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矢違アキラ二歳になりました

舞鶴の情報誌【President舞鶴】さんの二月号で、ひとつコラムを書かせていただいた



【ふるさと】という題名……
正直な話をすると、ぼくは地元舞鶴に子供時代、良い思い出がひとつも無い。ひじょうに鬱屈とした十年ちょっとの時間を耐え忍ぶようにして生きてきた。やりたい事と、志を同じくする人間たちが集う場所へ夢を追いかけ、舞鶴を出て行ったことに、これらのことは少なからず影響している

母は「あいつは舞鶴を出て良かった。ようやく活き活きと生きることができ始めた」などと言っていたらしい。親戚の姉貴にも「おまえは世界観が独特過ぎて、生きにくかったろうね」なんて声をかけられる始末である

神戸、東京と夢を追いかけて、たまに里帰りをすれば「20代半ばの良い大人になってまだそんなことをしているのか」なんて批判もしばしば。とうとう心身ともに壊して、八年ほどまえに帰郷した。英雄の凱旋とはならなかった

また、いろんな人に馬鹿にされる
変にマウントを取られて嫌味を言われる

そんな敗北感を我が身一つに背負って、ぼくは手ぶらで夜行バスから降りたわけだ

後ろ指さされたらガッツポーズ
前に進む者だけが、後ろから指をさされる
そんな座右の銘みたいな言葉も、この時ばかりは何の役にも立たなかったなぁ……

批評される側に居続けろ
というのも、この時は効力をなくしていた

とまあ、そんな地元舞鶴であったが
十年もさらに生きれば、人生の地点がすすんでゆくのも当然のことだったろうか

一年ほど療養しながら、それでも作品を書き続け、子供のころに遊んだり歩いたりした場所を巡ってみた……という感じのコラム
さきに話した暗い部分は割愛してあるけれど

まあ不思議なもので
舞鶴を舞台にした幻想文学の短編にしぼって書き始めたのが四年前。ほどなくして、現在お世話になっている御仁のお目に留まり、作品を舞台にのせていただいたのが、ちょうど二年前の本日2月19日である

2022年2月19日
賢プロダクション精鋭による朗読劇
矢違アキラ幻想の世界

これを作家としてのデビュー
矢違アキラの誕生日としている
はい、実は今日が二歳の誕生日なんです


紆余曲折いろいろあったが
なんやかんや、舞鶴の土地自体は好きだ
そんなお話……十年経って、よその土地へ出て暮らし、ようやく舞鶴が好きになった……

しかしまあ、ぼくの作品を舞鶴市よりも早くに岐阜県の飛騨市さんが使ってくださっていて、その点においては知り合いにツッコミを入れられたのであるが……お仕事待ってますとしか言えないのが悲しいところ

飛騨市とそこの職員さん方には本当に良くしていただいているので、呼ばれれば日帰りですっ飛んで行って作品書くなりイベント参加するなり、という所存である。生きる楽しみである

イラストは前回に引き続き【Mame8】さん
ぼくの作品をすごくリスペクトしてくれて、いつもいつもありがとうございます

ちなみに今回のコラムの人物
木津六科(きつ むじな)さんといって、ぼくの短編に何度か出てくる。言葉のなまりが特徴的な、面倒見の良いアネさんである

「上手いこと人に化けとるようやけど、
 帽子かぶっとるようじゃまだまだやなぁ
 ウチがやってみせたろか?」

みたいな、詳しくは語らないが
うん、そういうこっちゃ


そうそう
それから、ここの記事を読んでくださっているかは分からないけれど、いつもあたたかな応援メッセージを送ってくれたり、本を買ってくれたり、ぼく自身や、ぼくの作品と向き合ってくれる皆さんには本当に感謝しております

重ね重ねお礼申し上げます
ありがとうございます

ではでは
また、なんか書きます

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