見出し画像

英語は1年で話せるようになる

「英語を話せない日本人」

なんだか本のタイトルにもなりそうですね。

義務教育から高校、大学と何年も英語を学んできているのに、「英語を話せるようにならない」「英語は分からない」と苦しんでいる方が多い現状があります。

よくよく考えると、中学3年間、高校3年間と英語を学んだとしたら、それだけで合計6年間を英語の学習に費やしていることになりますよね。

少なくとも6年間時間を費やして「英語なんてさっぱり分からない」という状況が生まれているのだとしたら、これって結構恐ろしいことじゃないかとふと思いました。

だって、6年間ですよ?

6年間かけて、一体どれくらいの人が成果を得られるのでしょうか?

講談社が2016年に行った、男女1000人を対象にした英会話力についてのアンケートがあります。

その結果によると「(英語を)聞くことも話すことも問題なくできる」と回答した人は、2.5%に留まったそうです。

2.5%って…。

投資に置き換えてみます。

6年間、毎日1,000円「英語株」に投資してみてくださいよ!これが6年後、どうなると思いますか?なんと、驚くことに2.5%の確率で「報酬」が得られます!?これってすごくないですか!?ぜひ買ってくださいよ!

斬新かよ。

ま、まあ英語を勉強する目的って話せるようになることだけじゃないしね!

本を読んだり、メールを書いたりできるようになれたらいいなって人もいるもんね!

同時期に、楽天インサイトが行った別の調査を紹介します。

全国の20代〜60代の男女を対象にしたこの調査では、「英語が得意か」という問いに対し、約7割が「苦手(苦手、とても苦手)」と回答しており、「得意(得意、とても得意)」と回答した人は、わずか8.7%だったそうです。

おお!ってことは10人に1人くらいは、「英語で何かしらできる」って人が生まれるってことだ!

教師Ryo
「いいですか皆さん。英語を勉強するのはとても有意義なことです。今や国際化社会。多くの人が英語でやりとりしています。英語が使えるということは、その中の一員として活躍できるようになるということです。一生懸命、毎日コツコツと英語を勉強すれば、この30人のクラスの中で3人くらいは英語ができるようになります!」

斬新かよ。


現在、私は英語の無料学習相談をさせていただいているのですが、お申し込みいただいた学習者様のほとんどが「英語がうまく話せないんです」という困り感を抱かれています。

「大丈夫。97.5%の人は英語が話せないんですから」

全然大丈夫じゃないですよね。

というわけで今日は、「日本人が英語を話せるようになるためには何が必要なのか?」ということについて書いていこうと思います!

私の信念は、「日本人だって、みんな英語を話せるようになれる!」ですので、張り切って書いていこうと思います。

ちょっと長くなるかもしれませんが、どの世代の方にも有益な情報になるよう、脳みそ絞って書いていきます!

私の主張はこうです。

英語はゼロからでも1年で話せるようになる

よろしければお付き合いください。


英語を話せるってどのレベル?

あなたの「英語を話せる」というイメージは具体的にどのくらいのレベルですか?

「そりゃ、日常会話で外国人と普通に英語を話せていたら、英語を話せるって言っていいじゃんね」

実は「英語が話せる」というレベルを細かく分けた世界的な指標があります。

こちらをご覧ください。

CEFR(セファール)と呼ばれるものです。

これは、「英語でどれくらいのことができるのか」という、いわゆる「英語力」をA1からC2の6つのレベルに分けたものです。

A1が初級者でC2が上級者です。

文字で読んでもイメージが湧かないと思うので、試しにいくつかのレベルでどれくらいの英語が話せるのか、YouTubeから動画を引っ張ってきます。

まずはA2。

次にB1。

そしてB2。

最後にC1。


あなたのイメージで、「英語を話せる」というのはどこらへんのレベルでしたか?

私の感覚で言うと、B1レベル(上から2つ目の動画)くらいで「英語を話せてんじゃん!」と感じる方が多いのかなと。

まあ、ここは感覚的なものなので、「英語を話せる」の定義は人それぞれだとは思いますが、要はそれを「言語化」「定義」したものがCEFRだということです。

で、現状は6年かけても、A2に至らない日本人がほとんどだということです。


英語を話せるようになるまでの必要な時間

単純に時間が足らないんじゃない?と思ったそこのあなた!

