新しい人をみつけたら?という酷

夫の命日、誕生日などが近づくと、毎年、気持ちが落ちてしまう。
最近がそれで、さらにコロナ疲れも加わっていたように思います。

それがSNSへの投稿にも表れていて、
自分でもまずいなと思いつつ、
人と他愛のないことを話す機会もない今
書くことも整理に繋がっていました。

【もう、活動をやめて、新しい恋をしたら?】

私を想ってのことでしょう。
厚意なのだと思います。
でも、届いたメッセージに立ち上がれないくらい落ち込んでしまいました。
これは、初めてではない。
夫を亡くしてから、幾度となく言われてきたことです。

そのたびに、表面的には流そうとしてきましたが
心に言葉が刺さりました。
厚意なのだとわかっているのに、落ち込んでしまう自分を情けないとも

思ってしまうのです。

【再婚を進められるのが嫌で】

私は、もう子どもも成人している年齢ですから、
こんなことを言われること自体にも虚しさを感じます。
私が理事長をしているスキルス胃がんの会は
若い世代の旅立ちが多いのですが、
その遺族に、再婚を進められることが嫌で
人から距離を置く人が何人も出ています。


スキルス胃がんは若い女性の罹患が多いのも特徴で
遺族には、子育て世代の男性が多くいます。

子育ての不安、弱音を言うと、必ず再婚を言われる。
喪った人への想いが溢れそうな中、懸命に日々を送っている人に
この言葉は、とても刺さってしまうのです。

『悲しみに向き合うこともできない』
そんな悲鳴も届くことがあります。

【弱音を吐けない危険】

返ってくる言葉をおそれ、言葉を飲み込んでしまう。
私にも、このようなことが何回もあります。

そして、心配なのは、そのようなアドバイスを
患者支援に関わる人も発言しているケースがあるということです。

今回、私に届けられたメッセージも、患者支援をしている方からでした。
世の中ではピアサポートの大切さを言われていますが
私は危険だと思っています。
研修を受ければ、修了書が発行され
「できる」気持ちになってしまう。
寄り添うとは、アドバイスをすることではなく
心に蓋をしてしまっていることを安心して出せる場所であると思うのですが。

今回、このことを書こうと思ったのは
厚意が、相手にとっては時にずれていることがあることを
立ち止まって考える必要を感じたからです。

出来る気持ち、与える気持ちは死角を作ってしまう。
このような発言をすると、また、素直じゃないとか
へそ曲がりって言われるんだろうなと思うことも悲しいね…

全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。