見出し画像

やさしい和菓子の世界〜お干菓子編①〜

和菓子屋で10年の修行を経て現在お店を開いています

専門用語を使わずにわかりやすくざっくりと和菓子を解説してみようと思います。
※お店や職人さん、地域によって見解が違う場合もあります

※お干菓子はたくさん種類があるのですが、お店で作ったことのあるものを主に紹介したいと思います。

お干菓子とは

水分の少ない乾燥したお菓子のことです。ほぼ砂糖なので砂糖菓子ともいわれます。

水分が10%以下が干菓子、10〜30%が半生菓子と分けられていますが、ここでは半生菓子も干菓子として紹介します。細かい分類はしません。

ちなみに30%以上は生菓子と呼ばれます。

和三盆糖

和三盆は主に徳島県や香川県で作られている日本独自の砂糖です。

まろやかな甘さと独特な味わい、口溶けの良い高級な砂糖です。

この和三盆を同量の水と水飴を沸騰させて作った「しとり」と呼ばれる蜜を使って作ったお菓子です。

打ってるところです

木型と呼ばれる桜の木で作られた型に入れて作ります。いろんな型があるのですが、私はこのハート型しか持っていません。

こういう型を彫ってくれる方も日本には数人しかいなくなってしまって、お干菓子自体もあまり店頭では見かけなくなりつつあるので、老舗のお店なんかでは飾りとして展示してあったりします。

飾りとして見たことある方もいるかもしれませんがこれは道具です。なんともさみしい気もします…。

和三盆と落雁です。周年記念用

落雁

落雁は砂糖、寒梅粉(かんばいこ)、味甚粉(みじんこ)をしとりで固めたお菓子です。

寒梅粉、味甚粉ともにもち米から作られた粉で同じものですが、細やかさが違います。寒梅粉の方がさらに細かいです。

お店によって配合は違い、味わいが違うかもしれません。

スーパーでも見かけますが和菓子屋さんで作られたものの方が美味しいですよ。

きなこを入れた豆落雁や、ごまやしそなどアレンジしやすいお干菓子です。

切り出し(きりだし)

切り出し落雁と呼ばれるこちらも落雁の1種です。

落雁と材料はほぼ同じですが、しとりではなく白あんをつなぎに使います。

砂糖、寒梅粉、味甚粉、白あんを固めてから包丁で切って仕上げるところから切り出しと呼ばれています。

左上が切り出しです

四角い型に何層か重ねて押し固めてから切ります。白あんが入っているのでカチカチにはならず、ほろほろとした食感です。

味わいも落雁よりもいいです。

左が切り出し山を見立ててます

↑四角い型ではなく半月型で山の紅葉を表現したりもできます

あんまり見かけることが少ないと思います。

和三盆や落雁はほぼ砂糖なので日持ちします。

時間が経つにつれ口溶けが悪くなっていきますのでやはり、日持ちするものでも早めにいただいたほうが美味しく味わえます。

落雁は美味しくないってイメージがあるようなのですが、食べていただくとこんなに美味しかったの!?って驚かれるくらい誤解されてるお菓子です。

ぜひ、和菓子屋さんで作られているものを食べていただきたいです!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?