素晴らしい着眼点です。

どれくらいの時間をかけたら、どれくらいのレベルに到達できるものなのでしょうか?

大体中高の6年間で750時間(学校の授業だけで)の英語を勉強する時間があるのですが、ちょっと下の表をご覧ください。

左がCEFRのレベルです。
(英語のレベルね)

右がそのレベルに到達するまでにかかるとされている時間ですね。

そう考えると、750時間勉強したら、C1のレベルにいっちゃうわけですよ。

最後のビデオのレベルです。

え?嘘でしょ?って感じじゃないですか。

嘘です。

この表は、ヨーロッパの人々がそれぞれの英語のレベルに到達するための時間です。

私たちはニッポンジンですから。もっと時間かかるんです。

これには、大前提としてヨーロッパの言語体系って英語に近いという理由が挙げられます。

それこそ、単語され覚えちゃえば、あとは単語を母国語のルールに沿って並べていけばいいだけ、という言語も存在します。

日本語で言えば、

私は昨日お母さんとレストランでステーキを食べました。
I yesterday my mother restaurant steak ate.

でいいってことです。

ところが、日本語と英語は言語としてかけ離れていると言われています。

 何が何やら…。

というわけで、日本人は上の表のおよそ2倍の時間を要すると言われているわけですね。

それでも、B1のレベルには到達しているはずなんですよ。計算上は。

あれ、おかしいな……


英語は得意なのに英語を話せない人

「TOEICで点取ったからって英語話せるわけじゃねーから、TOEICは無駄」論争が存在します。

これは、一般的なTOEICのテストが「聞くこと、読むこと」に特化したものであることに起因しています。

下の対照表をご覧ください。

これは、各種英語のテストがCEFRのどのレベルに対応しているのかを示すものです。

例えば、TOECIで800点くらい取れちゃう人は、受験者のうちの14.6%だと言われてます。
(受験者ね、日本人全体からしたらもっと小さい割合になります)

これだけでもかなり凄いことなんですね。

だから、TOEICで800点を取ったら、「英語は得意」の部類なんですよ、もちろん。

ところが、そういう人たちでは上の表で言うとCEFRのB2からC1レベルに該当するんですが、「全然そのレベルでは話せない」ということが起こるわけです。

だって、話すことに特化したテストじゃないから。
(TOEIC S&Wという話すことに特化したものもあります)

私の担当する学習者の中にもTOEICで700点以上をとっている人が数名いますが、やっぱり「話せない」と困っているわけです。

なんでそういうことが起こるのか?ってことを説明します。


英語を話せない理由

英語を話さないからです。

以上!

…というわけにもいかないので、詳しく説明します。

学校現場では、英語って「テストのために点をとることが求められる教科」に過ぎないんですよ。
(全部の学校じゃない、でもほとんどがそう、異論は認める)

国語、数学、理科、社会と同じように、「テストで点をとること」が至上命題なわけですね。

で、テストって紙ベースで行われるわけじゃないですか?

必然的に、「読むこと、書くこと」が重視されるわけです。

「話すこと」は必要ないんですよ。だってテストで使わないから。

だから、話せるようになる必要性がない。

だから話さない。

ね、シンプルでしょ?


話さないから話せない

もう少し掘り下げていきましょう。

まず、話せるようになりたいなら、話さなきゃいけないわけです。

泳げるようになりたければ、泳ぐのと一緒です。

プールサイドで「泳法」についての本読んでるだけで泳げるにはなりませんからね。

なのに、6年間の学校の学習で、話す練習をする機会がない。

そうなると、学校現場以外でそれを設定する必要があります。

日本に住んでいる限りは、英語を話す機会なんて自然には訪れないですからね。

あえて設定しなければいけないわけです。

海外の友達をつくったり、英会話教室に通ったり、オンライン英会話に登録したり。

話せるようになりたければ、話す機会をつくるところから始めないといけないわけですね。そしてこれがなかなかハードルが高いわけです。

それでも、「絶対に英語を話せるようになりたい!」と強い意志をもって行動に移す人もいるわけです。

もうね、こんな人、絶対話せるようになってほしいじゃないですか。

もちろん、それで「話せるようになった!」という方も多いわけです。

意志を固めて、行動に移したから結果が出た。

すごくシンプルな因果関係ですよね。

ところが、「行動に移しているのに結果が出ない人」がいるんですね。

海外の友達をつくったのに、いつも話の輪の中に入れない。
英会話教室に通っているのに、いつまでも言いたいことが言えずに詰まっちゃう
オンライン英会話を受講しているのに、いつも「あー、うー」で終わっちゃう

