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チョコレートに含まれる危険な”脂”


こんにちは!ママノインターンの野澤です。今回は、チョコレートがはらんでいる危険性についての研究をご紹介したいと思います。

近年チョコレートに含まれるポリフェノールが、動脈硬化やがん予防に効果的であるとして注目されています。しかし、チョコレートには多くの脂質が含まれているのも事実です。

カカオ中の油脂であるココアバターだけでなく、植物油脂が添加されていることも少なくありません。前回はチョコレート中の油脂とおいしさの関係についての研究を取り上げましたが、「※トランス脂肪酸」という体に害のある脂質も含まれているのです。そこでこの研究では、日本及び外国産のチョコレート類の脂肪酸組成を分析し、原料油脂と含まれているトランス脂肪酸を調査しています。

※トランス脂肪酸とは?
人間のからだの細胞をつくるのに必要な脂肪酸の一種であるが、食品からとる必要がなく、とりすぎた場合健康に悪影響を及ぼすもの。天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものとがある。
農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/

試料の分類方法

「チョコレート」「準チョコレート」「チョコレート菓子」「準チョコレート菓子」を「チョコレート類の表示に関する公正競争規約」を基に分類(下図)。そのうち、代用油脂不使用を「チョコレートA」、代用油脂使用を「チョコレートB」と定義。また、チョコレートとチョコレート菓子には分類されないが、チョコレートを利用している菓子類を「チョコレート利用菓子」とする。



試料の分類と銘柄数


分析方法

1.脂肪含量
日本油化学会が定める基準油脂分析試験法により分析
2.トランス脂肪酸
試料から抽出した脂質を処理し、※ガスクロマトグラフィーにより総脂肪酸組成を分析

※ガスクロマトグラフィーとは?
試料を加熱し気体にすることで、試料中の成分を分離して「どのような成分」が、「どれだけの量」含まれているか分析する方法
島津製作所 https://www.an.shimadzu.co.jp/gc/support/faq/fundamentals/gas_chromatography.htm


結果

トランス脂肪酸の割合

国産
①チョコレート
準チョコレート(11.6%)>チョコレートB(2.8%)>チョコレートA(1.1%)
②チョコレート菓子
準チョコレート菓子(18.0%)>チョコレート菓子(4.5%)
チョコレート菓子>チョコレート
③チョコレート利用菓子
 洋菓子類11.0%、アイスクリーム類3.1%、スプレット類14.1% と幅広い

輸入
①チョコレート菓子3.2%
②チョコレート1.3%
チョコレート菓子>チョコレート
③チョコレート利用菓子8.7%


考察

・代用油脂使用のチョコレートB、準チョコレートには高トランス酸型ハードバターが用いられている銘柄がいくつか含まれている
・「チョコレート菓子>チョコレート」であることから、チョコレート菓子を作る際、代用油脂を利用して用途に合うよう調製しているのではないか
・「国産>輸入」であるのは、外国では基本的に代用油脂の使用が不可能なので、トランス脂肪酸が少ないからではないか


このように、国産のチョコレート製品には輸入品より高確率で多くトランス脂肪酸が含まれていることが分かりました。高カカオチョコレートの健康作用が期待されていますが、高トランス脂肪酸の代用油脂を使用しているか否かにも注目する必要がありそうですね…悪影響のない代用油脂も存在するので難しいところです 何より、チョコレートは適量楽しむのが一番重要なのではないかと思いました!

ちなみに、ママノのチョコレートは植物油脂を使わずに製造しています!

この研究についてさらに詳しく知りたい方は、下記のURLをご参照ください。
「Study of trans Fatty Acid Content in Commercial Foods in Japan: VI Chocolate and Chocolate Confectionery」
Hisashi MATSUZAKI, Minoru AOYAMA, Akira BABA, Takenori MARUYAMA, Isao NIIYA, Teruyoshi YANAGITA, Michihiro SUGANO J. Oleo Sci., Vol. 50, No.1 (2001)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jos/50/1/50_1_49/_article


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