【新刊】「豊かな日本」は、こう作れ! 2023/9/25 泉房穂, 藤井聡 (著)

「豊かな日本」は、こう作れ! は、元明石市長 泉房穂 氏と、京大教授 藤井聡 氏の対談本です。

動画もあがってました。

今までの活動の総括のような内容でしたので、私のようなお二人ファンにとっては物足りないかもしれませんが、初めて知ることもありました。

それは「タコマネー」についてで、泉さんが明石市長時代に作ろうとした明石だけで使える貨幣です。まずは、市役所職員のボーナスを1割増しにし、増やした分をタコマネーで支払う事から始めようとしたのですが、理解できる人がいなくて実現しませんでした。
私も同じことを考えていた(というか苫米地博士の理論、下記リンク)のですが、まさか実際にやろうとした人がいるとは思ってもいませんでした。
藤井さんは、そのときに相談してくれていたら具体的な方法、例えば納税に使えるようにする、など考えられたのに、、と残念そう。
明石市では実現までたどり着きませんでしたが、お二人がアイディアを共有できたので、今後、どこかで是非実現して欲しいです。

以下、私が知りたいと思っていた、泉さんが行った「市役所職員の意識改革も図り、言葉どおり市民のほうを向いて仕事をする体質に変えていった」事との纏めです。

①「職員は市民のためにちゃんと汗をかくのが誇りやろ。それがわしら、税金で食わせてもろとる人間のやることや。市民から『ありがとう』とも言ってもらえるやないか」と何度も話しました。・・・分かるまで、何度も話す・伝える。理解・納得を得る。

②明石市はただ自分のところだけが潤っているのではなくて、「日本国民のための適材適所の役割分担を、チームジャパンのメンバーとして担っている」・・・抽象度の高い、日本の中での市の役割、という視点。

③「なんであかんねん。市民のためやないか。ええに決まっとるじゃないか」と思って、羽交い絞めを振りほどいてバンバンやっていたら、組織も変わっていって、「あれ、国から怒られへん」というようになりました・・・明確な方針(=市民のため)と、実行して見せる

④人事マネジメントの適材適所について:判断は各部署の長が責任を持ち、そのうえで、忙しい分野で人が足りなかったら、固有名詞までは出さずに「あの部署が忙しいから、誰が応援に行ってやれ」と言いました・・・人事においても、すぐ判断し実行すればいいという事でしょう。非常にシンプルなので、やろうと思えばどの組織でもできますね。

⑤市長のすることは、「方針を決める」「方針に沿った予算をつける」「方針を実行する人をあてがう」・・・マネジメントにも当てはまるフレームワークだと思います。

市役所だけでなく、固定観念に縛られた組織というのは、日本中どこにでもあると思います。その組織・風土を変えるヒントというか答えが、泉さんが実行してきた事なのだと思いました。

参考
泉房穂さんについての別記事

対談で触れていた、映画「君たちはまだ長いトンネルの中」について


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