私がとにかく何とか力になりたいと思っているのは、ここにいる方々なんです。

だって、「行動したのに結果が出ない」なんて理不尽すぎるじゃないですか。

頑張ったら、報われたいんですよ。誰でも。

なのに

「へっへっへ、そうはいきまへんで、ここは通しまへーん!」

とドンと立ち塞がる「英会話」という壁にぶつかって、心折れる方々がいるわけです。

で、私が声を大にして言いたいのは、

その壁、絶対乗り越えられます、その熱い気持ちと行動力があれば、絶対に英語は話せるようになります

ってことです。

もし困っていて、藁にもすがる思いでいらっしゃるのであれば、ご相談だけでもおいでください。心を込めて、お話を拝聴させていただきます。

少なくとも藁よりは頼りになると思います。


英語を話せるようになるための方法

じゃあ、一体英語を話せるようになるためにはどうすればいいの?ってところを説明していきます。

まず、「聞いているだけで英語が話せる!」みたいな情報には絶対に惑わされないでください。

だって、話したいんですよね?聞きたいんじゃないですよね?

なのに聞くだけで話せるようになるって普通に考えておかしくないですか?

それでは、「読んでいる、書いているだけだから話せない」っていう現在の学校の英語教育の問題が「聞いているだけだから話せない」って構造に変わるだけじゃないですか。

なので、ここから全ての話は

「話せるようになりたいんだったら、話そう!」

という大黒柱のもとでお届けしますね。

これを読んでくださっているほとんどの方は10代以上の方々だと思うのですが、「子どもと大人で学び方が違いますよ」っていうところから説明させていただきます。

これが分かってれば、「聞いてるだけで話せるようになります!」みたいな文言に惑わされなくなりますから。


子どもの英語の学び方

「聞いてるだけでOK」理論では、よく次の説明がなされます。

赤ちゃんが言葉覚える過程を思い出してみてくださいよ。
赤ちゃんって最初は「聞く」から入るじゃないですか?
すると、いつの間にか喋ってるわけですよね?
このように、言語習得段階っていうのは、「聞く」から入って、自然に「話す」につながっていくんですよ。
しかも、赤ちゃんって聞いてる時は意味分かってないじゃないですか?
だから意味なんて分からなくていいんです!
分からなくてもずっと聞いてるってことが大事なんです!
これは、言語習得理論に則った論理的な学習理論なんですよ。

おおおおおおう。

なんか説得力ありますね…。

でもこれは大間違い。ツッコミどころ満載です。

①大人の脳の発達状況が加味されていない
(赤ちゃんの脳は急激な速度で成長します)
②私たちが勉強する英語はそもそも母国語じゃない
(これは母国語の習得理論です)
③赤ちゃんが話せるようになるまでに5年はかかる
(しかもその間、結構喋ってる)

で、本題の「子どもは英語をどう学ぶべきか?」ということを説明しますね。

これはもうね、シンプルです。

「体験を伴う英語活動をさせる」です。

最近、小学校でも英語学習が始まりました。その多くのレッスンは、歌やダンス、ゲームやカード、ロールプレイや劇などが多く含まれています。

もうね、これ。これ正解。

子どもの認知上の発達段階を説明した人にスイスの心理学者のピアジェ(Piaget)って有名な方がいるんですよ。

で、およそ2歳から7歳の子どもは言語機能と運動発達が大きく成長する時期なんですね。

さらに、具体的な「イメージ(もの、絵、写真など)」を使うことが理解の足がかりになる段階らしいのです。

また、11歳までには、数的な概念なども獲得するとのことです。

ここまでの段階は、とにかく「実際にやらせてみる」というのが肝となります。

なので、もし保護者の方で「子どもに英語を学ばせたい」と思ったら、オンライン英会話よりも、近所の英語教室に実際に通って、「現実の体験」を英語とともに提供してくれるサービスがおすすめです。

