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早く言ってよ!トミースパークスの高画質MVがあったなんて。じゃあハーフビーもないのかな?(オススメMV #115)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の115回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は「メチャクチャ低画質のMVしかないと思っていたが、実は高画質のMVがあったことに最近気が付いた」というオススメMVの紹介です。

この連載ではオススメのMVを毎回テーマを決めて紹介していますが、オススメだが紹介できないMVが多数存在します。
紹介しない理由は複数あるのですが、中でも2つの大きな要因があり、1つ目は「オフィシャルMVが存在しない」というもので、2つ目が「メチャクチャ低画質なのでさすがに紹介できない」というものです。

しかし、「オフィシャルMVがあるのに、メチャクチャ低画質なので紹介できない」というオススメMVの中で、たまたまYouTubeのレコメンドで観てみたら、「えっ、このMV、低画質しかないと思ってたのに、ちゃんと観れる画質じゃないか!」というオススメMVがあったのです。

それが今回紹介する「低画質のMVしかないと思っていたが、実は高画質のMVがあったことに最近気が付いた」というオススメMV。
トミー・スパークスの「She's Got Me Dancing」です。どうぞ!

ヘンテコというか、キワモノっぽい映像のMVですが、不思議な世界観にどっぷりとつかってしまいます。
ノリがいいもののチョット懐かしいような楽曲とのマッチングもよく、お気に入りのMVのひとつです。

トミー・スパークス(Tommy Sparks)はUKのアーティストで、2009年に自身の名を冠した1stアルバム「Tommy Sparks」でデビューしました。
そして、その1stアルバムに収録され、シングルカットされたのが、この「She's Got Me Dancing」で、トミーの最大のヒット曲となっています。
当時、iPod Touch(懐かしい!)のテレビコマーシャルにも採用されたことを皮切りに、多数のCMや番組で使われたようです。

ノリのいいエレクロトミュージックでありながらポップっぽくもあり、かつレトロな味もあるという、ありそうでなかなか存在しえない楽曲であり、感度の高いApple社の目に留まるのもうなずける出来です。
そして、MVもなかなか存在しえない内容で、いい意味で正統派ではないというか、上にも書きましたがヘンテコかつキワモノっぽい映像のオンパレードとなっています。
露出の高い衣装を着た女性のボディービルダーを前面に出し、ポッチャリ体系の中年男性の乳首から光線が出るなど、「Apple社が見たら激怒するんじゃないの?」というお下劣ぶりです。(ちなみに、出演している女性のボディービルダーはケイシー・カバノーとジェイン・トルツカというその筋では有名な方で、かつポッチャリの男性もパーマー・スコットという他のMVにも多数出ている方になります)
しかし、なぜかゲスっぽい感じがしないのが不思議なところで、その理由は絶妙なコミカル具合と、楽曲とのマッチングがいいからと思われますが、決して偶然ではなく、狙って作られたと想像されます。
というのも、このMVはエリック・ウェアハイムというコメディアンがディレクションしているのですが、コメディアンでありつつ自身でもバンドを結成されているため音楽との関りも深いことが、この素晴らしいMVを生んだ要因でもあるように思われます。

なお、この楽曲もMVも上に書いた通り2009年にリリースされていますが、当時の楽曲やMVとは全く違う雰囲気というかテイストになっています。
例えば、同年にリリースされ翌年のMVA(MTV Video Music Awards)を受賞したレディ・ガガの「Bad Romance」と比べると、トミーのこの「She's Got Me Dancing」は(誤解を恐れずに言うと)古臭いというか1990年代っぽいように思うのです。
そして、それがこの「She's Got Me Dancing」の楽曲およびMVの良さというか持ち味と思うのですが、皆さんはどう思われるでしょうか?

