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ご馳走

何百年と続く老舗の会長の方とお話しする機会をいただきました。
痩せ型で、目は鋭く、頭の回転が速く、会話では気遣ってくださり、笑わせてくださる。
「僕はね、おかげさまで毎日、ご馳走をいただいているんですよ」
と、微笑む。
その会長に食事を招待していただき、
会長のいう、ご馳走をご馳走していただきました。

白米と、お漬物3種と具のない味噌汁。
新鮮なお漬物で野菜のシャリシャリ感がたまらない、
味噌汁は、出汁がよく出ていて、美味しい。
白米も少々軟飯で、美味しい。

食事をしながら
会長は1日何食、体に入れられますか?
時間は規則的ですか?
どのようなもが好みですか?
気を使って入れられるものはございますか?
お味噌汁のお味噌はどこのですか?

と、食事しながら
色々伺いたいことがたくさんあって
矢継ぎ早に質問を重ね、
「全部、いただいてから、1つ1つ伺いましょう」
と、言ってくださいました。

食事が終わって、お話しする時間をとってくださり、
「食事に招いても、不満そうな人もいるし、馬鹿にしてるのか!と怒り出す人もいるんだよ」とのこと。

確かに、
「毎日ご馳走をいただいているんだよ。一緒にどうですか?」
と言われると、
人それぞれ、ご馳走に対するイメージがおありですから。
でも、会長を見ると
痩せ型で多分、食は細いか?摂らないか?摂れないのか?である。
そんな会長にとっては、食事を入れるだけで「ご馳走」なのでしょう。

食事はシンプルですが
1つ1つこだわりがあり、とても丁寧に作られていましたし、
味もすごくおいしかったです。
わたしが家で体に入れる、ご飯や味噌汁とは明らかに違うもので、
ご馳走でした。
という感想を伝えると、
「あなたはすごい感性の持ち主ですね」と言ってくださいました。

ゆっくりゆっくり時間をかけて、食事を体に入れられるのを見て、
今日はわたしのために、この時間を作ってくださったのだなぁ。
と、思うと感謝の気持ちしかなかったです。

「どうですか?静岡は慣れましたか?」

と聞いてくださり、
自転車に乗っていても、車の移動中も富士山が見えるので
毎日が観光です。と答えると

「面白い、解釈ですね」と大きい声で笑っておられました。

最後に
「体には気をつけなさい。体に入れるものは厳選しなさい」
とお言葉をいただいた。

体に入れるもの
食事、目に入るもの(環境)耳にするもの(音、言葉)
接するもの(考え、感情)ですね。

自分に入れるものは厳選していこう。

師がいつも言われていた
「その向こう側」
を理解できた時間でした。



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