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頑張れる幸運を見落としている|映画【予告犯】

「何か夢はある?」 と聞かれてすぐに思い浮かぶことはなんだろう。

何か一発デカイことをやりたい。
彼女がほしい。
回らない寿司屋で、腹一杯食べたい。
友達がほしい。
父ちゃんに会いたい。

夢に大きいも小さいもない。どんな夢でも、夢を持てること自体が素敵なこと。

さらに夢を叶えるために動けることは素晴らしいし、もっと言えば誰かの夢のために動けることは最高なことだろう。

しかし世界はそんなに甘くはない。思い通りにいかないことは沢山あるし、辛い事やしんどいことの方が多いくらいだ。

出来る人からしてみたら、簡単なことなのかもしれない。でも、どうにも出来ない人だっているのではないだろうか。

社会に制裁を加えるダークヒーロー

「明日の予告を教えてやる」

社会の悪に対して制裁を加える。
しかも「予告」をした上で、それを必ずやり遂げた男たちの話が「予告犯」だ。

あらすじ
筒井哲也の同名人気コミックスを「ゴールデンスランバー」の中村義洋監督で実写映画化したクライム・サスペンス。ネットで予告動画を公開し、実際に制裁を実行する謎の男と、それを追う警視庁サイバー犯罪対策課の女性捜査官の緊迫の攻防をスリリングに描く。主演は生田斗真と戸田恵梨香。ある日、新聞紙を被った男がネット上で、集団食中毒を起こした食品加工会社に対する制裁を予告する。翌日、確かにそれは実行された。その後も、法律では裁かれない不正義に対する制裁の予告とその実行が繰り返され、マスコミも巻き込んで社会現象化していく。ネット犯罪を取り締まる警視サイバー犯罪対策課の吉野絵里香は、通称“シンブンシ”と呼ばれるこの予告犯を追い詰めるべく懸命の捜査を続けるが…。(TSUTAYAより)


不祥事を隠蔽しようとする企業 、SNS上で炎上騒動をおこした奴、不謹慎な言動をした者。社会正義の名の下に制裁を加えていく「シンブンシ」たち。

彼らはなぜ予告を繰り返したのか。予告の真の目的とは?

彼らの友情にきっと胸を熱くする。

✳︎

シンブンシの思惑どおり、ネット上では彼らを応援する声も増えていく。自分たちが抱え込んでいた鬱憤を、彼らが晴らしてくれているからだ。

物語の中盤、主犯「ゲイツ」に向かって、事件を追う女性捜査官吉野が言う。

「あんたみたいなやつ、私は絶対認めない。全部社会のせいにして。ネット上で神様気分に浸ってんじゃないわよ!」

男社会の警察で成り上がってきた吉野。環境のせいにせず、全て努力で跳ね返してきたのだろう。

ゲイツは答える

「あなたには分からない」

実は似たような生い立ちをもつ吉野とゲイツ。それなのに全く違う道を歩んでしまったのは何故だろう。

「頑張れるだけ幸せだったんですよ、あなたは」


頑張れない人もいるということ

「頑張れ!周囲のせいにするな、環境のせいにするな。」

頑張って乗り越えた経験がある人たちは言う。しかし彼らはその時に頑張れる状況に恵まれていたことに気づいていない。頑張れること自体、本当はとても幸運なのだ。

出来る人は出来ない人たちの行動を「そんなこと」と嘲笑うかもしれない。

しかし世界には強い人ばかりではない。そんなことしか出来ない人もいる。頑張れない人もいる。

その多様性が世界を作っていることを、頑張れた人たちは見落としてはいないだろうか。


吉野は言う。

「世界には生きる価値があるのよ。本当にあるんだから。」


吉野と同じことを僕は言えるだろうか。


#映画 #映画評 #映画感想 #エッセイ #8月31日の夜に

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お涙ちょちょぎれ
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真央

真央と書いて、まさおと読みます。会社員をしながら、たまにライターをしてます。映画、教育、飲み屋、の話を書きます。それから、「日刊かきあつめ」という駆け出しのライターたちによる毎日更新の共同マガジンをやっとります。

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