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【P&G就活対策】「内定者のES徹底解剖編」 企業分析を活かし、面接を意識するESを書く<事例と解説付き> | manabel 就活部

割引あり

<このページはこんな就活生に向けて書いてます>

・冬選考にエントリーする25卒生(ES対策)
※「冬選考」は 3days job があり、冬インターンとも言える
※冒頭は、面接対策編と同様です。ESについてのみ閲覧をご希望の方は、目次の「ES」をクリックしてください。


【お願い】
・「ONE CAREER」などに掲載されている情報から、昨年までは「冬選考」実施されていることが確認されています。
・米国のリセッションの影響など、採用に関しては「絶対」はありません。(実際にGAFAの一部は昨年の秋インターンから採用人数を絞っています)
よって、不安な方はご自身で最新の情報を収集していただくか、採用担当の方にお問い合わせください。

参考:https://www.onecareer.jp/companies/23/intern_summaries

●P&Gの事業内容・経営計画

・「事業内容や戦略」をチェックする

目的:企業の事業領域や市場シェア、競争優位性や成長戦略を理解する
● 
P&Gは消費財メーカーとして、次のような製品やサービスを提供している。

スキンケア、ヘアケア、カラーコスメティックス、パーソナルケア、ひげそり、ボディケア、電気シェーバー、歯磨き粉、歯ブラシ、マウスウォッシュ、栄養補助食品、医薬品、洗濯洗剤、柔軟剤、衣料用漂白剤、食器用洗剤、掃除用品、紙おむつ、生理用品、ティッシュペーパー、ペーパータオルなど

● P&Gは多くのブランドを持ち、世界的に有名なブランドが含まれる。

SK-II、パンテーン、ヘッド&ショルダーズ、オレイ、ジレット、ブラウン、ヴィーナス、コルゲート、オーラルB、クレスト、メタムシルなど

● P&Gは消費者のニーズに応えるために、デジタル技術やデータ分析を活用し、消費者との関係性を強化し、パーソナライズされたオファーやサービスを提供することで競争力を高めている。

● P&Gは社会問題に対する企業姿勢を表明し、持続可能性や社会的責任を重視することで信頼性を高めている。

・「中期経営計画」をチェックする

目的:企業のビジョンや目標、重点施策などを確認する
P&Gは2020年10月に2021年度から2023年度までの中期経営計画を発表した。その内容は次の通り。

ビジョン:「現在そして未来の生活を改善する、小さいけれど有意義な方法の価値を見つけること」
目標:売上高の有機的成長率を市場平均以上にすること、営業利益率の改善を続けること、自由キャッシュフロー生産性を90%以上にすること、配当を増やし続けること、株式買い戻しを行うこと
重点施策:消費者のニーズに応える優れた製品やサービスを提供すること、デジタル技術やデータ分析を活用して消費者との関係性を強化すること、持続可能性や社会的責任に取り組むこと、コストやキャッシュフローの効率化を図ること

● 一般消費財業界の概観

P&Gは「一般消費財」の業界に含まれます。競合他社の情報を含め、この業界の情報を知っておくことは、企業分析をする上で重要です。

< 業界のサイズ >

デロイト トーマツ グループのレポートによると、2020年の世界の消費財市場の規模は約4.5兆ドルで、2023年までに約5.1兆ドルに拡大すると予測されています。日本の消費財市場の規模は約1.2兆ドルで、世界第三位のシェアを占めています。

< 主要なプレイヤー >

消費財業界には、食品・飲料、ホームケア、パーソナルケア、衣料品などの多様なセクターが含まれます。各セクターにおける主要なプレイヤーとしては、以下のような企業が挙げられます。
- 食品・飲料:ネスレ、コカ・コーラ、ペプシコ、ユニリーバ、ダノンなど
- ホームケアユニリーバ、レキット・ベンキーザー、コルゲート・パーモリーブなど
- パーソナルケアロレアル、エスティローダー、ユニリーバなど
- 衣料品インディテックス(ZARA)、H&M、ナイキ、アディダスなど

< 成長のトレンドと予測 >

消費財業界は、近年の消費者の嗜好の変化やデジタル化などの流れを受けて、新たな事業発展のための取り組みを行うようになってきています。BCGのレポートによると、消費財業界における成長のトレンドと予測は以下のようになっています。

● 消費者は価値や体験を重視し、ブランドや製品に対する忠誠度が低下している。そのため、消費財企業は消費者との関係性を強化し、パーソナライズされたオファーやサービスを提供する必要がある。
デジタル技術やデータ分析は消費財企業にとって重要な競争力となっている。そのため、消費財企業はデジタルチャネルやプラットフォームを活用し、消費者と直接つながり、インサイトやフィードバックを得る必要がある。
● 持続可能性や社会的責任は消費者やステークホルダーから高い関心を集めている。そのため、消費財企業は環境や社会への影響を最小限に抑えるとともに、ポジティブな価値を創出する必要がある。