教材を買って、机の上で勉強させるとかは、まだやらなくていいと思います。

話せるようになってほしいなら、です。

https://chiik.jp/7h8rt/

もしくは、各自治体で「英語イベント」みたいなのって結構開催されてたりするんですよ。

そういうのに参加して、実際に外国の方とあいさつ程度の英語でやりとりできて、さらにクリスマスイベントみたいな楽しい思いができたのであれば、英語に興味を持つ可能性が高いんです。

少なくとも、楽しい思い出とセットであれば、英語に対して「ポジティブなイメージ」を持つ可能性が高いです。

この段階の子どもたちが学ぶことって、「興味を持つ」ってことが本当に大切なことなんです。

英語は全然できないけど、興味はある。

これだけで十分!


大人の英語の学び方

で、11歳から上の年齢になると、「抽象的概念」っていう思考スキルを獲得するんですね。

難しくいうと、「帰納法でも物事を理解できるようになる」ってことです。

つまり、具体的な体験を伴っていなくても、理論で物事を理解することができるようになるってことですね。

大人になればなるほど、持っている「理論」が増えていくわけですよ。

これを言語学習に生かさない手はないですよね。

なので、「具体的なフレーズ」を一つ一つ覚えていく、という力技も時には必要ですが、それで言うと子どもの時の方がその力技は有効なんです。

大人が「強み」を生かして学習するなら、「具体的な体験+論理武装」が最強です。

論理武装ができていると、他のことにも応用ができるからです。

例えば、I watch YouTube every day! というフレーズを勉強したとしましょう。

「毎日、ユーチューブを見ています」ということが分かり、

「じゃあ、YouTube以外にも毎日ニュース見てたら、I watch news every day!って言えるな」

ってくらいまでは到達できると思うんです。

これだと、I watch Youtube every day. という一つの学びから、「毎日見ているものを言える」くらいの発展幅ですよね。

これが、

「これは現在形の用法で、毎日の習慣なんかや事実を表すために使うものだから、watch を別の動詞にしたら、別の習慣まで言えるし、主語を変えれば、自分以外の習慣や事実について言えるな…例えば You get up early every day. とかでもいいわけか…」

となるわけです。

つまり、 I watch YouTube every day. から、「毎日の習慣や事実を表現できる」ように発展するわけです。

全然、成長度合いが違いますよね?

何が言いたいかというと、

「文法」という理論を学ぶことは、学習を発展させる上でめちゃくちゃ有効だってことです。

水泳の例をあらためて取り上げるなら、子どもはとりあえず泳がせながら「手はこう!足はこう!」って実際にやらせながら覚えさせるといいんですね。具体的かつ運動的じゃないですか。これでできるようになっちゃうんです。もしくは「カエルさんの足みたいに開く!」とか具体的なイメージが役に立つんです。

で、大人になると、「この時は手をまっすぐに伸ばして、足は90度曲げて手を上げるタイミングで伸ばす、ということをイメージしながらやってみてください」という論理的な説明が加わるとより習得が早くなるんです。

頭で考えることに慣れているからです。

ただ、忘れてはいけないのは、「泳いでいる」ってこと。

大人は確かに理論で理解できるのですが、理解できることとできるってことは全く別。

理論ができるまでの過程を早めてくれるってだけで、理論だけでできるようになる人はいません。

ところが、英語になると、文法の練習をひたすらして、問題をひたすら解いているだけで「英語がいつか話せるようになるだろう」って思っている人が多いんです。

何度も言いますね。

話せるようになるには、話さないといけません。

だから、論理武装(文法学習)をしながら、「話す」活動を取り入れてください。

逆に、「論理武装」なしで体当たりで英語学習に臨まれる方もいます。

これはこれで悪くないとは思います。だって実際「話している」わけですので。

ただ、「早い成長」を望むのであれば、理論(文法)を学ぶともっと効率的ですよ、というお話です。


話しているのに話せるようにならない理由

さて、この記事のメインテーマです。
(長くてごめんなさい)

