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信頼獲得の極意を学んだテレビゲームの話

テレビゲームをあまりやってこなかった。
多少はやったけど、中学生になって、部活を始めて、交友関係が広がると、テレビゲームから自然と遠退いた。

こんなことを言うとゲーマーの人の反感を買うと思うが、テレビの中の作られたゲームをやるよりも、自分という人間を操作する現実世界の方がよっぽど面白い。

だけど、数少ないやり込んだゲームの中で、現実世界でも役立つ術を教えてくれたゲームがある。そのゲームは、大人になった今でも使える「信頼獲得の方法」を教えてくれた。

そのゲームとは「実況 パワフルプロ野球」である。

野球ゲームとして、多くの人たちに楽しまれているこのゲームのどこで教わったのか。

当時持っていたソフトは「パワプロ10」で、一人で遊ぶモードに自分でオリジナルのキャラクターを育てる「サクセス」というモードがあった。

野球選手の1〜3年目までを自分で練習メニューを選択したり、日常のイベントをこなしてキャラクターを育てる。

ただ普通に練習をしているだけでは強い選手は作れず、特定のチームメイトと「友情タッグ」を組むと、練習で貰える経験値が飛躍的に伸びて、強い選手を作りやすくなる。

この友情タッグを発動させる条件が、そのチームメイトの「信頼ポイントを上げる」ということなのである。

ゲームなので信頼ポイントを上げるのは単純で、その人がいる練習メニューを追いかけていくだけなのだが、友情タッグ発動のイベントに信頼を獲得するイロハがあった。


まず誰一人として、同じイベントは起きない。あるチームメイトとは、朝まで練習に付き合うことで友情が芽生え、またあるチームメイトは夜遊びに着いて行くことで友情が芽生える。

本音をぶつけたことが相手の信頼を得ることもあれば、相手に意見を合わせることで信頼を得ることもある。

絶対の正解はないが、共通していることは相手の好きを的確に捉えるということ。そしてその好きに自分も乗っかるということである。

またその好きを捉えるまでにすることは、相手と同じ練習メニューをひたすら追う、つまり会う頻度をあげるということだ。

そうすることで、時期に相手の好きが何か、どんな価値観を大切にしているのかがわかる。

現実世界でも「この人と友情タッグを組むにはどうしたら良いだろう?」という視点は、信頼獲得をする上で役に立っている。

そして最後に大事なこと。
パワプロでは3年目までしかサクセスはプレーできない。つまり練習が出来る期間は決まっていて、全員と友情タッグを組むことは出来ない。信頼ポイントを上げていたとしても、友情タッグを組めずに終了することもある。

現実世界も同じで、時間は有限で、命には限りがある。自分が誰と友情タッグを組めるかは有限なのである。むやみやたらに友情タッグを組むのではなく、自分というキャラクターを育てるために必要な人とタッグを組むようにしないといけない。

「自分と最も親しい5人が、自分を作る」などとも言うが、自分というキャラクターを育てる上では、誰とタッグを組むかということは重要になる。

ゲームも現実世界も、サクセスの鍵は友情タッグにあるのではないだろうか。

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