さて、話は変わって、この「She's Got Me Dancing」のMVですが、私が元々観ていたのは、日本での配給レーベルであるユニバーサル・ミュージック・ジャパンの公式YouTubeチャンネルで配信されていたMVでした。
それが公式チャンネルで公開しているとは思えない程メチャクチャ画質が悪いMVで、このMVを観るときはケーブルテレビで放映されていたものを録画した高画質のMVを観ていました。

ちなみに、その低画質のMVがコチラです。

メチャクチャ画質が悪くて、これでは観る気がしないですよね。

そして、最初に紹介したMVは、本国UKでの配給レーベルである「Island Records」の公式YouTubeチャンネルで配信されているものです。
今YouTubeで「Tommy Sparks」を検索すると、最初のMVがトップに表示されるのですが、なぜか低画質版のMVを最初に見つけてしまい、以後「このMVしかYouTubeで配信されていない」という先入観のまま今まで過ごしていたのです...

1つのMVに対して、複数の配信が存在することは多々あるため、それを意識して探すようにしているのですが、YouTubeでMVを見るようになった比較的初期の段階で見つけたMVであったため、見逃していたようです。
反省ですね。

なお、素晴らしい楽曲でありMVを世に送り出したトミー・スパークスですが、残念ながら1stアルバムというか、この「She's Got Me Dancing」のヒットを最後にはソロアーティストとしての活動をされていません。(他のバンドで演奏しているようです)
しかし、大勢いるアーティストの中で、1曲でもヒットを飛ばし、かつ人々の記憶に残す活動ができただけでも、素晴らしいことです。

さて、1つのMVだけで終わるのもなんですので、「ヘンテコMV」かつ「低画質MV」つながりでもう1つMVを紹介しましょう。
ハーフビーの「MAD SURFIN'」です。どうぞ!

もう何でもアリのごった煮のようなMVですが、リズミカルな楽曲のとマッチングが最高で、何度観ても飽きずに最後まであっという間に終わってしまうのは、優れたMVである証(あかし)です。

ハーフビー(HALFBY)は、高橋孝博という方のソロプロジェクトで、2002年から活動を開始され、今まで8枚のアルバムをリリースされています。
この「MAD SURFIN'」は、2010年リリースの4thアルバム「THE ISLAND OF CURIOSITY」に収録されていますが、シングルカットはされておらず、シングルカットされたのは別の楽曲にはMVはなく、なぜこの「MAD SURFIN'」だけMVが制作されたのかは謎です。
しかし、この「MAD SURFIN'」をMV化したのは大正解で、シングルカットされた「Man On Fire」という楽曲では、ここまでトンガッたMVにはならなかっただろうと思われます。

なお、YouTubeにアップされている「MAD SURFIN'」の動画は2つあり、1つは上にある「SECOND ROYAL RECORDS」というアルバムのレコード会社のチャンネルで配信されているもので、もう1つは音楽配信メディアである「SPACE SHOWER TV」のチャンネルで配信されているもので、どちらもオフィシャルMVですが、両方とも画質が悪すぎます。
私がいつも観ているのはSPACE SHOWER TVで放送された高画質のMVの録画なのですが、つまりデータソースとしては高画質版も存在しているのは確かですので、ぜひYouTubeでも高画質版のMVを配信してもらいたいと切に願う次第です。(MV自体がいいだけに、ホントにもったいない!)

なお、ハーフビーには、アニメでオススメのMVがいくつかありますので、また別の機会に特集でも組めればと思っています。

今回は「MVの画質」という点にこだわった内容となりましたが、2つのMVとも「ヘンテコMV」という点も共通しています。
過去回でも「ヘンテコMV」を何回か特集していますので、ご興味あるかたはご覧ください。

ワケが分からないヘンテコMV(マーズ、キンブラ、セローン)
和洋のヘンテコMV対決(SAKEROCK、GymClassHeroes)
天久聖一が手掛けた電気グルーヴのMVは我々の既成概念をぶっ壊す!
ヘンテコだけど観てしまう。サンティゴールドとイーラの一騎打ち!

さて、今回は元々「メチャクチャ低画質のMVしかないと思っていたが、実は高画質のMVがあったことに最近気が付いたオススメMV」というテーマでしたが、結局「ヘンテコMV」の特集のようになってしまいました。
ヘンテコの方向性は違いますが、2つのMVともオススメのヘンテコMVですので、ぜひご賞味ください。

ではまた次回に。


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