論理的な理解が「英語を話せるようになるまでの速度」を加速させるのは分かったとして、次に「どういう練習が必要か」「何をすればいいのか」ということが気になるところだと思います。

これに関しては、多くの方がさまざまな方法を提唱しているので、

YouTubeで「英語 話す練習」と検索してみることをお勧めします。

私も実際に試してみた結果、「これは確かに効果的があるな」と感じたものをいくつか紹介しておきますので、興味があればご参照ください。

これで「できるようになりました!これで晴れて私も英語スピーカー!ウヒョー!」っていう人はもうおめでとうございますですよ。

あなたが行動した結果、成果が生まれたってことですよね。

あなたが勝ち取った未来です。素晴らしい!

ただ、中には「これでも全然うまくいかねえやん…」って方もいらっしゃいます。

「文法も勉強してるし、使う練習もしてきたのに、独り言ですら言葉が出てこないのに独り言練習方法とか紹介してんじゃねえ!それができないから困ってるんだ!あんぽんたんめ!長い記事の最後がこれかい!」

と思われる方もいらっしゃると思ったので、最後に私の提唱するメソッドをご紹介いたします。

それは次の通りです。

一つ一つ説明していこうと思います。


①シンプルな文構成

この記事の中でも説明させていただきましたが、英語と日本語の文構造は全く違います。
(長過ぎて忘れちゃいましたでしょう?)

なので、全ての文法を「使えるレベル」に昇華するまでにはかなりの時間を要します。というか、私もまだそのレベルには達していません。

そこで、「無理して難しい文法使わずに、単純な構文(文法)だけで話をしようよ」ということを主張したい。

だってそれで十分なんだもん。

で、シンプルだから組み立てるまでに時間がかからないんですね。

だから話すスピードが上がるんですよ。そこに流暢さが生まれます。

すごく極端な話をすると、「単語一つで会話にスムーズさが生まれるなら(そしてそれが失礼に当たらないのであれば)、それでええやん」ということです。

私の定義する「話せる」というのは、スムーズに相手と会話ができることなので、それが単語一つで済むことももちろんあるわけです。

A: What’s your favorite color?
B: Black. You?
A: Oh, what a coincidence! Me, too.
B: Super!
A: That’s why I’m always in black.
B: Handsome.

Bが私だとして、この会話がスムーズに流れたら、もうそれって英語話せるって言えません?

シンプルな文構成にするために意識するのは、一文を短くすることです。

長く話す必要なんてありません。

そして簡単な文法を選ぶこと。

簡単な文法というのは主に「中学校までの文法」のことです。

私の考えでは、「中学校までの文法」を使いこなすことができれば、言いたいことのほぼ全てを表現することができると考えています。

ただ、ネイティブと話しているときに、ネイティブはより高位の文法を使ってくる可能性もあるので、少なくとも「分かる」レベルにはしておきましょう、という考え方です。

そして、文法を一通り学習し終わったら、

「理解できればいい文法」と「使えるようになりたい文法」

に分けて考えます。

「理解できればいい文法」というのは、主に高校の文法。

これに関しては、「聞いて分かる」レベルまで押し上げれば十分です。

リスニングの練習に特化させましょう。

「使えるようになりたい文法」というのは、主に中学の文法です。

「使えるようになりたい文法」は徹底的に鍛えなければいけません。

そのために私が推奨するのは、

「文の変形」「情報の変化」「構造の選択」の3つを同時進行で、音の情報のみでやることです。

どうやればいいのかを書くとすごく複雑で長くなってしまいますので、ここではざっくりとしか紹介できませんが、中学校の文法を「使えるレベル」に押し上げるためには

①瞬時に文構造(肯定文、疑問文、否定文など)を変化させる
②情報を入れ替えて別の意味を瞬時に作れる
③いくつかの文法を複合的に使える
④ある場面での適切な文法を瞬時に選べる

