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キルティング

浦河は雪国とまではいかないが、寒いからここ数ヶ月はずっと同じジャケットを着ている。中の服は多少のバリエーションはあるものの、マイナス温度に耐えうる服が順繰りに繰り返される。さすがにおしゃれがしたい! 違う服が着たい! という心の叫びに近い願望が膨らんで来ていたところに、毎朝観るニュースでBisa Butlerのキルティングを見て、心奪われ、釘付けになった。とてもColorful!

写真から

白黒の古い写真からInspire(刺激)されて、この色の組み合わせを思いつく感性が素晴らしいし、これ、キルトで作っているというから驚き。様々な材質のもの、例えばアフロヘアをビーズで表現したりと、自由自在だ。しかも、あえて等身大で作り、かつて存在し、忘れられていた人々をあたかもここにいるようにしているのだと言う。そして何より、こちらをまっすぐに見る目力がどの作品でも際立っていると思う。何かを語りかけてくるようだ。Awesome(素晴らしい)!!

Time誌の表紙にも

そういえばどこかで見たような気もする、と言う人もいると思う。Time誌の表紙になったりしているからだ。

製作工程

白黒写真から何かストーリーを感じたものを選び、写真の上からiPadでスケッチをする。白黒だと明暗がはっきりわかるそうで、明るいところ、光が当たっているところは明るい色になり、そうでないところは深い色になって行く。色の選択は元の写真そのものから復元しようとするのではなく、見ていて感じたストーリーやその人物の顔の傾きや手がどうなっているかなどの細部の気づき(insight)から行う。写真を正確に写し取るのではなく、例えば、写真では靴を履いていない子供がいて、明らかに正装というか、一張羅を着ている。靴はおそらく買えなかったのだろう。それならその希望に満ちた晴れやかな日にふさわしく靴を履かせる。靴を履きたかったんだよね、と言う会話をする。色は、キルトは彼女にとってコミュニケーションだ。

絵の具と違って混ぜたりできないから、濃淡は異なる生地で出すのだそうだ。そこにはアフリカの生地が使われていて、上の馬の写真はその生地だ。

作品を縫って行く機械がすごい。こんなの見たことない。巨大なミシン?

昨年、シカゴ美術館で単独の展示会が開催されたときの映像がこちら。

雪で毎日白い景色ばかり見ていたからか、心に染みる色の世界に感銘を受けた。感動しました。



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