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ヘタな映画よりよっぽど面白い。SFアニメのMVではBirdy Nam Namもいいけど、やっぱりN.A.S.A.が最高だ!(オススメMV #15)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の15回目です。(連載のマガジンはこちら)

前回まで3回連続で邦楽MVの紹介でしたが、今回から洋楽MVに戻ります。
そして、今回のテーマはSFアニメで、きちんとストーリーがあるMV。

このテーマは結構ハードルが高いので、紹介できるMVは2つだけです。

では、最初のMVに参りましょう。
最初のMVはとっておきの1本です。
N.A.S.A.の「Gifted feat. Kanye West, Santigold, & Lykke Li」です!

このMV、完成度がメチャクチャ高いですよね。
もうヘタな映画を見るより、よっぽどいい!

それに、これだけ映像が強いにも関わらず、楽曲が素晴らしいので映像にぜんぜん負けていません。
楽曲と映像が極めて高いレベルで融合している、稀有なMVです。

N.A.S.A.は、サム・スピーゲル(SamSpiegel)とゼ・ゴンザレス(ZeGonzales)の2DJのユニットで、L.A.を拠点に活動していました。
この「Gifted」という楽曲は、2009年にリリースされた「The Spirit of Apollo」というアルバムに入っているのですが、このアルバムがまたスゴイ内容で、それぞれの楽曲で(よくこれだけ集めたなー)というほど様々なシンガーを客演に迎えています。
この「Gifted」には、大物カニエ・ウェスト(Kanye West)に加えてサンティゴールド(Santigold)とリッキ・リー(Lykke Li)という2人の女性シンガーを客演に迎えており、特に2人の女性シンガーの歌声がこの楽曲を特徴的なものにしています。
なお、「Gifted」の次に収められている「A Volta」という楽曲はガラッとテイストが変わるのですがオススメの楽曲で、なんと密かにお気に入りの女性シンガーLovefoxxxが客演していることもポイントのひとつです。

さて、MVのほうに目を向けると、まず起承転結のあるしっかりしたストーリがあり、最後に(そう来たか!)というオチがあるのがいいですね。
しかも、映像的にも緩急があり、地表の風景もあれば、精神世界のカラフルな映像もあったりで、飽きさせません。
特に精神世界のカラフルな映像は、相当練りこまれているのか、この手の映像にありがちな「ただまぶしいだけ」や「目がチカチカする」ということが無いのが不思議です。

なお、「The Big Bang」という「The Spirit of Apollo」のリミックスアルバムには、様々なDJやミキサーにリミックスされた4つのバージョンの「Gifted」が収められており、この楽曲のポテンシャルの高さが証明されています。

N.A.S.Aの楽曲について語りだすと止まらないのでこの辺にしておきますが、いずれにせよ「Gifted」の楽曲は素晴らしく、そのMVは傑作であることは紛れもない事実です。
また、Youtubeで公開されているMVはクオリティというか画質がすごくいいので、ぜひ大画面テレビでの視聴をおすすめします。

では、2つ目のSFアニメのストーリー系MVですが、1つ目に素晴らしすぎるMVを持ってきたのでなかなか厳しいところです。
そこで、テーマは同じでも違うテイストのMVを持ってきました。
Birdy Nam Namの「The Parachute Ending」です。

不思議なMVですよね。
独自の世界観があり、アート作品のような趣があります。
しっかりストーリーはあるのですが、イマイチ意味が分からないところも多数あり、それがまたいい味になっていて、他に類するものがない作品に仕上がっています。

このバーディー・ナム・ナム(Birdy Nam Nam)は、フランスの4DJのユニットで、先に紹介したN.A.S.A.が2DJでしたが、その倍の人数で構成されています。
実は、このMVでバーディ・ナム・ナムを知り、この楽曲が入っているアルバム「Manual For Successful Rioting」を聴いたのですが、正直ピンと来ず、それ以降楽曲だけを聴くことはなく、このMVを観るだけの関係になってしまっています。(他のアルバムもチャレンジしたのですが、残念ながら同様に撃沈しています...)

さて、MVの話に移りましょう。
このMVは楽曲より映像が強く、MVというより「映像作品」という表現のほうが適切です。

「楽曲がまずあって、その楽曲を引き立たせるためにMVがある」という私の基本概念に則っていないMVになるわけです。
しかし、このMVには独自の魅力があり、定期的に観てしまいます。

それほど素晴らしいということなのですが、この作品の素晴らしさの原因を知りたくなり、(このMV、誰が作ったんだろう?)と調べてみたところ、Will Sweeneyという方がコンセプトデザインと原画を担当し、Steve Scottという方が監督されたようです。
さらにWill Sweeneyさんのイラスト作品を観てみると、このMVの映像のテイストのままでした。
つまりこのMVは、Birdy Nam NamのMVというより、Will SweeneyというイラストレーターとSteve Scottという監督の映像作品という位置づけと考えています。

Birdy Nam Namの楽曲を聴いてもMVのイメージは思い浮かびませんが、N.A.S.Aの楽曲を聴いたらMVのイメージが鮮明に思い浮かぶのは、楽曲と映像の関係性を象徴しているようですね。

さて、今回のSFアニメでストーリーがある傑作MVの2作品、いかがでしたでしょうか?
特にN.A.S.Aの「Gifted」は楽曲もMVもおススメですが、楽曲が収録されているアルバム「The Spirit of Apollo」もすばらしいので、ぜひ観て、聴いてみてください。

ではまた次回に。

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