ための練習をすることが大切です。

たったこれだけで、A2からB1のレベルに到達することができます。

1年でいけます。それも「長くても1年で」です。

短く、シンプルに。これを意識しましょう。


②豊富な単語量

中学校までの文法を使ってある程度スムーズに会話できるようになってくると、次の欲求が生まれます。

それは、「もっと深みのある会話がしたい」という願望です。

要は、「毎回同じ表現を使いまわしてるけど、もっといろんな表現を使いたい」と思うようになるんですね。

その場合は、「使える単語」を増やしていけばいいわけです。

だって、構造は使いこなせているわけですから、そこにハマるピースが多ければ多いほど、完成する「ジグソーパズルの絵」は多彩になりますよね。

ここでもポイントになるのが、「理解できるか」「使えるか」問題です。

多くの人が、単語の暗記について知らないことがあります。

単語の暗記には段階があるということです。

上にある通り、とある単語を覚えようとすると、その単語は「見たことがある」という段階に押し上げられます。

その後、何度も見たり、忘れたり、思い出したりを繰り返しながら、どんどん上の階層にレベルアップしていくわけです。

多くの人は、「時間をかければ思い出せる」「1秒で思い出せる」あたりを「単語を覚える」と考えます。

学校のテストなどでは、それでいいかもしれません。

時間をかけて「読む」ことができて、悩みながら「書く」ことができるからね。

ところが、「会話」の中ではそれらの単語は、「えぐいスピードで次々に耳に入ってきて」「頭で思い描いた0.5秒後くらいには口に出したい」わけじゃないですか?

そのために「日本語にしなくても理解できる」レベルまで押し上げて初めて「使える単語」になるわけです。

日本語にしなくても理解できるレベルというのは具体的にいうと

“Good morning!”

のレベルです。これ、別に「おはようございます」と日本語にしなくても理解できませんでしたか?

このレベルが、「日本語にしなくても理解できる」レベルであり、「瞬時に理解できて」「瞬時に話せる」ためのレベルです。

それでもって、次の表をご覧ください。

これは、CEFRの各レベルで必要とされる「使える単語数(左)」と「思い出すことのできる単語数(右)」です。

中学校までに習う単語が大体1000語くらいなもんですから、それらを全て「使える単語」にまで押し上げることができれば、A2からB1くらいの会話はできるようになるわけです。

じゃあそのためにどうすればいいかと言うと、

期待はずれで申し訳ありませんが、やっぱり「使う」練習を重ねることなんですよ。

「覚えているのに使えない」という状態って、「ピースとして持っているけどはめるべき場所が分からない」ってことですよね。

もしくは「その単語にまつわる話題のフレームワークがない」ってことです。

例えば、最近私が学んだ単語にanemometerってのがあって、それって「風速計」って意味らしいんですね。

でも、使い所がわからないんですよ。

私、理科疎いんで笑。

ちなみに私が思い描いたのはこれ。

で、本物はこれ。

全然ちげえ…。


こんなレベルだから、使い所も分からないし、使うトピックそのものにすら疎いわけです。

結果、「知ってるけど使えない」ってことが生じるわけです。

だから「使う」練習が必要なんです。

で、使うためには「文脈」が必要なんです。

その「設定」をいかにうまく設定するかがポイントになってくるわけです。

そうやって、「使っていく」ことで、単語のレベルは自然と押しあがってきます。

使う頻度が高ければ高いほど、レベルは押し上がります。

だから「話す練習」ってすごく大切なわけですね。

そしたら、例えば書類を渡されて「次の会議の内容なんだけど…」みたいに言われて「後で読んでおくね」というときに、

I’ll read it later.

としか言えなかった人が(これでも十分やんって思いますけど)

I’ll check it later. / I’ll examine it soon. / I’ll go over it soon. 

