[第5回]子どもはいつ頃から矯正を始めればいい?

◆歯列矯正とは

「いつ頃から矯正を始めればいいのですか?」と聞かれることが増えました。

いまの日本は、私が開業した30年前よりも、歯並びへの意識が確実に高くなってきていると感じています。子どもの頃に歯列矯正具をつける経験をした人も増えてきたのでしょう。

「歯並びは親の責任だから」と、子どもが小さい頃から熱心に歯科チェックを受けるお母さんが多くなりました。

でも「矯正」は、必ずしもすべての子どもに必要というわけではありません。そして、たとえ「矯正」が必要になったとしても、それがすべて親の責任というわけでもありません。

現在、歯並びの悪さが遺伝する確率は、だいたい25%くらいと言われています。そして残りの75%は環境や食生活、生活習慣、くせ、虫歯、そして人類が進化した結果など、さまざまな要因がかさなったもの。お母さんが自分を責めてクヨクヨする必要はありません。

そんなときのために、私たちのような専門家がいるのです。乳歯期や生え変わり期など早期からの治療でじゅうぶん解決できるものもあります。

そして「矯正治療」は、フィールドアスレチックのようなもの。人によって口の中の状態はさまざまです。

何通りものコースがあり、スタート地点もゴールする姿もそれぞれ違うのです。使う器具やかかる期間や金額も、一概に「これ」と言えるものはありません。

◆一般的な矯正治療

(1)初診・相談
(2)精密検査
(3)診断

●4~9歳くらいの場合
早期治療→保定・観察→精密検査・再診断

●10歳以上の場合
本格的な矯正治療→保定→観察・終了

●18歳以上の場合
本格的な矯正治療(外科処置を含む)→保定→観察・終了

金額は矯正治療を開始する時期、内容、方法などによって異なります。

◆モチベーションが治療の原動力に

矯正治療を始めようと思ったら、まず子どものやる気を引き出してあげましょう。うまくいかないというときは、専門家に相談を。

私は、どうしても矯正が必要と思われるときには、きれいな歯並びとガタガタの歯並びの2つの写真を見せ、「○○ちゃん、将来はどっちのお口になりたい?」と問いかけながら、子どもをその気にさせていきます。

また、治療を持続させることも大切です。一度始めたら、最後までやり抜いて、きれいな歯並びを手に入れて欲しいと思っています。

「口元のきれいな大人になれる幸せ」や「食べものがおいしく食べられる幸せ」をうまく伝え、モチベーションを持続させてあげることが、ポイントになります。

【監修者】
クラジ歯科医院院長 歯学博士
倉治ななえ

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