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一度死んだから言えること


◉リハビリも終盤になりました

リハビリも最終コーナーを曲がって、直線を走り抜けるだけとなりました。

車イスが終わって歩行器での練習は、案外短くて、直ぐにトレッキング用のストックを使って、ノルディックのスキーのように歩いて行く練習です。

それと並行して、相変わらず廊下で大股歩きや、白線上を真っ直ぐ歩いたりして、徐々にスピードを上げていく練習を繰り返して行くと、担当PTから「胸が張れずに頭が下がって、おじいちゃんみたいになってますよ!」と言われました(笑)

自分が見えないからね〜姿勢がよく分からない。でも歩行って片足重心が何気に出来ないと、左右にブレて安定感を失うのです。

姿勢を正しゆっくりと左右にブレないように、丁寧に歩く歩く歩く。そこからのスピードアップをして行くと、次第に左右のブレが無くなり、姿勢も自然と良くなってきました。

後は立ちしゃがみがまだまだ難しくて、しゃがみ込んでしまうとそこから立ち上がれない。臀筋の喪失がかなりの痛手になっているらしいが、そんな事は関係ないと言い聞かせて、機能回復つまり【意識回復】を心掛けます。

だってこの体を60年も使って、たかが半年怠けたくらいで、ダメになんてならないですよ。頭が指示をちゃんとしないだけなのです。回路が忘れているだけなのです。

実際にそれを意識すると、身体は見違えるほど反応速度や筋力がアップしてきます。PTが呆れるほど、たった1日で答えを出してしまうのですからね。

そうやって室内の最終は、階段を登って降りるが一人でできるかどうかとなりました。最初は直ぐそこの踊り場まで上がるだけで、息が切れて足がワナワナと震えていましたが、先ほどの要領で行なっていけば、日に日に動きは良くなり、あっという間に全階段を踏破してしまいました・・・

ってざっと書いてしまうと単純な様ですが、実は一つ一つは悔しさの塊でした。出来ていた事が出来ない。自分を客観視して状況を把握出来ない事が情けなくて悔しくて。ほんの数ヶ月前にはガンガン動いていたのですからね。

でも全てを励みとして、明日こそはと自分を変え答えを呼び込んでいくと、前述の通り動きはまるまる間に回復して行き、実際に退院が早まる様に話が進んでいったのです。

「まめぞうさんはこの階で一番元気ですよー」と担当医も目を丸くしていました。

こうしてゆあんさんを交えた最終カンファレンスで、退院を来月にしようかとなったのです。その際には自分の死にかけていた頃のCTを見せてもらい、「本当に死ぬところだったんだ〜」と唖然となり、少し寒気を感じたほどです。

さぁ次はいよいよ病院を出て近くを散策する様に、周囲何百メートルの歩道を歩いて、凸凹や段差をスムーズに歩けるか?の実地訓練をすることになりました。

そしてそこで待っていたのは?・・・

続く


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