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ありのままで

 私はありのままで生きる事を諦めた。私は受け入れたのだ。ごめんなさいエルサ。あなたの正義はとっても素敵なのだけれど、実存的不安に苛まれている私はあなたと共に氷の階段を駆け上がり勢いよく扉をぶち開く事は出来ない。「ありのままで生きる」という宝石は誰しもが手に出来るわけではない。だからこそそれに価値があり、それを追い求めて冒険する者がいる。そしてその宝石を手に入れ掲げるものを羨望の眼差しで見つめた後、私はそっとカーテンを閉め、スマホでYouTubeを見たりゲームをしたりXで愚痴を呟いたりするのだ。しかしそんな私の部屋の前にも時折アナが訪れ、やかましい歌をうたいながら扉をノックをする。でもその煩わしい時間は私に一筋の希望を抱かせるのだ。

 これでいいの 少しも寒くないわ。

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