信じる者は救われる

私の実家では、十数年前から漢方の薬局に通って薬やらなんやらを結構買っている。
通うようになったきっかけはたぶん、私の顔に一部だけ湿疹のようなものができてしまい、どこの皮膚科に行っても治らなかったことだった。

自分のためにその薬局を探してきてくれた母にはそう言うのは少し申し訳ない思いがあるけれど、薬局のおばさんは言うことがいつも怪しげ。
波動がどうのとか、名前を書いてその筆跡で体の調子をみるとか、とにかく科学的には証明できなさそうな診察方法。
でもなんだか憎めないところがあって、そのへんの愛情も込めてうちでは「魔女」と呼んでいる。

この間正月に夫と両親とで話をしていたときに、たまたまその魔女の話になり、夫は結構引いていたのだが、たしかに客観的に聞いたら騙されてるんじゃないかって思うよなぁとなんだか笑ってしまった。

でも、ある意味、これで健康を信じられるんならいいモンなのかもしれないな、と思う。
もちろん偽物だったりお金使いすぎていたり誰かに強要したりしていたら問題なのだが、たぶん両親も気休めだということは分かっている。
それでもあえてお金を出すことで、安心するとか拠り所になるとか、そういうお金の使いみちもあるんだよなぁと思った。

娘としては、それで両親が病気に負けない気持ちになって元気でいてくれるのであれば全然悪くないなと思う。
いろんな依存先をもって私達は生きていくんだなと思ったりもした。

余談ですが、母が久しぶりに私のぶんの漢方薬も注文したらしく、そこで夫と写っている写真を見せたそうで。(写真の顔色を見て処方してくれる。←これもわりと怪しい)

そこで夫を見て「この人は(私に)合っている人ですね、合わない人だとアレルギーが出るので良かったですね」と言われたらしい。
それ、新婚で合わないですって言われたらどうするんだよ、と思いつつ、素直に喜んでおこうかなと思うのでした。

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