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【コラム】九州グルメで不思議なこと《原材料・海産物編》

海の幸、山の幸に恵まれていると九州各県は昔から胸を張るが、四季折々の農水産物を地域活性化にフル活用しているか、という視点で考えると、心許ない。

畜産、生鮮野菜を含め、九州は北海道とともに日本の食料自給率を支える、一大原材料供給基地ではあるが、では、国内外からの観光旅行者や出張者が各産地で旬の農水産品を使った特産料理を心ゆくまで味わえるのかというと、100%YESとはいえない。

レンタカーを借りて漁港に行っても「飲食店はございません。かつてはありましたが」という地域も多い。

▪️よい食材は東京に向かう?
「野菜も魚も、よいものはすべて東京に行く」と自嘲気味に語る農水産事業者も多い。

最近、あらためて「惜しいな」と気づいた2つの海産物がある。「いりこ」と「えび」だ。

私は仕事柄、九州各地の農漁村を取材で回ってきたが、
いりこラーメンはあまりないし、えびラーメンもほとんど聞かない。
また、地域発の広報力は総じて弱いので、産地のよい取り組みが九州外に発信できていない。

つい先日のテレビで、東京で人気のラーメン店は「長崎県産のいりこにこだわっている」と話していました。

▪️瀬戸内海のいりこ文化
お隣りの山口県に行くと、瀬戸内海のポテンシャルを生かした、美味いいりこ系ラーメンがあり、地元の人にも愛されている。

柳井市の「ぶっとび亭」や光、防府両市にある「瀬戸内ラーメン大島」など思い浮かぶ。

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