業時間を18時に設定しているから、
15時に息子が園バスで戻ってきたとしても
18時までは仕事モードでいる、
というのがわたしのスタイルだった。

だからその時間帯=ゴールデンタイムは、

頭の中が仕事のことと子どもたちのことと、
そのスケジュールで飽和状態ということになる。

一度にたくさんのことを考えて
右往左往するADHD体質なため、
自分にとっては日常的なことだが、

とくにこのゴールデンタイムは
妙に集中する時間というか、
やけに感性が研ぎ澄まされるというか、
脳内フレキシブル
私にとって特別な時間帯でもあった。

そしてその日は突然やってきた。

※※※

この'感覚が異次元になってしまう時間帯に、
パソコンに向かう私がかすかに子どもたちについて感じ取れること。

もうすぐ2歳になる娘が、
ひとりでリビングとアトリエを
ご機嫌で行ったり来たりしてウロウロしている。

食品庫からカレールーを持ってきて
しっかり手に持っている。
パッケージがお菓子っぽくて気に入ったっぽい。

おもちゃ収納にもなっている
スツールに放り込んで満足そうにしている。

いつも信じられない場所から
信じられないものが発見されたりするが、
それは神隠しではない、
こういうときに起こっている。

息子はと言うと、リビングの方で、
恐竜のおもちゃを広げながら、お絵かき途中だったり、本を広げたり、ブロックで形作ったり。ipadでゲームをしたりYouTubeをみたり、、、
自由に過ごしている。

まあ、部屋はだいたい想像つくカオス状態。
あとでバーっと片付けよう、、、

まったく。片付けても片付けてもきりがないから一日一回にしよう。

などと。

ここまでは形を変えながら毎日訪れること。

※※※

ただ、何かが違った。

空気がシン、と冷たく張り詰めた感じがしたのだ。

今日は何かがいつもと違う

「・・・??」

違和感を感じながらも、
いつものルーティーンでお風呂を沸かし
夕食の準備をすることにする。

パタパタとお風呂へ行き、自動の湯沸かしをピッと押すだけ

その後に冷蔵庫を覗き、食材を取り出してキッチンに並べる。勢いよく水を鍋に注いで、火にかける。
いつもどおり簡単にお味噌汁に肉野菜炒めにしよう。

・・・
・・・・
・・・・・

ようやくここで、思い出したのだ。

突然野菜を切る手を止めて、
走ってお風呂場へ向かう

蓋がズレて湯船に落ちており

その下で娘がお風呂に浮いていた

髪の毛が逆立ち、着の身着のまま
風呂釜へ飛び込んで、すくい上げた
娘は目を開けたまま、水を吐いた。

洋服のまま、びしょ濡れになった状態でびしょ濡れの娘を抱きしめてその場で嗚咽するほど号泣した。

今回は助けられた、と思った。

※※※

わたしは、この瞬間をおそらく
後悔しすぎた故に
タイムリープして
もう何度も何度も、何100回、何1000回、もしかしたら何万回
繰り返してきたのかもしれない。

もういい加減
あなたの罪は許されましたと
この日に助けることができたのだと。

あぁ、これでゲートが空いたなと思った瞬間

私の目の前でみるみる道が開けて、
半月後には、わたしはこの家を出ることを決めた。

※※※※※
参考は・手塚治虫先生の'『火の鳥』
です。

どの章だったけな?戦国時代の話です。
罪が帳消しになるまで、
自分に切られるという話。

全く違う話だけど、無限ループに陥って
何度も何度も時間の流れを繰り返す

娘を偶然助けられた日、号泣しながら
こんなことを考えたのでした。

そしてこれは、ノンフィクションです。
創作物としてお楽しみください。
よくわからない人は、映画かゲームのシナリオ?とでも思って読んでください(笑)


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