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看護師が持ってはいけない感情

私の看護師時代を振り返って、とっても反省していることがあります。

それは、

困っている人、苦しんでいる人に対して、

「なんとかしてあげたい」

と思いながら接していたこと。


今思えば、

これは看護師としてあるべき姿だったのか?

と、疑問に感じるし、全部が全部とはいえないけど、

患者さんや家族に対して、「なんとかしてあげたい」っていう、助けてあげたい気持ち、同情にも似ているような、そんな感情って、

間違っていたなあ、と思います。


どうして間違っているって思うのか。

それは、

「なんとかしてあげたい」=「わたしならなんとかしてあげられる」

って思っているってことで、この時点で、患者さんのためというよりも、看護師である私が主役になってしまっていること。

看護師って、患者さんや家族に、よく思われたい、頼りにされたい、って気持ち、誰しもどこかしらあります。

そういった「奉仕」の気持ちの人や、助けたい気持ちの人が、看護師には多いのかもしれない。

でも、それって、自分の気持ちを満たすことが目的になることもあり、

表向きでは「患者さんのため」だとしていても、実際は自己満足で終わる看護も、私はたくさん見てきたし、してきたこともあります。

こういった看護師に看護されたとしたら、どうでしょうか。

その方はきっと「看護師のいわれるがままにした」ってだけで終わるかもしれません。もし思ったような結果が出なかった場合、後々不満に変わるでしょう。

表面上、一時的には感謝されるかもしれませんが、看護師って感謝されることがゴールではないですよね。

本当なら、患者さんがどうしたいか、自分の人生をどうしたいのか、をその方の思いに対して「共感」し、「なんとかしてあげる」のではなくて、その方の隣で「ヘルプ」ではなく「サポート」するのが看護師。

痛みや苦しみ、困っていることに、「共感」することはとても大切なスキルです。

本当の意味で「共感」できる看護師は実は多くないかもしれません。

「共感」しているつもりでも、それ、「同情」になっちゃってるかも案件は多いです。

「共感」と「同情」の違いは、

共感は、相手の気持ちを受け止めること、相手の立場にたって物事を考えてみること。対等の目線。

同情は、相手の気持ちを受け止めたうえで、相手の気持ちを無意識でジャッジしていること。上からの目線。

患者さんによっては、自分がどれだけしんどかったか、苦しかったか、気持ちを吐露する方も多いです。

そういう場合に、看護師が「なんとかしてあげたい」って思うことはいけないことではないです。(むしろ正常な心理)

ただ、その視点で患者さんに接すること、看護計画を立ててケアの方針を決めていくことは、「看護」ではないのかな、と。

これ、看護師あるあるです。私もずっとそうでした。

病院に入院している方は、「治療する」目的でいる方なので、看護師もその「治療」に向けての目標が患者さんと一致しやすいのですが、

これが訪問看護になると、その方の生活に介入するため、看護師の「なんとかしてあげたい」気持ちが邪魔したり、時にはその方にとって「悪」にもなったりします。


看護師と患者さんが、無意識で「上下関係」になってしまってませんか?

相手と対等な立場であることを忘れず、相手の思いに同情するのではなく「共感」すること。

相手の思いに共感するスキルは、訓練も経験も必要です。

「私にはそんなスキルないから、看護師向いてないかも。。」

とかは思わないでくださいね。

ただ、このことを知っている看護師と知らない看護師では、大きな差がでます。


では、「共感」するって実際どうすればいいの?
看護師ってどうあるべきなの?

については、また次回。





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