●IRの中で着目すべきポイント

就活においてIRの中で着目すべき理由は、
P&Gのビジョンや戦略、どのような価値創造をしているか理解するため
P&Gが直面する市場環境や競合状況にどう対応しているかを知るため
です。他の項目と重複する点もありますが、理解を深めるために熟読してください。

製品ポートフォリオ:P&Gは洗剤、紙おむつ、ヘアケア製品、化粧品、小型家電製品など、多様なカテゴリーで優れた製品を提供しています。その中で、どのカテゴリーが売上や利益の主力となっているか、またどのカテゴリーが成長機会を持っているかを把握することが重要です。また、各カテゴリーでP&Gが展開するブランドの特徴や競争力を理解することも必要です。IRでは、セグメント別の売上や利益の推移や内訳、ブランド別の市場シェアや成長率などの情報が公開されています。
イノベーション:P&Gは「イノベーションは私たちの命」という言葉を掲げており、常に新しい価値や体験を提供することに注力しています。そのために、研究開発に多額の投資を行っており、最先端の技術や知見を活用して製品開発を行っています。また、社内外のパートナーと協力してオープンイノベーションも推進しています。IRでは、研究開発費用や割合、新製品や改良製品の売上構成比や成長率、オープンイノベーションの事例などの情報が公開されています。
サステナビリティ:P&Gは「世界の人々のよりよい暮らしのために」という基本使命を掲げており、社会的・環境的な課題解決に取り組んでいます。そのために、製品ライフサイクル全体で環境負荷を低減することや、地域社会への貢献活動を行うことなどを目指しています。また、ジェンダー平等や多様性・包摂なども重視しています。IRでは、サステナビリティに関する目標や実績、取り組みや事例などの情報が公開されています。

●おさえておきたいP&Gのキーワード

# Connect + Develop(コネクト+デベロップ)

P&Gは「Innovation is our lifeblood」という言葉を掲げており、常に新しい価値や体験を提供することに注力しています。2000年代初頭に「Connect + Develop」というオープンイノベーション戦略を導入しP&Gは自社の研究開発部門だけでなく、世界中の企業、大学、個人などと積極的に協力し、新しいアイデアや技術を探求しています。

具体的には、イノベーションの課題に対して、世界中の発明家や起業家、大学からの解決策を募集するプログラムを展開しており、これまでに2,000件以上の提案が採用され、多くの製品や技術に取り入れられています。この取り組みにより、P&Gは多くのヒット商品を生み出してきました。

・スウィファー:P&Gは、日本の家庭用品メーカーであるニトムズと協力して、静電気でほこりを吸着する掃除用品を開発しました。この製品はスウィファーとして発売され、世界中で大成功を収めました。
・フェブリーズ:P&Gは、日本の化学メーカーである住友化学と協力して、消臭剤を開発しました。この製品はフェブリーズとして発売され、世界中で大成功を収めました。
・ミスタークリーンマジックイレイザー:P&Gは、ドイツの化学メーカーであるBASFと協力して、水だけで汚れを落とせるスポンジを開発しました。この製品はミスタークリーンマジックイレイザーとして発売され、世界中で大成功を収めました。

# P&Gベンチャーズ

P&Gが未来の成長分野と見込む領域で、スタートアップ企業と協業して新しいブランドやビジネスを創出するプログラムです。これまでに美容、健康、エイジングケアなどの分野で多くのパートナー企業と連携しています。

#サステナビリティ

P&Gは「2030年サステナビリティ目標」として、以下の5つの分野で具体的な目標を設定しています。
1.ブランド:消費者により良い選択肢を提供することで、社会的・環境的な影響を50%削減する
2.サプライチェーン:温室効果ガス排出量を50%削減し、100%再生可能な電力を使用する
3.社会:ジェンダー平等や多様性・包摂を推進し、地域社会への貢献活動を行う
4.従業員:全従業員がサステナビリティに関する教育を受ける
5.ステークホルダー:サプライヤーや小売業者などのパートナーと協力してサステナビリティを向上させる

<2022年度の実績>
「ファブリーズ」
100%再生可能な植物由来の原料を使用した製品を発売しました。
「オーラルB」
竹製の歯ブラシやリサイクル可能な電動歯ブラシのヘッドを発売しました。
「ヘッド&ショルダーズ」
海洋プラスチックを再利用したシャンプーボトルを発売しました。

