ダイバーシティマネジメントとストレスマネジメント

ストレスチェックが企業に義務付けられてから約4年。

ストレスチェック制度の目的は

①一次予防:労働者のメンタルヘルス不調の未然防止
②二次予防:メンタルヘルス不調の早期発見と適切な対応
③三次予防:職場復帰支援

とにかく未然に防ぐというのが一番重要な目的なんですよね。

毎日健やかな気持ちで働くことは、人生においてとても重要なことだと思います。

メンタルヘルスに関する様々な調査を見てみると、上位にランクインしているストレス要因の多くは職場の人間関係です。世代・国籍・性別・価値観等の多様化が進むこれからの会社組織では、さらに人間関係のいざこざは増え、ストレスとして個人に重くのしかかっていくのではないでしょうか。

厚生労働省の資料では、ストレス要因を未然に防ぐ方法として「労働者のストレスマネジメントの向上(セルフケア)」と「職場環境の改善」の二つが主として挙げられています。

どちらもとても重要でありますが、個人のストレスマネジメント向上への取り組みは絶対にすべきと考えます。職場環境の改善には様々なコスト(時間・お金・いろんな人の労力)がかかるのですぐには変えられませんし、同じ環境でもストレスと感じるか感じないかは個人差があるので、職場改善の必要性を感じない人もいるかもしれません。もちろん、ハラスメントに該当したり、法律に反するような職場環境は即刻是正すべきですが、ストレス要因となる人間関係が必ずしも法やハラスメントに触れる内容とは限りません。

では、どのように個人のストレスマネジメントを向上すべきか。

そのプロセスは実はダイバーシティマネジメントに似ているように思います。

私が持論として提示しているダイバーシティマネジメントのプロセスは、

「かかわる→知る→受け入れる→活かす」

①かかわる:自分とは異なる個性を持った人たちとかかわること。

②知る:どんな個性を持った人たちがいるのか知ること。

③受け入れる:その多様な個性を持った人たちを受け入れること。

④活かす:多様な個性を組織の強みに活かすこと。


このプロセスで一番難しいと思うのは・・・受け入れること。

「これはこうあるべきだ」「これが常識だ」

自分の意見が正しいと思っている人。正義感の強い人。

そういった人たちは異なる個性を受け入れることができにくかったり、受け入れようとすると相当なストレスがふりかかります。

受け入れるためには、それなりに自分の思考や行動を変えることが必要になってくるでしょう。自分を変えることは容易なことではありません。しかし、他人を変えようとするよりは容易なことなのではないでしょうか。


まずは自分が変わること。

共通のゴールを達成しようとする同じチームのメンバーとして。

自分が健やかに働けるために。みんなが健やかに働けるために。

そして自分の心身を守るために。

ストレスマネジメントにおいても、ダイバーシティマネジメントにおいても自分を変えることが状況を好転させる第一歩なのだと思います。


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