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東京の休日 154 〜【迎賓館赤坂離宮】日本の匠の技の詰まったエレガントな「国宝」へ〜

「迎賓館赤坂離宮
(げいひんかんあかさかりきゅう)」


大統領や首相など
各国の要人をお迎えする
こちらの場所は

一般にも公開されているのです。


「本館」、「主庭」、
「和風別館
(要予約)
見学することができましたので

ご紹介させていただきます。

さらには、見学後のお愉しみも...♡




館内の様子を
ご説明する前に

簡単にその歴史を
ふりかえってまいります。


江戸時代、
この場所にあったのは
「紀州徳川家」の中屋敷でした。

明治時代に入ってからは
「皇室」にその土地が献上されます。

現在の本館は
明治42年に
東宮御所として建てられたもの。


さらに時を経て戦後は
「国」のものとなります。

昭和49年に
現在もその役割の
迎賓館に。



平成21年には
本館、正門、噴水などが
国宝に指定。

明治以降の建物として
初めての国宝指定だそうです。



「徳川家」、「皇室」、「国」
と受け継がれてきた
「赤坂離宮」。

ここで織り成された
ドラマも数々あるのだろうなと
想像いたします。




それでは、さまざまな物語の
想像を存分にかき立てられた

「本館」「主庭」「和風別館」
さっそくご紹介してまいります。





まずは、「本館」から。

・正面玄関・大ホール

白地に黄金の差し色が
眩しいなんとも贅沢な空間です。


市松模様の大理石の床に
真紅の絨毯がひかれた正面玄関も
素敵ですよね。




続いては

・朝日の間

最も格式の高い
こちらのお部屋。

国賓の方々が
天皇皇后両陛下と
お別れの挨拶をする場所だそう。

天井の
朝日を背にした
女神の絵画は

ずっと眺めていたいほどに
麗しいものでした。





・花鳥(かちょう)の間


晩餐会が催される
こちらのお部屋。


一歩足を踏み入れると
和と洋の美しき
調和に包まれるのです。

16世紀後半に
フランスで流行した
アンリ二世様式をベースとし

日本の匠の技で
彩られております。


たとえば、
「花鳥」が題材の
30枚の七宝焼(しっぽうやき)。


下絵は
明治大正期を代表する日本画家
渡辺省亭(わたなべせいてい)が描き

濤川 惣助(なみかわ そうすけ)が
完成させたのです。

この七宝焼を始め
細部までじっくりと
見入ってしまうお部屋でした。


ちなみに、渡辺省亭の下絵。


先日まで開催されていた
『東京国立博物館創立150年記念
特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」』

に展示されておりました。
ご覧になった方も多いのではないでしょうか。



・羽衣の間

招待客に食前酒が振る舞われたり
演奏会が行われたりするという
こちらのお部屋。

華やかで愛らしい
装飾のほどこされた
エラール社のピアノが
置かれておりました。


その音色が響き渡る様子を
想像するだけでも

このお部屋がいっそう
天空のお城のように感じられます。





「主庭」

本館の南側に広がる
庭園の中心には

噴水が。

シャチ、亀、
ギリシャ神話に登場する
鷲の上半身にライオンの下半身をもつ
「グリフォン」がこれを囲みます。

(訪れた日は、清掃の期間にあたり
近くで拝見することはできませんでした。)





「和風別館」

(事前予約はこちらから行えます。→
 https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/visit/visit_area2/


日本庭園を抜けると
あらわれる和風別館「遊心亭」。

主和室即席料理室お茶室からなります。


「主和室」は、47畳の広さ。

外国からのお客さまを
和食でおもてなしする場だそうです。

掘りごたつ式となっている上、
テーブルは床に収納できる
とても現代的な和室。


こちらからは
庭園が美しくみられるように
設計されているのです。


紅白の梅の木が麗かに並ぶ
手前にはお池。

インドのモディ首相と
岸田首相はこちらでご一緒に
鯉の餌やりをされたそうです。

お写真が飾られておりました。



そして、もっとも感動したのが
水面の「ゆらぎ」が
天井に映ること。

この自然を敬愛し、刹那に美しさを見出す
日本人の美意識には
心底うっとりさせられました。




「主和室」から
今度は「即席料理室」へ。

古民家の中に
カウンター席の並ぶ

粋な小料理屋さん
といった雰囲気でしょうか。

ひときわほっとする
空間となっておりました。

それでも匠の技は
こちらにも詰まっていて。

たとえば、天井。
すっと長い竹が使われているのですが

これを隙間なく配置するのは
かなりの技術が必要なのだそうです。


こちらでは
天ぷらやお寿司での
おもてなしがされます。



最後は、「お茶室」

広い和室を想像していたのですが

畳とカーペットが
半分ずつの空間となっておりました。


外国からのお客さまが愉しめるよう

お茶を点てる場所が「舞台」に

その周りをカーペットと椅子のある空間が
囲むようになっていたのです。




こちらの「和風別館」は
ガイドさんにご一緒いただけますので

丁寧な解説を聞くことができます。




また、本館にも
和風別館にも

美術館に展示をされるような
焼き物もケースに入っていない状態で

鑑賞できることも大変おすすめな
ポイントでした。





ここで、見学は終了。

なんと一万歩も歩いておりました。






ということで、最後のお愉しみは前庭での

「アフタヌーンティー」


迎賓館の麗しい建物を
眺めながらこれを堪能できるのです。


事前予約制のこちらですが
キャンセルがあったために

幸運にも当日に予約ができました。

(見学される前に、
ぜひ伺ってみてくださいね。)


一番美味しかったのは
クロワッサンのサンドイッチ。


お紅茶も選べるのは
一種類ですが

差し湯をしてくださるの
たっぷりいただくことができました。


お店の方々もとても親切で
また伺いたくなってしまいます。

(ちなみに、アフタヌーンティーを
いただけるこちらの前庭。
自由に座ることのできる
休憩スペースとなっています。

そのため当日、
自分でお席を確保する形となります。)







今回は

「迎賓館赤坂離宮
(げいひんかんあかさかりきゅう)」


ご紹介いたしました。



見学、とてもおすすめなのですが
一つだけ、お伝えしないといけないことが。

現在、正門の工事をしております。
一部は2023年2月〜3月まで
すべてが終わるのは2023年12月までのようです。


美しい正門が見られるのは
再来年ということになります。



それでも素晴らしい
館内や庭園は引き続き見学できますので
ぜひ足を運んでみてくださいね。

12月24日(土)25日(日)の二日間限定で
公開時間を20時まで延長した
本館のライトアップも行なわれるそうです。


わたくしは梅の美しい頃、
また和風別館を訪れてみようと
秘かに思っております。

見頃は例年2月の中旬頃だとか。

(館内のお写真は、
迎賓館赤坂離宮の公式Instagramアカウント及び
配布されている冊子のものを使わせていただきました。)

写真・文=Mana(まな)

迎賓館赤坂離宮
(げいひんかんあかさかりきゅう)

公開時間:10:00~17:00(本館最終受付16:00、庭園最終受付16:30)
公開日程:こちらをご参照ください。 https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/visit/visit_calendar/

和風別館ガイドツアー詳細はこちらから。 https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/visit/visit_area2/
アフタヌーンティーの詳細はこちらから。
https://npoparkcafe.jp/afternoontea-info/

https://www.geihinkan.go.jp/akasaka/

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