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ダーティペアとコブラのオープニングアニメは、MVと言わずしてなんと言う!(オススメMV #105)

こんにちは、吉田です。
オススメMVを紹介する連載の105回目です。(連載のマガジンはこちら)

今回は番外編として、アニメのオープニングにもかかわらず、楽曲のMVとしても素晴らしい作品になっているオープニングアニメを紹介します。
といっても、私がアニメにはまっていたのはだいぶ昔の話ですので、1980年代と今から40年ほど前のアニメがターゲットとなります。
しかし、「イイものは時を経てもイイ!」という信念のもとお送りしますので、少し古いアニメのオープニングですがぜひご覧ください。

まず最初は、中原めいこの「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」。
オープニングアニメは「ダーティペア」となります。どうぞ!
(冒頭から1:37ぐらいまでがオープニングになります)

ノリのいい楽曲と疾走感のある映像とのマッチングの良さに加え、楽曲と映像の同期も素晴らしく、更には楽曲とアニメの世界観が同調しており、素晴らしいMVでありオープニングアニメとして仕上がっています。

この「ダーティペア」は1985年にテレビ放映されたアニメですが、原作となる小説「ダーティペア」シリーズは1980年に1作目の「ダーティペアの大冒険」が発行され、最新刊「ダーティペアの大跳躍」はなんと2018年に発行されているという長寿シリーズとなります。(と言っても、9作しか発行されていないので、スパンがメチャクチャ長いです...)

そして、この「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」は中原めいこさんというアイドルが歌う楽曲です。
しかし、中原めいこさんはアイドルと言いながらも作詞作曲もされるいわばシンガーソングライターで、この「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」も中原めいこさんの作詞作曲となっています。
日本ではアイドルは歌うだけで楽曲は別の方が作られることが多いのですが、中原めいこさんは珍しいパターンですね。

中原めいこさんは、1982年にご自身が作詞作曲された「今夜だけDANCE・DANCE・DANCE」でデビューし、1984年にリリースした6thシングル「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」がオリコン8位のビックヒットとなりスターダムに上がりました。
そして、1985年にリリースした9thシングルが、この「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」となります。
ヒットした「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」はカネボウのCMとタイアップして作られたのですが、この「ロ・ロ・ロ・ロシアン・ルーレット」もアニメ「ダーティペア」のオープニングソングとしてタイアップで制作されました。

私自身、最初から中原めいこさんのファンではなく、「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」のヒットで認知していた程度でした。
では、なぜ「ダーティペア」のオープニングアニメを知っているかというと、もともと「ダーティペア」の原作小説のファンであり、そのつながりでアニメ版の「ダーティペア」を観てそのオープニングアニメで中原めいこさんに出会い、中原めいこさんのファンになった...という経緯です。

ちなみに、小説「ダーティペア」は、高千穂遥(たかちほはるか)という作家が書かれたのですが、前作である「クラッシャージョウ」からファンになり、続けて開始した「ダーティペア」もお気に入りの作品となりました。(というか、「クラッシャージョウ」よりも「ダーティペア」のほうがメチャクチャお気に入りです)

普通、小説をアニメ化すると違和感があったりするのですが、この「ダーティペア」ではアニメ版の違和感がほとんどありません。
なぜかというと、小説版の表紙などのイラストを「機動戦士ガンダム」で有名な安彦良和さんが描かれており、アニメ版も安彦良和のイラストをベースにキャラクターデザインがされているため、違和感なくアニメにも入り込めたのではないかと考えています。
また、メインキャストのふたり(ケイとユリ)の声優さんの声がキャラクターとマッチしているのも違和感がない要因のひとつとなっています。

この「ダーティペア」のオープニングアニメでファンになった中原めいこさんですが、1988年にもオープニングアニメの楽曲を制作されており、これまた素晴らしい楽曲でありオープニングアニメです。
それは「鏡の中のアクトレス」という楽曲で、提供しているのは「きまぐれオレンジ☆ロード」というアニメなのですが、このオープニングアニメもメチャクチャ素晴らしいMVとなっています。
皆さんにもご覧いただきたいのですが、残念ながらオフィシャル動画としては公開されておらず、本当に残念です...

ちなみに、アニメ「きまぐれオレンジ☆ロード」では、オープニングアニメだけではなく、エンディングでも素晴らしいアニメーションがあります。
それは、和田加奈子さんが歌う「悲しいハートは燃えている」が使われているエンディングアニメで、砂絵をアニメーションで表現しているメチャクチャおしゃれな映像なのですが、これまたオフィシャルに公開されている動画がなく皆さんに紹介できないのが残念でなりません。
なお、和田加奈子さんもそのエンディングアニメでファンになり、今でもちょくちょく聴いたりします。(以前は配信サービスでは聴けなかったのですが、今はSpotifyにもありますのでぜひ聴いてみてください)

脱線しついでにもう1つ。
今回、「ダーティペア」のオープニングアニメを何度も見返していたのですが、なんとあの細野不二彦さんがユニフォームデザインをされているとクレジットに表示されており驚きました。
細野不二彦さんの「サスガの猿飛」や「どっきりドクター」は今も我が家の書庫に昔の単行本の漫画が眠っているほど大好きな漫画家のひとりで、その細野不二彦さんと「ダーティペア」がつながっているというのは、なぜかうれしくなってしまいます。
まあ、高千穂遥さんの「クラッシャージョウ」の漫画版を描かれたのは細野不二彦さんですし、高千穂遥さんが立ち上げられた「スタジオぬえ」のメンバーでもあったので、そのつながりを考えると不思議ではないのですが。

メチャクチャ余談が長くなったので、そろそろ話を戻しましょう。

MVとしても素晴らしいオープニングアニメの2つ目はコチラ。
アニメ「スペースコブラ」のオープニングで、歌うのは前野曜子さんです。
(冒頭から1:19ぐらいまでがオープニングになります)

