私の猫は、今年で8歳になるオス猫です。
猫がまだ乳飲み子の時代から、予約していた猫です。
本当を言えば、黒猫が欲しく、けれど黒猫はすぐ死んでしまったので駄目だと言われました。
ならば薄いグレーで目が青い子が欲しいと言えば、タッチの差で貰い手がついたと言われました。

じゃあもうなんでもいいです、そちらが選んでと投げやりに結論を放り投げて来たのが、私の猫なのです。
所謂サバシロとかいう毛色で、乳離れが終わった4ヶ月にしては小さく、とてもうるさく鳴く猫でした。
なぜこれがと聞けば、猫が来る前から決めていた名前を呼んで必死に向かってくるのがこの子だったのですと言われました。
特に興味がなかったので、ふうんと聞き流しました。

小さいくせによく食べ腹だけ膨らんだ猫の腹には虫がいて、だから腹を下すのだと医者に言われました。
本当に4ヶ月?とも。

そんなこんなで我が家に来た猫は、けたたましい鳴き声を上回る愛らしさと懐っこさと美しさで、たちまち家族を虜にしました。
他の兄弟猫に負けてご飯が食べられなかったのが影響してか、常に愛情を欲しているような猫でした。
どこに行くにもついてきて、休みの日に私が寝ていると、どこにも行かず背中や腹や腕の中で起きるまでじっと丸まっている猫でした。
シャワー中は浴室に一緒に入り、濡れるのも構わずしばらく側にいてくれるような猫でした。

夢のような時間だと、今は思います。
夢のような日々を過ごしたなと、今は思います。

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