【新刊】日本が滅びる前に 明石モデルがひらく国家の未来 - 泉房穂:著 (2023年9月15日発売) 感想

元明石市長、戦う(元)政治家 泉房穂氏の新刊です。

明石市長時代の政策のまとめのような本なので、最新の泉さんの同行とかはあまり書かれていませんが、私が県知事になったら、総理大臣だったら、といった見どころも入っています。現在は、「弁護士」兼「社会福祉士」として活動しているそうです。

「税金は年貢ではなく、市民からの大切な預かりものなので、いかに有効に使うか、税金で雇われている者が付加価値をつけて市民に戻すのが行政の仕事」という泉さんの信念は素晴らしいです。全政治家、公務員はこの考えを持って欲しい。
私が認識する本来の税金のあり方は、我々国民が一人では実現できないことを、お金を政府等に預けて実行してもらう、という事です。例えば、個人一人ひとりが警備員を雇うのは大変なので、警察がいる、消防がいる、または、集団で教育をする、医療を受けるなどなど、国民が少しずつ(5割近いので少しじゃないですが)お金を出し合い、国に実施してもらう。投資と考えると分かり易いかもしれません。
ところが、日本は政策に失敗して不況になっているにも拘わらず税金を上げるなんて、責任感が無いにも程がある。経営失敗でクビだろうが。

しかしながら、民間企業で働いた事の無い政治家や公務員にコスト感を求めるのは難しいでしょう。売上を上げ、売上の範囲内でコストを抑え、差額が利益となるという環境にいないと、それが当たり前と認識できない。民間企業でも、管理部門などににコスト意識を持たせるのは難しいのではないでしょうか。泉さんも、コスト意識があるのは市長(泉氏)だけと書いています。
明石市では、泉さんが強いリーダーシップで今までと違ったやり方を取り入れ、人口増加や税収アップなどの実績につながった事で、職員たちが自身を持って仕事に取り組むようになったそうです。この辺をうまく仕組み化する事が、日本が良くなる鍵かと思います。

泉さんは「トップがやる気になればできる。できないのはトップのやる気がないから」とよく記します。私は、泉さんが考える「やる気」と、他の人の「やる気」の認識が全然違うのだと思います。具体的には、泉さんは市民を向いた政治を信念としていますが、自分の為に政治をしている人は、その達成のために「やる気」を出すでしょう。
私は、泉さんのファンですが、泉さんの政策すべてを肯定できるわけではありません。それでも泉さんを信頼できるのは、泉さんが市民を向いて政治をしてきたことが分かるからです。国民を向いて政治を行う人だけが政治家になって欲しい。そんな信念(と能力)を持った政治家が当選する、メディアがネガティブキャンペーンを行っても、世論は騙されずに政治家を支える、応援するというという、誰かに頼るのでは無く、ひとりひとりが成長することで日本を豊かにし、世界の平和を実現しましょう。


補足
「こうやったら勝てる」「こうやったら目的を達成できる」と確信してから動く、は孫子の兵法ですね。

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