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三者面談を対話の場にする

娘が中学に入ってからの三者面談は、意識的に先生、私、娘の対話の場にすることにしている。たった15〜20分の時間でも、話の持って行きようで結構深い話ができるもの。これまでの2回を振り返る。

対話を試みる

娘の中学1年時の担任の先生は、20代の比較的若手の先生で、今時?珍しく威勢のいい元気な方。娘や友達からの話、自分も現場を見たりして、叱り方に特徴があることは知っていた。

大人だから、先生だから、叱っていいと思っていない私は、ずっとこの点を疑問に持っていて、話をしてみたいと思っていた。もちろん、相手を攻め立てたいわけではない。クレームを言うつもりはない。「NVC 人と人との関係にいのちを吹き込む法」を読んでいた私が知りたかったのは、生徒を叱る時に先生に湧き上がっている感情とその背景だ。

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思いをきちんと伝え、また受け取る

まずは、「そのやり方では、かえって生徒が萎縮すると思う。」と私が伝え、娘も嫌だと思っていることをはっきり伝えた(我が娘ながら、これは素晴らしかった)。その上で、「叱る時にどう言う感情が湧き上がってるんですか?どんな思いですか?」と聞き、掘り下げ「どうしてそう思うのか?そういうやり方になるのか?」を攻めることなく、落ち着いて、傾聴して行った。

そうしたら、本当に生徒に対して深い愛情を持っていて、「叱る」という行為がどこから来ているのか、先生の思いや経験も踏まえて理解できたし、常識にとらわれない自由な発想ができる人だという面もわかって、すごく嬉しかった。

相互作用によって変化する

娘にも変化があった。「聞いてみないと本当のところはわからない」「嫌いな人がいなくなった」と、これをきっかけに、人の行動の背景には色んな経験や思いがあり、表面的に物事を判断してはいけないと体験的に理解した。私にしても、先生に対する視線が全く変わった。その行動の背景がわかり、応援したい気持ちになったのである。

そして、2回目も。やっぱり伝わる。

2回目の三者面談は最近あって(別の先生だけど)、今回も貴重な時間だから、お互いを知る対話の機会にしたいと思った。

中2ともなれば、高校選びのための内申点の話になりそうなところ。でも、内申点を上げるために、勉強したり、活動することに意味を見出していない私は、自分の方針を先生にしっかりお伝えした。

「親が誘導するのは簡単だけど、転ぶ前に手を出すより、自分で選択し、その結果を受け止める人生を歩んで行って欲しい。それに、自分で試して転ぶなら、若いうちの方がいいと思っている。」

正直、そんなこと言って、どんな反応が返って来るか、わからなかった。でも、意外とあっさりと先生も共感を示してくれる。提出物が出ていないことなど、とやかく言わず「お母さんが、信頼して任せてくれるってすごいことだよ。だから、自分でよく考えて決めてね。」と娘に向き合い、娘も「はい」と頷き返していた。

終了前に「学習要領的なことは脇に置いておいて、それも含めて、中学時代に何を学んで欲しいと思いますか?」と聞くと、しばし沈黙の後、「私もお母さんときっと一緒で、転ぶ前に手を出すより、転んでも自分で立ち上がる方法を学んでもらいたい、ということだと思います。」と。

三者面談は楽しい

最初は「三者面談、面倒だな」って言っていた娘も、2回の面談とも、「楽しかった」らしい。私も、本当に楽しかったし、良い対話の時間をもらえたと思っている。毎日の生活の中では、つい「先生」「生徒」「保護者」という立場の上で話をしてしまいがちだけれど、短い時間であっても、向き合う場を得ることで、そのベースにある「人としての関わり」を思い出す機会にすることができる。そして、思いもかけず、2人の本当に素敵な先生に「出会う」ことができた。

価値観は人それぞれで、成績が大事なこともあるけれど、せっかくだから、三者で対話をしつつ、楽しい時間にしようよ。


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