#消費者中心主義

P&Gの特徴の一つは、消費者中心主義という企業戦略です。
Consumer is Boss」という理念のもと、消費者のニーズやインサイトに基づいて製品やサービスを開発し、マーケティングを行っています。そのために、A&Iという独自の職種を設けて消費者市場戦略を担当し、データ分析や調査を通じて消費者の声をビジネスに反映させています。

事例:中国で人気のせっけんブランド「セーフガード」では、現代の母親たちの子育てに対する考え方の変化に気づき、ブランドイメージや広告を刷新して業績を大きく伸ばしました。

【コラム】オープンイノベーションとは
自社だけでなく、他社や大学、研究機関などと協力して、新しいアイデアや技術を開発することです。オープンイノベーションは、自社の持つリソースや知識だけでは限界があると考え、外部のパートナーとの連携によって、より革新的な製品やサービスを生み出すことを目指します。(オープンイノベーションは、2003年にハーバード大学のチェスブロウ教授によって提唱された)
P&Gは、オープンイノベーションの先駆者として知られています。

●P&Gの特徴や強み【競合他社と比較】

特徴や強みについて、ライバルとの比較や具体的な事例やデータを用いて説明します。一部重複する内容もありますが「ライバルとの比較」が重要なポイントです。

< P&Gとライバルとの比較 >

ユニリーバはイギリス発祥の日用品・消費財メーカーであり、リプトンやDoveなど400以上のブランドを展開しています。ユニリーバの特徴はサステナビリティに力を入れていることです。ユニリーバは「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」というパーパスを掲げており、社会的・環境的な課題解決に取り組んでいます。
<事例>「ライフブイ」は手洗い教育プログラムを通じて、感染症予防に貢献しており、「オモ」は水洗い不要の洗剤を開発して、水資源保護に努めています。

日本ロレアルはフランス発祥の化粧品メーカーであり、ロレアルやメイベリンなど36以上のブランドを展開しています。日本ロレアルの特徴は化粧品に特化していることです。日本ロレアルは化粧品業界におけるグローバルリーダーであり、美容分野における専門性や革新性が高く評価されています。
<事例>「SK-II」は日本で発見された酵母由来の成分「ピテラ」を配合したスキンケアブランドであり、日本から世界へと広がりました。

P&Gは、世界中で約70のブランドを展開しており、そのうち25のブランドが年間売上高10億ドル以上のビリオンダラーブランドです。これは、競合他社のユニリーバジョンソン・エンド・ジョンソンと比べても圧倒的なブランド力を示しています。

●P&Gの選考テーマ

P&Gの選考テーマは、「ピークパフォーマンスファクター」と呼ばれる5つの能力です。それは、
「思考力」「問題解決力」「リーダーシップ」「イニシアティブ」「コラボレーション」です。
これらはP&Gで活躍するために必要な能力であり、選考プロセスではこれらを測定する様々な方法が用いられます。

●冬選考選考フロー(24卒のデータより予想)

P&Gは「選考直結型採用」を実施しています。
「Webテスト」→「ES提出」→「一次面接」→「二次面接」→「インターン参加」→「最終面接」

選考フロー(予定)
1.応募締切:12月5日(月)
2.参加者選考(オンラインテスト)受験締切:12月上旬
3.職種別説明会:1月上旬(参加必須)
4.サプリメンタルデータシート(レジュメ)提出: 1月中旬
5.面接:2月上旬以降
面接で逆質問が求められることもある。
(出所:https://www.onecareer.jp/companies/23/experiences/2024/79/752922
6.インターンシップ実施:3月(オンラインもしくは指定のオフィス、営業所、工場)
7.内定:4月

・P&Gで働くのに向いている人

  • チャレンジ精神がある

  • リーダーシップを持っている

  • 海外で働くことに抵抗がなく、多国籍な職場に対応できる

  • スペシャリストになりたい人

  • 自分の意見をしっかりと言える人

  • チームワークを好む人です。

・P&Gで働くのに向いていない人

  • 落ち着いた環境でゆっくりと仕事をしたい人

  • 英語が苦手な人

  • リーダーになるのが苦手な人

  • 受け身な人

  • 他人の意見を尊重しすぎる人

  • ゼネラリストになりたい人

●職種解説

P&Gでは、様々な職種のプロフェッショナルがいます。その中でも、「P&G マーケティング」「P&G F&A」「P&G Product Supply」「P&G Sales」の4つの職種についてご説明します。

