知ることから始まる

これも、ひとつの『がん教育』の形なのかもしれない』
昨夜の大きな挑戦を終えて、脱力しながら、そんな気持ちになっています

【なぜ、アイドルグループに声をかけたのか】
きっかけは、2月に行われた日本臨床試験学会に合わせたトークイベントを観に行ったことです。
『秋葉原のアイドルグループと臨床試験の話をする』
その内容に惹かれながらも、会場に向かう途中、何度も気後れしました。私は場違いなんじゃないかなと。
でも、目の前に繰り広げられていたのは、臨床試験の話を聴き、誠実に質問するアイドルと、それを会場で見ながら共に考えているファンの姿
「標準治療ってそういうことなんだ」「薬を作るって、大変なんだな」と語り合う声を聴き、『場違い』と感じた自分を恥ずかしく思いました。『違う』と線を引いていたのは、自分なんだと感じました。

【発信が届いていると思ったら大間違い】
自分では、もう、私のニンジンジュースの話や、高濃度ビタミンC点滴、血液クレンジングの話などは、誰もが耳タコ状態で、『またか…』と思われているのだろうと思っていました。
自分の活動に悩みを持ち、昨年9月末に、Twitterで発信をしている医療者の方々のイベントに参加しました。そこで『情報は、命に関わる医療だと思っている』という発言があり、その言葉に胸を打たれました。
私は情報に溺れた過去を後悔しながら生きている。
もしかしたら、こんな私だから出来ることがあるかもしれない。

そう思った私は、新たな発信をしてみようとnoteというものを始めてみました。
何回も話し、何回も書いてきたと思っていた内容を、noteに書いていきました。
きっと、誰も読まないだろうと思っていましたし、だからこそ、『しつこい』と言われることもないだろうと、自分の備忘録のつもりで書き始めました。
はじめてから数日後、私のスマホが着信音を鳴らし続けました。私が書いた『血液クレンジング』の投稿が、いわゆる『バズる』という状態になっていることに気づかず、怖くなってスマホの電源を切る始末。
でも、このことを通じて、自分の手が届く範囲では飽和状態になっているだけなのだと痛感したのです。
誰も読まないだろうと思っていたnoteが、驚愕のアクセスを得ている…怖いくらいでしたが、
届けるには、線を飛び越える必要があるのだと思い、2月に秋葉原に行ってみる動機になりました。

【グリーンルーペに託した想い】
2018年にスタートしたグリーンルーペプロジェクトは、自分たちの日常に、ある時、突然に
『がん』が自分事となり、うろたえた経験を発信することが、これからがんになるかもしれない人の力になるかもしれないという動機で始めたアクションです。
私から声をかけ、速攻で同意してくれたワンステップの長谷川さん、キャンサーペアレンツの西口さんは、活動を始めた時期が重なっていて、イベントや委員会などでもご一緒することが多く、ステージⅣの患者でありながら自分に何ができるかを問い続けている姿に、私は勝手に夫と重なるものを感じていました。
ふたりは、常に、既成概念にとらわれず、相談すると、「やりましょう」ときっぱりと決断してくれました。
自分たちが、垣根を飛び越えていくという発想は、グリーンルーペの原点です。

【本当は、パブリックビューイング会場で行うはずだった】
今回の、医療者とアイドルという組み合わせで、がんのことを伝えていこうという計画は、2月末から進んでいました。ある自治体のご理解をいただき、オリンピック、パラリンピックのパブリックビューイング会場で、がん啓発イベントをという話し合いが進んでいたのです。そこに新型コロナウィルス感染症の世界的感染拡大が起こりました。
この件に限らず、他にも進んでいた計画があったので、3月は打ちのめされたような気持ちでいました。
気持ちを支えていたのは、『立ち止まっている時間はない』という想いでした。
コロナ禍ではwebしかない。
そう考え、web開催で企画しなおし、今回のイベントとなりました。
私たちはそれぞれ団体を持っているので、このアクションに関しては、実は資金が全くありません。
いつも、想いを伝えるしかなく、それを受け止め、厚意で協力してくださる人がいて実現に繋がっています。
今回も、出演者は無償で参加をしてくださっています。感謝してもしきれないことです。

【知ることから行動が変わる】
イベントへの経緯を長々と書きました。
どんな内容だったかは、ぜひ、グリーンルーペのYouTubeで見ていただきたいなと思っています。
https://www.youtube.com/watch?v=JBcunT3sMaE
昨日は、私はオープニングのみで、その後はYouTubeで見ていました。
notallのみなさんには、事前に講師の授業内容は知らされていません。
講義を聴いて、その場で質問をしています。
その質問の鋭さ、誠実さが、講義の内容を深めているのを感じました。
真剣にノートをとり、それぞれが、Twitterで感じたことやノートを公開してくれていました。
そこについているコメントを読んで、伝わるってこういうことなのだとハッとしました。

このイベントは23日に続きます。
23日は、臨床試験の話と、情報の見極めについての講義です。私は情報の講義で司会をします。

『がん教育』は、今年度から、小学校から始まって、段階的に教育の中で全面実施に向かいます。
理解が適切な行動、態度につながり、共に生きる社会に繋がることを、昨日のイベントでも感じました。

知ることは力になると改めて思いました。

画像2


画像2


全国胃がんキャラバン、多くの人にがん情報を届けるグリーンルーペアクションに挑戦しています。藁をもすがるからこそ、根拠のある情報が必要なのだと思い、頑張っています。