ついでのはずのチャーハンが。

ごはん粒にそれほど思い入れがない。

ごはんよりも麺のほうが圧倒的に好きだ。

ゆえに旅先でも麺を頼むことのほうが多く、ごはんものを頼むのは「腹持ちがいいものが足りないね」っていうときだけ。旅先では昼間からビールを飲むから、ツマミとしても最適で大好きな海老や空芯菜などの炒めもの。あと一品頼むとしたら、というときに何となくオーダーする。アジア各国、チャーハン的なものはいつもあるので安心だ。

そんなポジションだから、過去の旅行写真からチャーハンの画像を探してみても肩身狭く写っているものしか見つけられなかった。その割には意外と回数食べていて、なんだか申し訳ない気持ちになる。

そんなチャーハンが、一度主役に躍り出たことがある。

私と旅友が年に1度のアジア食い倒れ旅を始めて7年。この旅友が、期待を裏切らないうっかりさんだ。決算書でも読み解いているのかという渋い顔で地図を睨みつけたあと、力強く、コントかってくらい真逆に歩きだすのは日常茶飯事。数字に弱すぎるあまり、ぼったくりおばさんの甘い言葉によかれと思って加勢し、私にムダな買い物をさせることもある。

うっかりは旅に物語を生み出す。だから私は、この旅友が大好きだ。

そんな旅友とコタキナバルで海鮮料理を食べに行ったときのことだ。

事前に調べた有名店に向かっていたところ、手前のお店のおばちゃんに「コンニチハ!」と日本語で話しかけられ、気をよくしたうっかりさんは「ハロー!」とにこやかにあいさつしながらその場の席に座った。オープンスペースで店はつながっているが、私たちの目的は奥の店だ。あともう一歩なのに、なぜそこにナチュラルに座った。しかもいろんなブログで「伊勢海老を勧められることがあるが日本並に高級なので気をつけろ!」と書いてあったのにも関わらず「イセエビ?」というおばちゃんの問いかけに「イエーーイ!」とコール&レスポンスをしている。

仕方ない。イセエビは速攻却下したが、観念してこのお店で食べることにした。やっぱり大好きな海老に、初めて食べる貝(タレが激辛ウマ)と葉もの、そしてついでのチャーハン。

右端に見切れてる海鮮チャーハン。味に期待はしていなかった。有名店手前で観光客をつかまえるワルいお店だと穿っていた。

でもこれが大当たり。海鮮の旨味とマレーシア特有の甘めの醤油、パラッパラな炒め具合。つい繰り返し口に運んでしまう美味しさ。チャーハンが美味しいというのは料理の腕がいいという証拠なので、この瞬間にワルい店というイメージはかなぐり捨てて、また行きたいお店に変身した。

さらに旅友が「私、天才」と言いながら、海老に乗っているカリカリのにんにくをチャーハンにかけて食べ始めた。真似してみると、まろやかな味のチャーハンに、にんにくの香ばしさがプラスされ旨さが倍増される。たしかに天才だ。

この日、この店で食べたいちばんおいしいものは、間違いなくチャーハンだった。

この文章は「チャーハン大賞」に参加するために書いていて、万が一にも入選したら「ザ★チャーハン」がキロ単位で届くらしい。でもどちらかというとカリカリにんにくを送りつけてほしい。小栗旬がCMしているアレのようなので、にんにくは必須で入っているはずだ。しかもこだわりの。きっといろんな料理に大活躍だ。

焦がしにんにく。なんて香ばしく食欲をそそる響きなんだ。

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まみろっく

アジア食記帖

アジアを旅して出会った好奇心くすぐるごはんの話
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