・P&G マーケティングの特徴

P&Gのマーケティングは、消費者の心理や行動を深く理解し、ブランドのビジョンやストーリーを創造し、効果的なコミュニケーションを通じて消費者に伝えることで、ブランドの価値を高める仕事です。「Brand CEO」と呼ばれるほど、ブランドの経営に責任を持ち、マーケティングに強いと評価されています。近年「P&Gマフィア」としてメディアを賑わることもあります。「消費者に満足と驚きを提供し愛され続けるブランドづくり」と「持続的に売上と収益を伸ばす戦略策定」の両軸を担うことで、ブランドの経営をリードしています。

・P&G F&Aの特徴

P&GのF&A(経営企画・経営管理・ファイナンス) は、事業活動の収益を長期的に最大化する財務戦略を立案・推進し、ビジネス上の意思決定をサポートする仕事です。各部門の動きを俯瞰し、会社全体として利益を最大化するために、責任感を持って様々な人々と関わっていきます。入社1年目からプロ経営者として、ビジネスモデルの収益を最大化する仕事ができます。

・P&G Product Supplyの特徴

P&GのProduct Supplyは、原材料の調達から製品をお客様へお届けするまでのトータルサプライチェーンを戦略的に構築・運営・最適化することにより、会社の利益成長・売上伸張を最大化することを使命とするサプライチェーン・マネジメントのプロフェッショナルです。300に及ぶブランド製品群を180の国々で展開しており、それぞれの消費者がほしいと思う商品を具現化し、適切な価格・品質にて常に安定して供給し続けています。業界をリードするコンサルティング会社であるガートナー社からも高く評価されており、「サプライチェーン・マスター」として認定されています。

・P&G Salesの特徴

P&GのSales (営業統括) は、得意先に信頼されるNO.1メーカーになることを目指し、実店舗・オンライン全ての店頭で勝利することを目標とする仕事です。P&GのSalesは、店頭をメディアと捉え、深いショッパー行動理解に基づく協働ビジネスプランの提案力を持ちます。P&GのSalesは、巨大化する小売業の決定権に対して、Win-Win-Winを目指す営業方針で信頼を得ています。

以上が、P&Gの4つの職種についての解説です。P&Gでは、これらの職種に加えて、R&D(研究開発)、HR(人事)、IT(情報システム)、Legal(法務)など、多様な職種を募集しています。詳しくは採用ページで最新情報をご確認ください。

●内定者のESの分析と考察

24卒のインターンの内定者のESを使って解説したものであるESの設問の中から、次の質問をピックアップしました。

問1 あるグループに参加し、全体を率いて、必要なサポートを獲得し、卓越した結果を実現した実例を説明してください。
問2 あなたがプロジェクトの方向を変え、その結果、時間やコストが削減された例を 説明してください。
問3 あなたがプロジェクトの方向を変え、その結果、時間やコストが削減された例を 説明してください。

問1「あるグループに参加し、全体を率いて、必要なサポートを獲得し、卓越した結果を実現した実例を説明してください」

この問に対して評価されたESの共通点を提示します。チェックリストとしても活用できます。

<問1の回答の事例1>

  1. 課題の明確な認識:「◯◯大会のための◯◯を開発し、◯◯することを目指しました。」

  2. 主体的な行動:「私は◯◯として、メンバーのスキルを最大限に活かすための役割分担を行い、明確な目標設定と進捗報告を重視しました。また、他のチームや教員、業界の専門家との連携を通じて必要なサポートを獲得し、ロボットの設計と製作の戦略を改善していきました。」

  3. 具体的な成果:「結果として、私たちの努力と協力が実を結び、優れた性能を持つ◯◯を開発し、◯◯大会で◯◯することができました。」

  4. 効率化・最適化の取り組み:「ロボットの設計と製作の戦略を改善していきました。」

  5. チームや関係者との協力:「他のチームや教員、業界の専門家との連携を通じて必要なサポートを獲得しました。」

  6. 革新的なアイディアや手法の導入:「ロボットの設計と製作の戦略を改善していきました。」

  7. 学びと成長:「この経験から、明確な目標設定、適切な役割分担、メンバー間のコミュニケーション、他のチームや専門家との協力の重要性を学びました。リーダーシップを発揮し、メンバーの能力を最大限に引き出すことで、卓越した結果を実現できるということを実感しました。」

<問1の回答の事例2>

ここからは、有料部分となります。
<以降に記載されている内容>
・ESの設問ごとに、求められている項目の解説
(内定者のESから、共通点を徹底分析)
・共通点に基づいてESを作成(パターン別具体例をご紹介)

どんな文章も最後は自分で書くものです。一方で、シチュエーションによっては「型」があり、その「型」から離れすぎると伝わりにくいのも事実。

本気の企業を受けるなら、本気の取り組みを。後悔はさせません。

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