あの人には嫌われたくない。

何かを「好き」と表明することは、けっこう勇気がいる。
私にとっては、意思表示をするということ。

たぶん、「あの子、ああいうのが好きなんだ。へんなの」と周りから思われるんじゃないか、という考えがいつもついて回っていたのだと思う。

例えば小学生の頃、初めてテレビでaikoを見たとき(赤チェックのパンクっぽい衣装を着て、ボーイフレンドを歌ってたのを鮮明に覚えている)すごい、かっこいい、好き、と思った。
ひねくれていてモー娘もあゆも好きじゃなかった私には、初めてのことだったけど、何気なく家族が言った「変な歌だね~」という言葉を聞いて、なにも言えなくなってしまった。

大人になった今では、みんなから好かれるなんて無理で、そんなに価値がないこととわかったし、望まなくなった。それに、好きなことを表明したほうが、私も!とか、それって素敵!と言って集まってきてくれる人がいることもわかった。だから、へんなのと思われたってへっちゃらと思っていた。

だけど、たまに襲ってくる恐怖がある。それは「あの人には嫌われたくない」という思いから来る。
「好き」や「嫌い」や「興味ない」を分けていくなかで、やっぱり共通点が多い人を、人は好きになるんじゃないかと思う。
だってそのほうが、一緒にいて楽しいよね。恋愛関係だったらまた少し違うのかもしれないけど。

尊敬する人や一緒にいたいなと思う人の「好き」に興味はあっても、仲間に入りきれないこの感じ、なんだかとても寂しい。

でも私はやっぱり、インターネットが好きで、ジャズが好きで、ダンスが好きで、恋愛ネタが好きで、お笑いが好きで、インドアが好きなのだ。
そればっかりは、仕方がないな。

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