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一度手放してみたらいいのに

「住み慣れた環境を離れてまで、地方に進学をするのは日本人でも嫌じゃないですか」

日本語学校で進路を担当する先生が言っていた。


9月から多くの専門学校で出願が始まるのだが、特に留学生の進学は熾烈を極める。

都内には約6,000名の留学生がいるとも言われている。彼らの多くは学びたいことの有無ではなく、
「学費が安い」「ビザがおりやすい」「家から近い」
の三拍子が揃った学校かどうかで選んでいる。そのため人気の専門学校は偏る。

しかし専門学校には「定員の半分以上を留学生にしてはいけない」というルールがあるため、日本人に比べると限られた募集枠を取り合うことになる。
(といいつつ、ルールが曖昧になっているせいか、留学生だらけの専門学校も存在するが)

都内の専門学校だけでは、留学生の希望に合う学校は足りない。希望の学校に入れなかった留学生は国に帰るか、地方の専門学校に行くか、あの手この手でビザを取って日本に残るかの選択をすることになる。


そんな話をしてくれた日本語学校の先生に僕は「そうですね〜」と営業スマイルで言いながら、内心、「本当にそうだろうか?」と思っていた。

たしかに住み慣れた環境を離れるのは心労もかかるし、出費もかさむ。日本人だって大変なのに、留学生はもっと大変だろう。

その大変さに比べたら今の環境は慣れている分、安心して生活も出来るだろう。

でもだからこそ、一度全てを手放しても良いのではないだろうか。住み慣れた街、通い慣れた場所、気心しれた人。そのどれも持っているせいで両手が塞がり、みすみす機会を逃してはいないだろうか。

どうせ死ぬ時には何も持っていけない。何かを持ち続けるよりも、色々持ってみた方が楽しい人生になるんじゃないだろうか。


そんなことを思いつつ、今日また一人、弊社を辞めていった。全くの異業種に転職するらしい。


僕はまだまだ弊社を手放せそうにない。


#日記 #エッセイ

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真央と書いて、まさおと読みます。会社員をしながら、たまにライターをしてます。映画、教育、飲み屋、の話を書きます。それから、「日刊かきあつめ」という駆け出しのライターたちによる毎日更新の共同マガジンをやっとります。
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