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「本を語る」100日100冊チャレンジ 第49日


❶[1BOOK]
「増補新装版 オレなら、3秒で売るね!」
マーク・ジョイナー著 林田レジリ浩文訳 フォレスト出版 2021年3月31日

❷[3POINT]
①復刊に寄せて〜プロデューサー 中原拓哉
これは本書を何年も活用してきたからこそ断言できるのですが、3秒で売れない商品は1時間かけて懸命にお客様を説得しても、10時間かけて粘ってセールスしても売れないのです。要は売れないものは売れないのです。

②これが「魔法の公式」だ!
☆魔法の公式の3ステップ
1)「圧倒的なウリ」を作り上げろ
2)それを「ノドのかわいた人」に見せろ
3)「おかわり」を売れ

③自分自身を3秒で売る
☆3秒の戦略
モノやサービスの売り込みとまったく同じように、人はおよそ3秒で相手を値踏みする。たったの3秒で何千もの観察がなされ、それでおおよその判断を下す。うまくいくのも、下手を打つのも、この3秒にかかっている。

❸[1ACTION]
[実行すること=自分との約束]
自分自身を3秒で売る方法を確立する。

[思いついたこと]
この本の原題は「The Irresistible Offer. How to Sell Your Product or Service in 3 Seconds or Less」これを「オレなら、3秒で売るね!」という邦題になった。このこと自体がすでに「irresistible (抵抗できない)」状態を作っている。やはり、タイトルは大切だし、キャッチコピーの技術はすごい。そして、この本の売り方自体も秀逸である。実はこの本は、110円で売られていた。私のように、日々、本の調達に頭を悩ませている人間は、すぐに飛びついてしまった。

「タダでもらった本はまず読まない」というのが私の持論であるが、この110円というのがミソである。実は、出版した会社自体が、この本で紹介されているメソッドをうまく活用しているのである。まさに「1ドルくれたら、1000ドル差し上げます」冷静に考えると、「そんなバカな〜」と思うけれど、実際にはその手法に、まんまと乗ってしまったわけだ。ある意味で悔しい。しかし、それほど有効な方法だと証明されたわけでもある。

[そして]
何よりも、この本は読み始めると止まらなくなる。訳者も述べている通り、勢いとリズムで一気に読ませてしまう力がある。そう、ワクワクするのだ。次の1ページが早く読みたい、その答えを早く知りたい。そう思わせる文体であり構成である。内容としては、私のように「マーケティング」に疎い人間が読むにはちょうどいい入門書のようなものだ。
「1行目は何のために書くの?」
「それは2行目を読ませるため」

だから、私の文章も、それに引きずられて、いつもとは違うスタイルになっている。私は村上春樹の小説が好きで、自称ハルキストである。しかし、読むには勇気がいる。それは、読み終わった時に、自分の使う言葉や文体やスタイルが、すっかり「村上春樹」になってしまうからだ。それほどの「圧倒的なウリ」を身につけること、それが次の目標である。ただ、私にはこれといった「売り物」はない。大半の人間がそうであるが、私には「自分自身」という最強の「売り物」がある。それを3秒で売る方法を模索しよう。

❹[1episode]
☆増補新装版 訳者あとがき
そうやって翻訳していった『オレ3』、今読んでもほとばしるような勢いとリズムを感じる。ノリまくって面白いように筆が進んだ。まるでマークの魂が乗り移って、自然にマス目を埋めていく、そんな感じだった。
昔のことなのにワクワクしながら仕事をしていたことを昨日のことのように思い出す。
確かグレン・グールドだったか、昔の自分の演奏を聴いて、「誰か、今の自分とは別の人格がまったく違う感性でピアノを弾いているようだ」と言っていた。
13年も経てばそれなりの猿知恵はつくし、経験も増える。だから賢くなるかもしれないが、どうにも取り戻せないものがある。それがノリノリの勢いだ。
そういえばアメリカと韓国の軍事組織で働いていたマークが座右の書としてあげていた『孫子』にも、「勢いこそが命」と書かれていたっけ。

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