10円ハゲになった話

たぶん、はじめて気がついたのは、高校生の時だったと思う。
髪の毛を染めていたけれど、謎に白髪がでてきたりもしていた。

あるとき、ふと頭にてをやると「ん?はげてる?」といった感触があった。

ストレスの出方は人それぞれであるが、わたしはいつも髪の毛に出やすい。

そう、受験期だった。

不純な動機ではあったが、本気で毎日勉強し、生活は乱れに乱れた。
結果、それは体重と髪の毛に出た。

しかし、人間のからだとはふしぎなもので、そんなことはすっかり忘れてしまったある日、気づいたら10円ハゲはなくなっていたのだ。
(体重は不変のふしぎ)

時は経ち、結婚することとなった。
すると、また10円ハゲができていたのだ。
くわえて、粉瘤とよばれる、良性の腫瘍(1cmほど)が背中にできていた。

ハゲについてはストレスなどによるところが多いようで、粉瘤は完全になぞであるらしい。
体内の老廃物やら脂肪がかたまったものであることがほとんどだそう。

まぁ見えるところではなかったため、とくに気にせず当日を迎え、現在に至るのであるが、このふたつはいまだなくならない。

とくに痛みもなく、気にしていなかったのであるが、気にしていないなりに気になり、ついに皮膚科へ行くことにした。

それもたまたま有休の日に、予定と予定の間の時間が空いたからという、なんとも適当な感じではあるが、今年は気になるところはすぐに病院に行く、という目標のもと、いざ皮膚科へ。

そこで、行きつけのおじいちゃん先生皮膚科があるのだが、先生唯一の欠点、言ってることが聞き取れないという点が今回は気になった。

いつもは雰囲気で聞いて、お会計時の看護師さんの補足で事足りるのだが、ハゲについてなどはわかりやすい説明が聞きたいと感じ、今回ははじめて違う皮膚科へ行くことにした。

女性の先生で、地元でも評判のその皮膚科は、毎日こんでいて本当に人気らしい。
先生のお人柄あってとのことで、それも気になった。

いざ行ってみると、幸運なことにそこまでこんでもおらず、わりとはやくみてもらうことができた。

以下、先生(雰囲気ベースの記憶)
「まず、背中なんだけどね。これは粉瘤というやつで、害はないんだけど、どんどん大きくなっちゃうから、これくらいの大きさだともう手術なのね。」

手術!?

てっきり注射器なんかで簡単に吸いとれるものかと思ったため、非常に驚いた。

「あと、髪の脱毛なんだけど、脱毛って原因がわからなくて、根本的な治療って難しいのね。」

なるほど。

「でね、背中の件もあるし、○○病院に脱毛症で有名な先生がいらっしゃるんだけど…その先生、3月に辞めちゃうのね。だから、背中とまとめてこの先生のとこの紹介状書くから、いまのうちに駆け込みで行ったほうがいいと思うの!!いまのうちよ!」

なんと。
とても幸運ではないか。

早速紹介状を書いてもらい、予約センターに電話しようとしたところ、16時59分!
(17時までの営業)

いそいでかけて、なんとか来月の予約枠を確保した。

突然の展開に自分でもついていけなくなってしまったが、とりあえず髪の毛に良さそうなシャンプーを買いに行った。

ちょっと高めのシャンプーを薬だと思って買い、早速使っている。
かつ、シャンプーのパフォーマンスを最大限に出そうと、シャンプーをしながら頭皮マッサージを施し、シャンプーの元をとることができるよう、一生懸命必死でシャンプーしている。

なんか抜け毛が増えた気がする。
(逆効果説)

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