渋い、シブすぎる!そしてカッコよすぎる!
アニメのオープニングとしてはあり得ないオトナの世界がここにあります。
この楽曲そしてこの歌声あってこそ成しうる世界感ですね。脱帽です。

この「スペースコブラ」は1982年にテレビ放映されたアニメですが、原作となるマンガの「コブラ」は1978年から週刊少年ジャンプで連載開始し、なんと現在でもWebコミックとして連載されているというから驚きです。
と書きましたが、私が愛読していたのはジャンプに連載していた1984年頃までで、そのあとは実は読んでいないというのが正直なところです。

しかし、ジャンプでコブラを愛読していた当時の私は、アニメ化されることを知り大いにがっかりしました。
マンガではコマとコマの間を読者が想像して埋めることでマンガと読者の間で独自の世界を構築し、声についても読者は登場人物の声を勝手にイメージして独自のキャラクターを設定します。
その状態でアニメを見るとギャップが生じる(=ガッカリする)可能性が高いので、大好きなマンガがアニメ化されることについては個人的にはあまり好ましく思っていなかったのです。

しかし!アニメ版のコブラ(スペースコブラ)を最初に見たとき、このオープニングだけで「このコブラはOKだ!」と確信したのです。
それぐらいこのオープニングはコブラの世界観を崩すことなく、コブラの良さをそのまま際立たせています。
その理由は、前野曜子さんの歌う主題歌も大きな要因となっています。

前野曜子さんとの出会いは、実はこのアニメ「スペースコブラ」ではなく、映画「蘇える金狼」です。
私は、原作となる小説「蘇える金狼」の作者である大藪春彦さんのファンでほとんどの作品を愛読しているのですが、その中でも「蘇える金狼」はお気に入りの作品のひとつです。
そして、マンガの映画化と同様、大好きな小説が映画化されることにはあまり好ましいと思っていないのですが、『念のため見ておこう』と思って映画版の「蘇える金狼」を観たところ、(ちょっとチャラいものの)独自の世界観を持つ映画版に衝撃を受け、お気に入りの映画となったのです。
そして、映画「蘇える金狼」を違和感なく受け入れることができた要因の中のひとつが、前野曜子さんの歌う「蘇える金狼のテーマ」の存在なのです。
ちなみに、映画版の「野獣死すべし」も大好きな作品で、両作を監督した村川透さんと大藪春彦さんの原作、そして松田優作さんの組み合わせが、この素晴らしい映画を生み出したのではないかと思っています。

なお、YouTubeの「KADOKAWA映画公式チャンネル」で、蘇える金狼の予告編がアップされていますが、その予告編のなかで前野曜子さんが歌う「蘇える金狼のテーマ」を聴くことができます。
残念ながら映像の中で男女の絡みがあるため年齢制限が設けられており、サムネイル付きでリンクを貼ることができませんが、一見というか一聴の価値があるため、ぜひ以下のリンクから予告編をご覧ください!
前野曜子さんのテーマ曲は必聴!⇒『蘇える金狼』予告編

「コブラ」の話からだいぶ逸れてしまったので、ちょっと「コブラ」ネタで話をもとに戻しましょう。
全く本題とは関係ないのですが、マンガの「コブラ」の中で「反加速装置」なるものが出てきます。
『加速の反対だから、減速させる装置?』と思いきや、全く違います。
コブラの乗るタートル号が敵の船に後ろから攻撃されているときのこと、コブラが「反加速装置」を作動させると瞬間的に(減速なしに)タートル号が空中で停止し、敵の船がタートル号を追い越したところで装置をOFFにすると元のスピードで動き出す...という、メチャクチャな装置です。
しかし、当時私はそのネーミングの妙に痛く感動し、更にマンガ版の「コブラ」の深みにはまっていった記憶があります。

と、ここまで書きましたが、本当に皆さんに紹介したい「アニメのオープニングにもかかわらず、楽曲のMVとしても素晴らしい作品になっているオープニングアニメ」は別にあります。
それは、以前本連載で紹介した「NARUTO -ナルト- 疾風伝」の初代オープニング&エンディングアニメで、nobodyknows+の「Hero's Come Back!!」とHOME MADE 家族の「流れ星 〜Shooting Star〜」のMVとしても十分通用する、いや名作MVといえる作品となっています。
本当は皆さんにそのMV(というかオープニング&エンディングアニメ)をご覧いただきたいのですが、オフィシャル動画がどこにもアップされておらず、紹介できないのが残念でなりません。
(本連載でチラッと紹介した回はコチラ⇒「祝!連載100回。となると、やっぱりnobodyknows+しかないだろ!」

ちなみに、そのオープニングアニメもエンディングアニメも、都留稔幸(つるとしゆき)さんという方が作画も演出もされており、他の「NARUTO -ナルト-」および「NARUTO -ナルト- 疾風伝」のオープニングとエンディングアニメの多くを作画演出されています。
どの作品も素晴らしく、私としては都留稔幸さんにアニメ作品のオープニングとエンディングではなく、純粋に楽曲のMVをアニメで制作いただきたいと切望するところです。
更に言えば、「都留稔幸さんが実写版のMVを作ったら、どんな映像のMVになるんだろう!」と、アニメではなく実写のMVを作っていただきたいとも思っています。(メチャクチャなお願いですが...)

今回は「アニメのオープニングにもかかわらず、楽曲のMVとしても素晴らしい作品になっているオープニングアニメ」として2つの作品を紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ついついテンションが上がってしまい、オープニングアニメだけでなくアニメそのものや、小説そして映画の話まで脱線してしまいましたが、番外編ということでお許しを。

ではまた次回に。

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