見出し画像

一度死んだから言えること


◉外での歩行訓練で涙が出た話😭

前回書いた様に、室内でのリハビリに蹴りをつけて、病院の周辺の道を実際に歩いて、つまずくのか?スタミナはあるのか?などをリハビリと検査することになりました。

病院の周辺の道は、車道も歩道も普通ですが、そんなに人が歩いているエリアではないので、リハビリには向いています。

病院を西に出てぐるっと回って東から戻るみたいなものです。その前に病院横の川沿いを歩いて試してみようとなりました。

その道を歩いていると、物陰から懐かしい顔がひょっこり現れました。転院の時に会った以来の次男の顔がそこにありました。

今の病院ではあのウィルスのせいで、面会がほとんど無くなり、未成年は一切の面会が認められなくなっていたのです。

もちろん特等室の窓から、ゆあんさんに連れられて下で待っている彼を見てはいましたし、電話で話もしていますが、実際に会うのは感動的です。

涙がドット溢れてしまいました。言葉にならない感動というか嬉しさが、春の陽気に誘われて泣き笑いしてしまいました。

「あぁ家族って良いなぁ〜」

この子に会う為に帰ってきたんだけど、諸事情で会いたくても会えなかった。私の事を思って後悔したくないからと、学業よりも親子の繋がりを優先した息子の姿が、今目の前にあるのですからね。

本来はリハビリ中なので、そう言った面会的な事は規則違反なのですが、「たまたま出会ったんだよねー」と担当のPTが気を効かしてくれて、手を少しだけつないで3人で仲良く散歩する事になりました。

長く病院の中にしか居なかった身としては、肌寒さは否めないのですが、それでも清々しい春の気配を桜の木に感じて息子と色々話してしまいました。

わずか20分程度の時間でしたが、気になった時は会いに来ると約束して、また一人のリハビリに戻りました。

こうやって日に日に桜は色づいて来て、最終の頃は花見気分で毎日歩いていました。春の声に誘われて気分も体も上々で、退院時期を担当PTに相談してみました。

「ちょうど月末前なので、今月は無理ですが、来月早々の退院で話したら良いんじゃないですかね。」「私たちもそうなる様に進言しておきますから」と背中を押してくれました。

「ありがとう」の口癖の効果がここにも発揮され、リハビリ担当からもお墨付きを頂き、年末からの病院生活の終わりがはっきりと見えて来ました。

ただし、実際は病院の周辺の数百メートルを歩くのはまだしんどくて、体力不足を痛感していたのですが、そんな事はお首にも出さず、もっと歩きましょうとワザとPTを煽るなどの、努力は必要でしたがね(笑)

桜の満開と共に歩いた日々は忘れる事はないでしょう。息子の笑顔を励みにしてね。

続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?