とかいろんな言い方ができるわけですよ(ちょっとニュアンス違いますけど)。

そしたらB2とかまで達するわけです。


③定型文

それでも、「もっともっとネイティブに近づきたい!」って人は、さらにネイティブがよく使う「定型文」を会話に混ぜ込むことでさらに「流暢さ」が生まれます。

これは、「子どもが得意なフレーズ丸暗記戦法」をとるわけですね。だからあんまりたくさんあると混乱しちゃうし、これだけに頼るのは効率が悪い。

ただ、ピンポイントで少しずつ自分のペースで覚えていくのはアリだと思います。

実際に私もそうしてますし。

言うなれば、

①文法や単語などの理論武装をして英語の土台を下から押し上げつつ
②ピンポイントで使えるフレーズを丸暗記して上からも攻める

みたいな感じで上からも下からも包み込むようにして英語力を伸ばしていこうよ、って考え方です。

ただ、あんまり多用するのもよくないかなぁと。

例えば、ネイティブがよく使うので “like” “you know” “I mean” などのfiller words(話の空白を埋めるだけの意味のない言葉)があるんですけど、

使えば使うほど話の焦点がずれたり、曖昧になったりするんですね。

日本語の

「ほら」「あの」「的な」「みたいな」

を会話に混ぜ込んでるのと一緒なので。

まあ、ほどほどに。


日本人に合った流暢さを身につけよう

ここまで書いてきた通り、日本人が「全く異なる言語」を使いこなすための最も効率のよい手段として、

①シンプルな文構造をかなりの熟達度に上げて
②豊富な単語量で表現できることの幅を広げつつ
③ネイティブもよく使う表現を織り交ぜる

ことを提案いたしました。

私の「日本人英語話者」の理想像としては、YouTuberのライアン鈴木さん(効果的な学習方法について、上の動画で話しているYouTuberさん)をイメージしています。

発音もイントネーションもすごく綺麗で、とても流暢に話しているのですが、使っている文構造自体はとてもシンプルなので、(日本人にとっては特に)聞いていても理解しやすいんですね。

ただ、所々でネイティブのノリに合わせて、定型文などを放り込んでくるから、とっても会話がスムーズなんです。

文も一文一文が比較的短いですし、本当に日本人が目指すべき英語話者のあるべき姿だなぁと感じます。

そして、誰でもきっと、ライアン鈴木さんくらい話せるようになるはずなんです。

だって、彼が英語を始めたのは25歳のときらしいですもん。

で別に小さい時から海外に住んでいましたとか、25歳でいきなり海外に住み始めましたとか、特別な環境にいたわけでもないそうです。

大切なのは「話したいから話す練習をひたすらした」っていうポイントです。
そして、正しい練習方法をひたすら模索したってところです。

私は、それが上で提唱したやり方の大原則に則っていると感じましたし、そのために自分一人だけで課題設定、活動設定、練習設定を行ったのは本当に素晴らしいなと感じました。

私は信じています。

今、英語が話せずに歯がゆい思いをされているあなたも、きっと正しいやり方で十分な量の努力を適切なマインドセットのもとで重ねれば、あんたが想像するよりずっと早く、必ず英語は話せるようになると。

改めて、冒頭の主張をさせてください。

この理論で1年間英語の話す練習を続けるだけで、あなたは必ず英語が話せるようになります。

ここでいう「話せる」の定義は、英語力ゼロの人がCEFRのB1レベルに到達するという意味です。


まとめ

ここまでつらつらと駄文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。

この長文を読み切ったということは、あなたの「英語を話せるようになりたい!」という思いは非常に大きく深く、そして熱いものだという証拠です。
(それか私のことをすっごく好きか❤️)

この記事を読んでくださった方が、少しでも次の英語学習に自信と勇気を持って進んでいただけたら、こんなに嬉しいことはありません。

「やり方や大切なことは分かったけど、自分一人でできる自信がない」という方、

「いろいろ自分で試してみればいいのだけど、できれば最短最速で英語を話せるようになりたい」という方、

「いまいち言っていることがよく分からないし、具体的に何をどうやればいいかが見えてこなかったよ」という方、

ぜひ、一度ご相談ください。

不安な思いや漠然とした悩み、心を傾けて聞かせていただきます。

そしてできる限りのご助言を差し上げます。

以下のページに、無料相談会のことが詳しく書かれていますので、そちらよりお申し込みいただけます。

ご相談いただいた方、体験レッスンをご受講された方からは、ありがたいことに多くのお喜びの声をいただいております。

あなたの英語学習が、これからもずっとずっとうまく生き続けますように。

Kind regards,
Ryo



  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?