フォローしませんか?
シェア
まみすけ
2019年8月9日 13:10
青年がその弾丸を胸に受ける時彼は愛を感じたであろうかその弾は敵の故郷の人々の 愛であふれていた収集された鉄くずに込められた 愛ゴム製品に込められた 愛ベーコンの油に込められた 愛国の為に戦う愛しい人々へ 向けて込められたただ単に 純粋な 愛それらを使って造られた愛にあふれた弾丸は同じように人を愛する青年を貫いたその愛は戦争という名の殺人行為により脆く 滅びたそれを愛と呼
2019年6月3日 06:08
道化の心の闇の深さは はかり知れない不気味さを併せ持っているわたしが体中を煮えたぎる血のようにして欲すときあなたは幾分か離れた場所に突っ立って 傍観者になるその心理戦みたいな距離感がいたたまれなく嫌で 嫌で 嫌で躍起になってそれを抉ってやろうと思う痛めつければ痛めつけるほど あなたは美しさを増して心持たぬビスクドールのように 虚ろなまなざしでわたしを見透かすわたしをこぼすわたしを
2019年5月22日 12:23
私はなんと暴力的なやり方であなたの愛情を 求めてきたのでしょう美しい殻の中には 醜い内臓が詰まっています私はその汚れたあなたの内臓を 愛でたいのです苦しみのその先にある 楽園なら少しだけ覗いてみたいと思いました甘く美しい幻のような苦しみは尊いあなたの眼差しのように 澄んでいて ぞくぞくしますその深淵のような瞳で 覗き込んで私の息の根を半分ばかり 潰してはくれないでしょう
2018年10月21日 06:08
うつろに閉じたその瞳の奥は 空っぽからっぽの死体は私をそっと抱きしめたそういう風にあなたは笑うだから そこに私はいない存在だけがただ悲しい 曖昧な響きで突き刺したあなたを欲し もっと知りたいと願うもその肉体と魂はどこかへ 散歩もう永遠にあなたを知ることもできないし互いに迷路に迷い込める人たちに 真摯な嫉妬をおぼえる私には迷い込む場所もない ゴールのない 永遠の漂流者閉鎖され
2018年9月2日 18:40
実感よりも 瞬間のきらめきの中であなたは笑って空を見上げる心地よい静寂の傍らにある 攻撃的な距離感寂しさはいつだって 堕落への扉最近の物事が うるさすぎて 死んだように眠った繰り返される歴史の中で 忘れ去られたあの子が泣いている人間の手によって産み出された まやかしの宗教の海絶対的な讃美歌の嘶き はみ出そうともがけば押し潰されるわたし 不安なんだ不安過ぎて わたし 狂ってしまいそ
2018年7月1日 04:46
わたしは手が欲しいこの世に中指をたてて のんきに平和を語るやつらを ピス オフさせるでっかい手が欲しいわたしは未だに血を流すことでしか世界を変えられないこの世の中をひっくり返すような 手が欲しいサハラ砂漠の地獄で息絶えるおんなやこども達が 今夜安心して眠れるようにずっとさすってあげれるあたたかい手が欲しい誰も越えられない 結局は誰のものでもなかった星壁を作ろう
2018年3月16日 00:33
優しかった父はどういう顔をして 祖母に金を無心したのだろう笑顔の絶えなかった祖父はどういう気分で 祖母を殴ったんだろう鬼の形相で私を叱る母は どんな仕草で男に欲情したのか雨の日傘もささずに川面に佇む女は どうやって父を虜にしたのだろう手袋を淑女のように握る祖母は 何を思い子を置きざりに男と逃げたのかあの日わたしはどこにも存在しなかったわたし不在の世界ですべてが周り面白いように混沌とし
2018年3月14日 06:36
きみの事を考えていたんだあの日 手紙をくれた きみの事を意外と達筆で その文面すら優しくてほのかに香る まだ見ぬその地の微かな気配をぼくはそっと吸い込んだきみの事を考えていたんだすい星のように現れて 花火のように散っていった きみの事を名も知らぬ きみの事を画面越しの きみの事をハンドルネームに託された 春への思いは一緒で 寂しく桜の季節になると 散るまで感傷に浸ってた
2017年12月2日 06:27
私にとって 誰かの死は小さな宇宙が終わるとき小さな宇宙の終末は 角砂糖が溶けていくようにすうっと消え入るかのようそこにあった 星々の輝きは永久に消滅する それはまるであらかじめ存在を消されたパラダイスのような 掴めない 想像もできない 奇妙な空間確かにあったのに 曖昧で 悲しい小さな宇宙を そっと手に取るでもそれは想像上の小さな宇宙で本物ではないその偶像を 人々は信じ 崇
2017年11月10日 05:04
証拠不十分な期待と蠢きおまじないのようにそこで呟くすき?きらい?すき?きらい渦巻の中でめまいがするのそしたらわたし飛んでしまう遥か 彼方 世界の端っこの場所に蹲って自分を抱いてかわいそうって なみだを流すの自分が好きなんでしょう?壊れそうなくらいに自分がかわいそうだって認めてみる事が 怖いんでしょう?砂糖菓子のようなしつこく粘っこいあなたの愛情はべたべたで気味
2017年11月9日 16:06
合成香料の安っぽい風にのって彼女はやってきた3つだけ数えるから消えないで待っていて寂しかったあの日 昨日の夢の中の曖昧さで二度と触れられる事の無い 痛みを知った想像だけで悲しみは表現できると思っていたでも本当の悲しみは容赦なく 私を打ちのめすあなたがいないあなたは もういないそれがどんなに永遠に感じられるか あなたは知らないあなたは 私の事さえ知らないのにあなたがいない愛み
2017年9月19日 10:26
ケロイドを這う その得体のしれない指先 目の前にいる女が 申し訳程度についた私の傷跡を そんなに優しい目で見つめるもんだから私は悲しくて 切なくなったその女の腕は 茶色く変化してでこぼこで一種の彫刻のようだった出来損ないの 斬新な 彫刻作品あなたの傷は 私には背負いきれない背負おうなんて思わないで女はそう言って 優しく包み込む一緒に来て欲しいそう囁くと 私は落ちていった天
2017年9月8日 13:10
そういう脱力感のある女の子によく惹かれた 白い肌の透明感だとか 優しいまなざしの先だとかそういう自分にない 特徴やしぐさに ときめきを感じた あれは はつこいだった そう断言してしまうには曖昧でわたしは空中分解してしまいそうだ幼い頃の記憶だけ独り歩きして時を経て出会ったあなたは もう別人でわたしは自分の進歩の無さに 恥ずかしさを感じて 脳みそが縮れたできるなら ふたたびその手に
2017年8月26日 11:20
白い靄に包まれて 彼女は帰らなかった無残に滅びた そのお母さんは あなたのお母さんねえ そういう時 どういう風に私を見てた?そこから反対方向に 歩き出した 私達は過呼吸の痛みの中で お互いを離したくはないと必死に 縋りついて 痛みを舐めあって 死を恐れたお母さんは弱かった あなたも弱かったでももっと わたしは 弱かった紐をほどいても あなたは蘇らなかった冷たくなった あなたの裸体