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0015 《ひと夏の.》

 恋なのかもしれない。

 2019年の夏。アメリカ西海岸にある、サンタモニカへやってきた。真夏でも25℃くらいの日が多くて、海を眺めながらお散歩するだけでも気持ちのいい街だ。すぐ近くのロサンゼルス中心地は、東京と同じくらいの暑さだったりするから、夏を過ごすのにほんとうに最高の場所。それでいて、陽射しは夏そのもので、ビーチも綺麗で、道沿いの椰子の木がバカンスにふさわしい景色をつくってくれている。気候と同じように人々も大らかで、一生懸命に生きている人たちが放つ明るさを皆が持っているのだ。

 2ヶ月半はあっという間だった。今もあの街を想い出すと胸がキュッとなる。広い空も、眩しい太陽も、青い海も、底抜けに明るい人々も、全部好きになった。

 今すぐにでもあの小さな街の空気に抱かれたいと想う。叶うなら、そのままずっとその中に留まっていたい。大勢の涼み客の一人だったなんて、思ってほしくないのだ。

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