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あのころ想像していた大人のわたしは

昔、どんな大人になっていたいと思っていたっけ?

と、1月に入って一週間も経つのに一度もひらいていなかったほぼ日手帳にたまたま指をいれたページのことばで気がつけばあの頃にタイムスリップしていた。

なにかで迷ったときには、
「昔の自分がかっこいいとおもっていた大人」を
思い出せば良い。
二十歳のころの自分が理想としてた大人って
どんなだったっけって思うと、もう、すぐ解決する。
ー奈良美智さんが『The Apple in My Heart』の中で

ほぼ日5年手帳1月5日のことばより。

大人になった時のじぶんをよく想像していたのは高校3年生、18歳くらいのときだった。
桜林直子さんのnote、「世界は「夢組」と「叶え組」でできている」からことばをお借りするならば、私はやりたいことがない「叶え組」で。

あたまに思い描く大人のわたしはだいたい35歳くらい。でもすごくぼんやりしていた。
「25歳くらいで結婚して子供は二人産んでいたいな〜」
「働くお母さんになってたいな〜」
「こどもたちにバドミントンを教えていたいな〜」
そんなかんじ。

・・・

高校3年生の進路決めの時期になると、周りの友人たちと将来の話をする機会が増えた。みんなの話をよくよく聞いて見れば、美容師になりたい、看護師になりたい、医療事務の資格をとりたい、海洋生物学者になりたいなどと、それぞれ熱い夢を抱いている「夢組」がとても多くてすごく不安になった覚えがある。いつそういうことに興味をもったのだろうって。

高校時代は部活一筋、恋愛も勉強も全力の日々。1日1日をじぶんなりに一生懸命に生きていた。毎日とても楽しくて充実していると思ってきたわたしは、進路を決める時期にすごくおいてけぼりをくらったキモチになった。

わたしは小学校3年生から高校3年生までの10年間バドミントン漬けだった。来る日も来る日も練習をして、それなりに大きい大会も出て。バドミントンが大好きだった。でも高校3年生の時にスパッとやめた。

簡単に決めたわけではない。理由も一つだけではない。親にも周りにもたくさん反対された。バドミントン選手として将来こうなりたい、というのが3年生の時になかったのだ。

というのはみんなを納得させる建前で、それよりもなりたいものがない、熱く語れる夢がない自分がイヤだった。夢がないことはダメなことだと思っていたというのが正しいかもしれない。やりたいことを見つけるためにはバドミントン漬けの日々を送っていてはいけないと。バドミントンしか知らずに大人になるのがこわかったのだ。

・・・

高校卒業と同時に地元高松を離れ、東京の大学に行った。やっぱりスポーツが好きだ、一生懸命になれるものがほしい、とスキーサークルに入ってみた。そうしたら、やれ大会だ、合宿だ、スクールに住み込みだ、とスキーにどハマりしているわたしがいて。気がついたらインストラクターをやっていた。

目の前のことにひたすら一生懸命になりながら過ごし、すごく充実していた日々。でも3年生の就活の時期にようやく気がついた。夢、見つけてない・・・。高校の時と変わらんやん・・・。

でも、わたしはたぶんこんな感じでいくのだろうとなんとなくわかった。それがわたしなんだと、バドミントンや地元を思い切って離れてみて見えはじめた答えだった。

前出の桜林直子さんのnoteですごくしっくりくる言葉をみつけた。

「やりたいことがない人」も、やりがいはほしくて、やることに意味がほしい。あなたがいるから助かる、あなたがいないと困る と言われたい。

やりたいことがなくても与えられた状況に溶けこめる、それを全うしようとする、貢献することでやりがいを感じる。叶え組の得意とする部分はこういうことなんじゃないのかな?と。

・・・

そんなこんなで自分探しをしながら気がつけば大人になっていた。いまここにいるのは、高校3年生の時にぼんやり想像していた35歳のわたしだ。

ちなみにこんなかんじに仕上がっている・・・

25歳で結婚し、子供を二人産んだ。在宅ワーカーとして働くお母さんをやっている。あ、バドミントンのコーチも少々。

何気なく目にとまったことばでタイムスリップしてみたら、あの頃ぼんやり想像していたわたしがいた。ちょっとドキっとした。

あのころ想像していた大人になったわたしは、もっと大人になったわたしを想像してみた。

少しずつ積み重ねていった仕事が成功して自分のペースで働けて、もっと誰かの役に立てていること。もちろんお金にも時間にも余裕がある生活。人が集まる家を建てていて、常に誰かとつながりながら、笑いながら、ワクワクを作りながら暮らしている。

って、やっぱりぼんやりしている(笑)何歳くらいかなー。40代でそうなっていたらうれしいな。これからどんな道を通りながら歳を重ねていくのかはわからないけど、どんな道も楽しめる自信がある。これまでがそうだったのだから。

ここだけの話、高校3年生の時に想像していたわたしと今のわたしは、ほんのちょっと違うところがあって。

もうちょっとボインでね。で、ピチピチのタイトスカートをはいてハイヒールのかかとを鳴らしながらでオフィス街を闊歩するわたし、だったんだけどな。そこはかすってもない(笑)!おしまい!

昨日のnoteはこちらです↓
初めておすすめ入りしました!うれし!

Photo by Masato kubo ( in the forest )
サムネイルは以前撮影していただいたもの。写真家・久保真人さんの月額マガジンもぜひ。

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