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お部屋を片付けてたらなんか出てきた

おはようございます。デッポコちゃんです。
最近体調がカスなので、小説書かなきゃと思いつついかんせん体調がカスなので10日間くらい1文字も打ってないですが、せめてなんかしなきゃカス過ぎると思ってお部屋を片付けてたら、多分7年くらい前に書いたショートショートが出てきたので掲載しておきます。

汚い話ですので、お食事の前後は避けてお読みください。


短編小説「ベラディノスーカ」


萎びた竿越しに見る空は残酷なまでに遠い……

売春宿で下衆のまらを舐めて、犬の糞よりも役に立たない臭え白濁液を床に溢し、下で舐め取った後で見える空はいつも透明で残酷だ。
小さなアパルトメントの一室、小便のように揺れるゴールデンバットの煙ですっかり黄ばんだ壁は、黄色の領分を越えて茶色の染みだ。
腹違いの姉はコンビニエンスに行くと告げて消えて、妹は口開けを拒んでこの世界から逃げおおせた。私は今日も下水の味の液体を飲み干して、賞味期限のとうに過ぎたミルクを混ぜた下等茶で口を流す。

空は遠い、壁は茶濁、床は腐れ、今日も世界はいつも通りだ。

外では暇な無職の肉人形が、徹夜でもして必死に作ったであろう国のお偉方のコラージュを配りながら、B級スプラッターの安い叫び声よりも無益な罵詈雑言を吠えている。

「よくもまあ、有ったこともない奴をああも憎めるもんだね」

隣で下半身を隠しもしない、下の中ほどの客がこう答える。
「僕はね、今度デモに参加するんだよ」

そいつは驚いた。
どうやら犬の犬の糞に虫ピンを刺した方が余程価値のある下の中には、精子を作る以外の機能が存在したようだ。
脳があるのなら、どうせなら有意義に使ってもらいたいものだ。

窓の下では七輪で靴下を焼いている老人が、今日も戦争がどうのと喚いている。
今時ブラウン管にチューナーを繋いでみせたテレビジョンを点けると、酒場の似合う中年男が、新興宗教に逃げた小娘を悪態の限りで責めている。いかにも独りよがりな交尾をしそうな男だ。
都の方では下水を飲めるのか争っているらしい。なんだそれは、もっと有意義な電波を流せ、馬鹿が。

七輪の炎に服を焼かれて、コメツキムシみたいに飛び跳ねている老人に言ってやる。
そう、至極簡潔に。

「じいさん、今日の景気はどうだい?」

空は高く、町は汚い、人間は死んでも困らない。
今日も世界はいつも通りだ。

ゴールデンバットの煙が目に染みる。昨日の客が顔に出したからだ。

古臭えキネマを観ながら窓の外に視線を投げる。
七輪の老人は今日も焼いている。今日は革靴だ。律儀に小皿を片手に、中にはせうゆと粉蕃椒だ。
罅割れた硝子瓶に自家製のカストリをたっぷりと入れて。

「どうしたんだい、じいさん! 今日はえらくご馳走じゃないか!?」

老人は目が縦に裂けるほどにかっ開いて、
「戦争法反対! 軍靴の音が聞こえる!」
そう喚き散らしている。
成程、耳鼻科と精神科、どちらを勧めるべきだろう。

今日も世界はいつも通りだ。ただ1点、昨日から便器の水が流れない。
下には革靴のディナー、部屋の隅には客の出した糞便。

私は生来、自分から踊ったりはしないが、今日みたいな日は少しくらい羽目を外しても罰は当たるまい。

「オーケイ、わかった! 世界が総て悪い!」

そう叫んで、塵取りで掬った糞を窓の外へとぶちまけてやった。


(終わり)


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なんじゃこりゃな話です。
多分当時、食品工場に勤めていて鬱が酷かったので、食品工場独特の陰鬱な雰囲気に起因する鬱が酷かったんだと思います。

最近は眠いのが酷いです。
14歳、年を取ったものです。ねむい。